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2003年10月28日 日経新聞掲載
モバイルネットワークの進化で、企業はますます業務の効率化を進めています。そんな中、ANA(全日空)が求めたのは、社員13,000人が時間や場所にとらわれず、社内のデスクにいる時と同じように仕事ができるユビキタスオフィス環境でした。NTTコミュニケーションズは、従来のPCはもちろん、携帯電話まで含むマルチディバイスに対応した「モバイルコネクト」を提供。独自の本人認証システムで万全のセキュリティを確保しながら、インターネットを介して社内システムにアクセスすることを可能にし、社内情報の閲覧や旅費精算などの業務処理を24時間どこからでも簡単に行えるようにしました。しかも、既存の社内システムを活かすことにより、導入コスト・期間を大幅に削減。ANAの業務効率をアップし、お客様に対するサービスクオリティの更なる向上に貢献しています。
パイロットや客室乗務員、整備士など、社員の大半がオフィスの外で業務を遂行するANA(全日空)にとって、社外から業務システムを利用できるモバイルアクセスシステムが不可欠であった。そこでANAは、NTTコミュニケーションズの「モバイルコネクト」を導入して、PDAや携帯電話などPC以外の端末からも社内システムにアクセスできるモバイルアクセスシステムを構築し、“エリアフリー”で業務が遂行できる環境を実現している。

オフィスと同様の業務が社外で遂行できる
モバイルアクセスシステムの構築が課題

 空港や旅客機内がビジネスのメイン・フィールドとなるANAでは、13,000人もの社員のうち約6,000人がオフィスに特定のデスクを持っていない。しかし、オフィスでのデスクワークは不可欠だ。例えばパイロットは、予定航路や到着地の天候といったフライト情報を確認するために、オフィスに立ち寄る必要がある。
 また、客室乗務員も、勤務スケジュールの確認や、乗務報告書の作成・提出といったデスクワークのためにオフィスに立ち寄る必要がある。さらに、オフィス勤務の社員も、メールの確認や営業報告の作成・提出、旅費清算などの申請・手続きは、外出先では当然できない。そこでANAでは、外出先や自宅からでも業務が行えるよう、業務システムへのリモートアクセスサービス(RAS)を1999年に構築して、業務効率の改善に取り組んできた。
 しかし従来のRASは、ダイヤルアップで業務システムにアクセスするため、通信速度が遅く、高度な機能や使いやすいユーザインタフェースを提供できなかった。また、常に固定電話からダイヤルアップできる環境にいるとは限らないパイロットや客室乗務員にとっては使い勝手がよくない。さらに、海外からのアクセスも多いため、ダイヤルアップ接続時の通信コストの負担も問題だった。
 しかし、社外でもオフィスにいるのと同様に業務システムが利用できれば、移動に伴う時間とコストの効率が大幅に改善できる。そこでANAは、RASに代わるモバイルアクセスシステムをNTTコミュニケーションズの「モバイルコネクト」を導入して構築したのだ。

“マルチキャリア”“マルチディバイス”対応と
高セキュリティ、導入・運用のしやすさが決め手

 2003年6月より全社員13,000人を対象に運用が始められたモバイルアクセスシステムによって、現在、ANAでは、社外からのメール送受信やフライト情報の確認、乗務スケジュールの確認、乗務報告書の入力・提出、旅費清算など、イントラネットの機能がPCだけではなくPDAや携帯電話からも、インターネットや携帯電話キャリア(通信会社)の専用線経由で利用できるようになっている。その結果、多くの社員が業務システムを積極的に利用するようになり、業務効率の改善が図れたという。
 同社がモバイルアクセスシステムに求めたのは、インターネット経由でPC以外の端末、特に携帯電話からもアクセスできること、オフィスにいるのと同様に業務システムが利用できるよう、既存システムを活かせること。もちろん、セキュリティの確保も必須だ。「モバイルコネクト」の導入に携わったANAのグループ全体の情報システムを統括するANA IT推進室 IT基盤グループ 川浪宏之氏は、導入の要件について次のように語っている。
 「インターネット経由でのアクセスに対応すれば、海外の拠点や空港、ステイ先からのアクセスに対応できるだけでなく、PC以外の端末にも対応できます。その際、携帯電話からのアクセスでは、どのキャリアでも利用できることを必須要件としました」(川浪氏)。
 しかし、導入を検討した当時、マルチキャリアに対応したサービスはなく、しかも13,000人ものユーザに対応できるサービスはなかったという。
 「キャリアごとに異なる携帯電話の仕様に対応したり、業務システムをPC以外の端末に対応させたり、セキュリティを確保したりするには、莫大なコストと時間がかかります。また、携帯電話は頻繁に仕様変更や技術進化があるため、それらに対応するのも大変な負担となります。そのため、当社の要件を満たすアウトソーシングサービスが見つかるまで、従来のRASを利用していたのです」(川浪氏)。
 そして川浪氏は、NTTコミュニケーションズから「モバイルコネクト」の提案を受け、導入に至った。
 「“マルチキャリア”“マルチディバイス”でインターネットから社内システムにアクセスできることに加えて、ワンタイムパスワードによる高いセキュリティと、その運用のしやすさ、既存システムとの連携のしやすさを評価して導入を決めました」(川浪氏)。

既存システムを活かして導入できるため
工期と初期コストを大幅に圧縮できた

 13,000人ものユーザを管理しなければならないANAにとって、運用のしやすさは重要な用件だ。特に、モバイル端末からのアクセスとなると、セキュリティの確保とそのシステムの運用が難しい課題となる。しかし「モバイルコネクト」は、独自のユーザ認証「MCOP(Mobile Connect One-time Password)認証」によってその課題を解決しているのだ。
 「MCOPは、端末側にハードウェアやソフトウェアが不要で、ユーザの携帯電話の機種を変更してもそのまま利用できるなど、管理に手間がかからない点が魅力です。万が一携帯電話を紛失しても不正アクセスされる心配もなく、アクセスするたびにパスワードが変更されるため、高いセキュリティも保てます」(川浪氏)。
 さらに、既存システムを活かして導入できる点も、高く評価されている。
 「導入の際にシステムに大幅な変更が伴うと、時間とコストがかかってしまいます。しかし、モバイルコネクトは、既存のシステムを活かしたまま短期間で導入でき、初期コストの負担軽減にも効果が得られました」(川浪氏)。
 ANAでは、モバイルコネクトで構築したモバイルアクセスシステムをプラットフォームとして、SFA(Sales Force Automation)システムの構築にも取り組んでいる。さらに、このプラットフォームをグループ全体、30,000人に規模を拡大する予定もある。
 「無線LANの普及によるオフィス内のワイヤレス化も含めて、業務システムはモバイルで利用されるのが一般的になると思います。そうした変化を想定すると、モバイルコネクトで構築したモバイルアクセスシステムは、当社の業務システムのプラットフォームとして重要な役割を担うことになります。当社では、今後構築、開発するシステムは、全てモバイルコネクトに対応するように設計していきます」(川浪氏)。
 情報インフラのプラットフォームとして活用されている「モバイルコネクト」は、ANAグループのサービスとビジネスを支えていくことだろう。

「モバイルコネクト」
「モバイルコネクト」は、携帯電話・PC・PDAといった様々なモバイル端末から社内のイントラネットへのリモートアクセスに万全なセキュリティを確保し、安価に短期間でご提供するプラットフォームサービスです。
さらに、モバイル端末と社内の業務支援アプリケーションとのスムーズな連携を実現し、お客様のニーズに最適なモバイルソリューションを提供します。