| Vol.5 |

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< その2 >
視点を変えれば、見えてくる日本の魅力。
日本初の技術で世界の人々を引きつける
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製造業が支えているといわれている日本経済だが、少し視点を変えると、異なる様相が見えてくる。現在、日本のサービス業のGDPに占めるサービス業の比率は6割を越えているにもかかわらず、例えば日本を訪れる外国人観光客は年間673万人(2005年)で、世界ランキングでは世界31位とサービス業のポテンシャルを生かし切れていないのが現状だ。しかし、京都など従来の定番的な観光地でなく、全く別の観点から外国人に人気を呼んでいる場所も出てきている。「視点を変えて見れば、日本の魅力も見えてくる。問題はその魅力に地元の人が気付いていないだけだ」と一橋大学の米倉誠一郎氏はいう。日本の製造業の優れた技術も含めて、ICTを生かしながら、どのようにして、海外の人々に魅力をアピールするのか、米倉氏に聞いた。
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外国人観光客ランキング31位の日本。本当に魅力はないのか。
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-マクロ的に見ると、日本はどのような方向に進むべきなのでしょうか。 |
米倉 |
現在の日本のGDP500兆円のうち内、約300兆円は民間消費支出です。日本を支えていると誰もが考えているものづくり、つまり製造業はGDPの22%、雇用人口で見ると17%しかありません。一方、外国人観光客ランキングで見ると、日本は2004年が韓国よりもランクは低く、チュニジアの上の32位、去年やっと韓国を抜いて31位です。海外旅行に行けば、大体旅行期間中に、ひとり少なくとも10万円は使うでしょう。それは日本のメーカーが海外に輸出するコンパクト・デジタルカメラ4台分程度に相当します。ですから、観光は輸出と同じように、極めて重要な産業だと考え、日本に訪れる観光客を増やす必要があるのです。 |
-地域経済に与える影響も大きいですね。 |
米倉 |
グローバル競争にさらされている製造業は、これ以上雇用を増やせませんが、サービス業は人との関係が基本ですから、お客さんが増えれば、働く人も増えます。加えて、大事なのはローカルエコノミーに直接お金が落ちることです。滞在先では食事を始め、地域経済にお金を使います。これが地域経済を潤すことになるわけです。 |
旅行・観光産業の日本経済への貢献度(平成17年度)
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発想を変えれば、太陽光発電技術も海外から人々を呼ぶ魅力になる
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-日本に、それほど魅力的な観光地があるのでしょうか。 |
米倉 |
雪のない香港に住んでいる私の友人が子どもに雪を見せたいといって、日本に来たことがあります。彼はフランスのシャモニーか、コロラドのアスペンか、北海道のニセコか、といっています。ところが、ニセコの人々は、ニセコがこうした世界的なスキーリゾートと比較される場所だと意識し考えているでしょうか。
今、韓国では、九州の別府の人気が非常に高まっています。韓国ではゴルフがブームなのですが、ゴルフ場が少なく高い。別府に行けば、ゴルフができるだけでなく、温泉もあり、カラオケもできる。それで、韓国人観光客が増えているのです。ところが、そうしたポテンシャルを生かした街作りの方向に進んでいない。ニセコにしても、別府にしても、今までの発想ではなかなか見えてこない部分も多いのです。 |
-製造業はどうでしょうか。 |
米倉 |
日本の太陽光発電技術は非常に優れています。日本に今、24,000の小中学校がありますが、これをモデル事業としてすべて太陽光発電にする。そうすれば、アジア諸国から注目され、たくさんの人が見学に来ます。実は、アジアの国々では、教育の大切さはよく認識されています。英語さえ教えれば、インターネットで大抵のことは調べることができ、教育上極めて有効だからと分かっています。ところが、電力事情が悪い地域が多く、学校に電気が充分に来ない。だとすれば、学校毎に太陽光発電で電力を供給すればいいのです。日本の小中学校を対象に太陽光発電のモデル事業を実施すれば、アジア諸国から注目され、たくさんの人が見学に来ますし、そうした形でアジア諸国にソリューションを提供していくことにもなる。こうしたことが、日本の企業や社会に求められていると思います。 |
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米倉 誠一郎 氏
一橋大学 イノベーション研究センター 教授
1953年東京生まれ。81年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。90年ハーバード大学歴史学博士号取得。95年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より現職。アーク都市塾塾長、『一橋ビジネスレビュー』編集委員長。 |
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