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ICTのもたらす企業活動へのインパクト

経営に関わる変化

ICTによってもたらされる消費者のライフスタイルの変化が引き起こす、企業経営に関わる変化

  1. 消費者の購買行動が、インターネット上へシフト。インターネット広告、比較サイト、グローバルでのECやオークション市場が台頭しています。
  2. 売れる商品の法則が変わり、人気商品については集中化/短命化が起こる一方、新たにロングテール市場が顕在化するため、小ロットで価値観の合う“個”客に売れる時代になっています。
  3. インターネットが消費者の生活に深く浸透するにつれ、ビジネスにおいて個人情報がより重要になる一方で、顧客情報保護などの対応を怠ると顧客離れを引き起こす諸刃の剣となります。

企業に求められる転換

  • 多様化・パーソナル化する消費者に対し、企業は、“個”客にとってのオンリーワン企業となるべく、「攻め」の経営へシフトする必要があります。
  • 変化における最大の焦点は、顧客接点とオペレーションです。
  • 顧客接点を、感度を高めた“個”客センサーとして活かしつつ、今まで以上に企業経営のバリューチェーンを迅速に回していく必要があります。そのためにも企業はコア事業へリソースを集中し、競争力のあるオペレーションとICTインフラを確立していくことが必要です。

お客さま事例

  • 実際に、転換を果たすべくICTにより新たなビジネスモデルを構築している企業があります。

経営に関わる変化

 では、ICTによる消費者のライフスタイルの変化は、具体的にどのように企業活動へ影響を及ぼすのでしょうか?
 NTTコミュニケーションズは、特に以下の3つの変化が企業経営にとって重要であると考えています。

企業経営に影響を与える3つの変化

  1. 消費者の購買行動が変わった
  2. 売れる商品の法則が変わった
  3. セキュリティリスクが高まった

1. 消費者の購買行動が変わった

 インターネットによってインテリジェント化された消費者の購買行動は、大きく変化しています。

(新たな購買行動)
 これからは、インターネットを介した購買行動へのシフトが加速します。
 インターネット広告費が雑誌広告費を上回ったことからも、既に商品を知るきっかけとしてインターネットが定着しつつあることが伺えます。
 また、消費者は、商品情報を詳しく知るために、多数のWebサイトの口コミや比較サイトによる評価を参考にしています。
 最終的な購入においても、海外や遠方の店舗、オークションなどの中古品市場も含めた選択肢の中から、利便性や価格などで気に入ったEC店舗から購入しているのです。

 企業は、この変化を捉えた上で、いかに消費者に購買行動を促すか、検討していく必要があります。

「買い物」のインターネットへのシフト

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2. 売れる商品の法則が変わった(今日の勝者は、明日の敗者)

 また、インターネットの普及により、売れる商品が目まぐるしく変わる時代となっています。
 Webサイト上では、商品やサービスの口コミ情報がすぐに伝播することから、良い商品に対する人気が集中し、トップ商品の一人勝ちが生み出されやすくなりました。その結果、トップになれなかった商品は、多数の在庫を抱えるリスクを負わねばなりません。
さらには、トップ商品といえども、新たな人気商品の情報伝播が早いことから、一時の油断ですぐにトップを譲らなければならない状況を強いられます。
 一方、従来ならば企業にとって利幅が少なかったニッチ商品が、Webサイト上でじっくり評価・検索されることで小口で売れ続ける「ロングテール」と呼ばれる市場が立ち上がり始めています。これまでなら廃棄せざるを得なかった在庫商品や、ディジタル化により在庫リスクのないディジタルコンテンツなどが、このロングテール市場において収益を得ることが可能となりました。

売れる商品の法則が変わった

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3. セキュリティリスクが高まった

 インターネットが消費者の生活に深く浸透するにつれ、ビジネスにおいて個人情報がより重要なものになってきました。
一方で、近年、企業の顧客情報漏洩といった問題も多く見られます。法的にも、個人情報保護法が施行され、消費者のセキュリティに対する意識も益々高まっています。
 実際に、顧客情報漏洩が発生した場合、企業は一時的に金銭的負担を負うだけでなく、中長期的にも今までに築き上げたブランドが破壊され、深刻な顧客離れを引き起こすことになります。
 インターネットを通じて悪い噂が加速度的に広まる環境の中、企業にとって顧客情報は諸刃の剣となり、セキュリティ対策は必須の課題となりました。

個人情報漏洩を仮定した時の行動

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企業に求められる転換

 では、こうした経営に関わる変化に対して、企業はどのように取組んでいくべきでしょうか? 最大の焦点は、顧客接点とオペレーションの強化にあると言えます。
 企業は、顧客接点を、感度を高めた“個”客センサーとして活かしつつ、今まで以上に企業経営のバリューチェーンを迅速に回していく必要があります。そのためには、企業はコア事業へリソースを集中の上、経営インフラとして競争力のあるオペレーションやICTインフラを確立していく必要があります。

企業に求められる転換

“個”客センサーが最重要に

 消費者がインテリジェント化するなか、企業経営者は、ビジネスは顧客主導になったことを理解しなければなりません。
 企業は、多様化する消費者の動向/価値観を理解すべく、ICTにより顧客センサー感度を最大限高め、「Consumer」ではなく、個性ある「Person」として顧客を捉えたマーケティングや顧客接点チャネルの構築を進めていく必要があります。

“個”客視点をしっかりととらえたビジネスモデルの創造/商品開発サイクルの迅速化

 ヒット商品が集中化/短命化する中、競合他社に先駆け新たな商品を市場に投入していくためには、商品開発サイクルを迅速化しなければなりません。そのためには、企業は、“個”客センサーで捉えた情報をベースに、アイディアを膨らませ、スピーディーに多様な商品を供給する経営の仕掛け(インフラ)を用意していく必要があります。

多様な価値観/人材の活用

 迅速に多様な商品の開発を行なうには、消費者の多様な価値観を捉えるべく、多様な人材のアイディアを活用していくことが必要です。
 消費者に近いセンスをもった女性や若手、シニアなど、多様な人材によるコラボレーションが、消費者視点から見て価値ある商品を生み出していく原動力になるのです。
 加えて、物理的な場所の制約を取り払ったワークスタイルの導入も重要です。本社と海外拠点、管理部門と工場、営業部門と研究開発部門。これまでならば協働しづらかった部門間を結び、横断的な組織を実現することで、新たなイノベーションのチャンスは拡大します。

グローバルで競争力あるオペレーションとセキュリティの確立

 インターネットの登場により、競争環境はグローバル化しています。  企業は、激化する競争環境に耐えうるオペレーションをグローバルなレベルで確立していかなければなりません。
 業務を見直し、再編することで一層の効率化をはかるだけでなく、アウトソーシングを活用し、競争力の源泉であるコア業務へ経営資源を集中していかなくてはなりません。
 また、企業が“個”客を知るために必要な顧客情報は常にセキュリティの問題をはらんでいます。セキュリティ意識が高まる消費者に対して、セキュリティが保障できない企業は信頼を失い、成長が鈍化してしまうでしょう。

顧客は、多様化、パーソナル化しています。
企業は、“個”客にとってのオンリーワン企業となるべく、「攻め」の経営へシフトしていくことが必要です。

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東京大学大学院
松野 泰也准教授

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