消費者の生活スタイルが多様化する中、新たなメディアとして注目されているのがデジタルサイネージ(電子看板)である。デジタルサイネージとは、屋外や店頭、交通機関など、一般家庭以外の場所においてディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信する新しい情報メディアで、セグメント化されたターゲットに効果的に情報を届けることができる。
NTTコミュニケーションズは、NTTグループとして培ってきたブロードバンド関連の技術やサービスを活かせる新たな分野として積極的に取り組み、すでに多くのシステム構築実績がある。デジタルサイネージに関しては“放映まで責任を持つ”という姿勢で対応しており、ICTソリューションパートナーとして端末からネットワーク、映像配信システム、データセンター、システムの保守・運用までをワンストップで提供している。また、広告効果の測定実験を行うなど、新たな広告メディアとしてデジタルサイネージ市場を育てる取り組みを進めている。
システム概要・特長
■セグメント化されたターゲットに確実に配信する
新しい広告メディア「デジタルサイネージ」
ここ数年、消費者の生活スタイルの多様化に伴い、既存のマスメディアであるテレビなどの広告効果が薄れてきたと言われている。HDDレコーダーなどの普及により、リアルタイムでテレビを見る機会が減少し、番組を視聴する際CMをスキップする消費者が増えてきたからだ。2005年4月に野村総合研究所が実施した調査では、録画した番組を視聴するときに過半数のユーザーがCMの80%以上をスキップしており、2005年でテレビCM市場の約2.6%、損失総額は約540億円に上ると試算されている。このような状況の中、新たな広告メディアとして注目されているのがデジタルサイネージ(電子看板)である。
デジタルサイネージは、OOH(Out Of Home)メディアとも呼ばれ、屋外や店頭、交通機関など、一般家庭以外の場所においてディスプレイなどを活用する新しい情報メディアのことを指す。テレビなど不特定多数の人を対象にしたマスメディア広告とは異なり、設置場所によりセグメント化されたターゲットに確実に見てもらうことができるため、広告としての費用対効果が高くなると注目されているのである。
例えば、NTTコミュニケーションズが2005年に手がけた自動車教習所向けの映像配信システムがある。このシステムは自動車免許の取得を目的とした18歳〜23歳くらいまでの若者を対象に、教習の待ち時間の合間を利用して効果的に広告を配信することができるのである。車の広告はもちろん、若者向けの商品広告など、ターゲットを絞った的確な広告を確実に消費者に届けることができるわけだ。
新たなメディアとして市場規模を急速に拡大してきたデジタルサイネージだが、その背景には通信技術など各種テクノロジーの進歩がある。一つはプラズマテレビや液晶テレビなどの大型フラットパネルディスプレイの普及・低価格化であり、もう一つはADSLや光回線といった広帯域のブロードバンドネットワークの普及だ。これらの技術進歩により、設置場所の自由度が増し、ネットワークの信頼性、快適性も増すことでシステムの効率的な運用が実現できたのである。
さらにNTTコミュニケーションズでは、ブロードバンド回線を利用して各種映像情報を配信するための標準仕様「VAAM(Virtual Appliance Access Method)」を提唱し、自社の手がけるデジタルサイネージシステムに採用している。これはNTT研究所が開発したもので、接続される機器やメーカーの違いを意識することなく、柔軟性と信頼性、セキュリティを担保するオープンな仕様となっている。そのため、コンテンツ配信サービスを容易かつ安価に提供できるのである。
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応用分野・将来性
■効果の高い新たな広告メディアとして、
NTTグループの技術を活用した実証実験を実施
デジタルサイネージは、前述にも挙げたように、不特定多数の人を対象とする既存のマスメディアとは異なり、セグメント化されたターゲットに確実に広告を届けることができる。そのため、自動車教習所以外にも、病院や美容院、野球場、サッカースタジアム、ボウリング場、レストラン、映画館、フィットネスクラブ、それに空港や駅など、さまざまな分野での応用が検討され、すでに実用化されているものもある。新たなビジネスチャンスの創出という意味でも、デジタルサイネージの果たす役割は大きいと期待されているのである。
新たな広告手法としてデジタルサイネージを考えた場合、果たしてどのくらいの広告効果があるのかが、広告を出す側としてはもっとも気になるところだろう。例えばインターネット広告の場合なら、クリック数やページビューなど、広告効果を測定する指標が用意されている。デジタルサイネージにも、どれくらい広告効果があるのか、具体的な数値の測定が求められているのである。そこでNTTコミュニケーションズでは、すでに構築されている自動車教習所向けのシステムを使って、デジタルサイネージの広告効果を測定する実証実験を行う予定だ。実施時期は2007年3月で、2ヵ所の教習所で行う予定になっている。
実験内容は、どれだけの人が広告を見て実際のアクションに結びついたかを測定するというもの。例えば、画面上のQRコードを携帯電話のカメラで撮影してもらうことでイベント情報などを提供し、その利用人数をカウントすることで広告効果を測定するのである。さらにiエリアなどのサービスと組み合わせることで、消費者へのピンポイントなCMを流すことも可能になるという。
この実証実験で使われる技術は、NTT研究所で開発された技術を応用したものだ。また、今後はアクションを測定するための方法として、NTTドコモのおサイフケータイに標準搭載されている「トルカ」などの機能の利用も検討している。このようにソリューションの高度化に向け、NTTグループ内のさまざまな技術やサービスをいち早く取り入れてタイムリーに提供していくことも、ICTソリューションパートナーとしてのNTTコミュニケーションズの役割のひとつなのである。
NTTコミュニケーションズはこれからも、NTT研究所が開発する新たな技術を応用しながら、新たな広告メディアとしてのデジタルサイネージの育成に取り組んでいく。
担当者より一言
●NTTコミュニケーションズ株式会社
第一法人営業本部
製造・流通第一営業部
コーポレートビジネスチーム
担当部長代理
伊藤 典俊
デジタルサイネージは、テレビなど不特定多数の人を対象にしたマスメディアとは異なり、セグメント化されたターゲットに確実に見てもらうことができる広告として注目され、ここ数年市場が急速に拡大しています。私たちは、デジタルサイネージに関して"放映まで責任を持つ"という姿勢で、ICTソリューションパートナーとして端末からネットワーク、映像配信システム、データセンター、システムの保守・運用までをワンストップで提供しています。今後も、通信関連技術や専門のサービスを活かせる分野として積極的に取り組むと共に、NTTグループ内の法人営業窓口としてお客さまと同じ目線に立って協力しながら、新たなサービスを提供していきたいと考えています。
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●NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス部
主査
本間 康嗣
新しい広告メディアであるデジタルサイネージは、ブロードバンド回線で各種映像情報を配信する「VAAM」をはじめ、NTTグループがこれまで培ってきた通信関連の技術やノウハウを最大限に活かすことができる分野です。メディアのインタラクティブ性を高めるという意味でも、既存の技術やサービスを利用したり、うまく組み合わせることで、より付加価値を高めることができるはずです。今後も、要素技術をどう実用化していくかという視点で、サービスの向上に取り組んでいきたいと考えています。
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