ICT革命の到来 〜ITから“ICT”の時代へ
ディジタル革命に端を発した情報処理の進化は、ブロードバンド革命とインターネット革命・モバイル革命を引き起こし、今、『ICT革命』につながりました。
今まで業務効率化やコスト削減に貢献してきたITは、人口普及率50%に向け急速に普及するブロードバンドとインターネット/モバイルの飛躍的な普及の結果、ICTへと進化しいつでもどこでも必要な人・モノ・システムとつながるコミュニケーション環境を生み出し、ネットワーク上での共働・創発・コラボレーションから新しいアイディアを生み出すことを可能にしています。
ITから、経営戦略の中心となる
ICT(Information & Communication Technology)へ
個人のライフスタイルや企業のビジネスモデルを抜本的に変革させる『ICT革命』が今起こりつつあります。
消費者の変化 〜変わりゆく生活者の価値観
さて、ICT革命の本質について検証する前に、企業のお客さまである消費者の変化について押えておきましょう。
今、消費者の価値観は多様化しています。
少子高齢化や女性の社会進出、グローバル化、格差社会の表出、プロワーカーの登場など、社会の成熟とともにライフスタイルや働き方が多様化しました。
その結果、従来、性別や年齢によって共有してきた画一的な価値観は崩壊し、個人個人のライフスタイルにあわせた多様な価値観が表出し始めたのです。
これは、企業にとって画一的な顧客セグメンテーションではお客さまを捉えることが困難な時代となったことを意味します。これからの企業は一人ひとりのお客さまを把握すべく、お客さまの発する生の声に耳を傾け、柔軟かつ迅速に対応していかなくてはなりません。
その点からみても、今、企業は消費者とのインタラクティブなコミュニケーションに取組んでいかなければならないのです。

“ICT”のもたらす消費者のライフスタイルの変革
実際に“ICT”により消費者のライフスタイルは変革しています。
ブロードバンドが普及率50%に向け拡大する中、インターネットは一部の先進的な消費者のものから一般消費者のものへと変化し、その使い方もポータル、EC、検索、ブログ・SNS(Social Networking Service、参加者が互いに友人を紹介し合い、友人関係を広げることを目的に開設されたWebサイト)へと急速に進化しています。
消費者は、「コミュニケーションの力」を最大限活用することで、「個人」パワーを飛躍的に向上させているのです。
- ・「個人」のメディア化の進展
- 検索エンジンによる情報収集力の向上のみならず、SNS・ブログに代表されるCGM(Consumer Generated Media、インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア)の普及により、消費者は情報発信力まで兼ね備えました。個人がメディアを作る時代が来たのです。
- ・「個人」の購買行動のインターネットへのシフト
- 情報武装した個人は、インターネット上の比較サイトや口コミ情報で商品を選び、ECサイトを通じた購買が広がっています。
- ・「個人」のエンタテインメントの多様化
- また、ブロードバンドやモバイルの進化により、映像・音楽・ゲームなどのコンテンツをいつでもどこでも楽しむようになりました。
- ・「個人」のワーキングスタイルの多様化
- “ICT”はワーキングスタイルまで変えようとしています。ECによる個人ビジネス(アフィリエイト等)が拡大する一方、女性やシニアのテレワークも増大しています。
- ・「個人」のディジタルデバイド拡大 / 「個人」のセキュリティリスク拡大
- 一方で、“ICT”はディジタルデバイド(パソコンやインターネットなどのICT技術を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差)やセキュリティリスクなどの負の問題も顕在化させつつあります。
消費者のインテリジェント化
消費者のライフスタイルの変革のなかでも、特に注目すべきは「個人のメディア化の進展」と「個人の購買行動のシフト」です。インターネットにより個人は飛躍的にインテリジェント化し、商品を見る目は厳しさを増しています。
ではなぜ消費者はインテリジェント化したのでしょうか? その理由は2つあります。
- 1. 検索エンジンによる情報収集力の向上
- ブロードバンドの普及と検索エンジン進化により、いつでもどこでも場所を問わず世界中の情報を検索できるようになり、消費者の情報収集力は大幅に向上しました。検索する情報も、ポータルや企業サイトの情報だけでなく、消費者同士の口コミ情報にまで広がっています。
- 2. SNS・ブログによる情報発信力の向上
- また、SNSやブログの登場により、今まで企業やマスメディアが発信する情報を受ける一方だった消費者が、自ら情報発信することが可能となりました。そして、消費者発のコンテンツ(文章、写真、音楽、動画など)のつながりが、SNSのような価値観を共有する細分化したコミュニティを形成する原動力となっています。
このようなコミュニティでは、価値観を共有する者同士がより質の高いコミュニケーションを行い、あるテーマや商品について詳しく情報交換をしています。商品の使い勝手や欠点について、企業より消費者のほうが詳しい、という状況が起こり始めているのです。

企業にとっても、自ら「ICT」を活用し、「賢い消費者=“個”客」と向き合っていく必要が高まっています。






