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Chapter2.
ユニキャストとマルチキャストのメリットを兼ね備えた
「リライアブル・マルチキャスト」
数十ヵ所、数百ヵ所、数千ヵ所、数万ヵ所――。数多くの拠点へコンテンツを配信したいとき、これまでは、衛星通信の利用が一般的であった。
たとえば、大手予備校は、人気講師の講義を全国の加盟校へリアルタイム配信している。企業グループ内でのプログラムやデータの配信にも衛星通信は利用されている。
たとえばコンビニエンスストア。POSレジ裏の小さな画面に、精算中の客に見えるようにお薦め商品情報を映し出しているのは、代表的な利用例である。刻々と変わる経済・市況情報を全国の支店・営業所へ配信している証券会社もある。中古車オークションでも、複数会場でリアルタイム応札するために活用している例がある。
確かに衛星通信は映像コンテンツのような大容量の情報を一斉に配信するのに適した方法ではあるが、コスト面を考えるとどんな企業でも容易に導入できるものでもない。そこで現実には、CD/DVDなどのメディアにデータや映像コンテンツを格納し、物理的に配送している企業が圧倒的に多い。
ブロードバンド・インターネットの普及は、衛星通信より「安く」、しかも、メディア配送とは違って「リアルタイム」に、大容量データを配信できる可能性を提供したが、それでもすべてが解決した訳ではない。単一の相手を想定した従来の通信方法(ユニキャスト通信)は、多拠点配信には適していない。そこで複数の相手への同時一斉配信を前提に誕生した通信方法がマルチキャスト通信だが、これにも課題が残っている。まずはこれら2つの方法について、それぞれのメリット・デメリットを整理しておこう。
ユニキャストは、送信元が、送信先ごとにデータを生成して送る方法である。そのため送信先の数とデータの容量が増加すれば、その分送信元のインフラに負荷がかかってしまう。その一方、データ到着の確認、データの重複や抜けなどを検出・制御するしくみを持つTCP(Transmission Control Protocol)による通信であるため、信頼性が高い。
これに対してマルチキャストは、送信元からのデータを、ルータが自立的に複製し、送信先へコピー配送するしくみであるため、送信元に負荷が集中することはない。しかし、データ到達の確認やデータ誤りの検出機能を持たないUDP(User Datagram Protocol)による通信であるため、信頼性に問題がある。マルチキャストによる映像の中継なら、パケットが抜け落ち、画像が数秒間乱れても、映像そのものを見ることは可能だが、データ通信(ファイル配信)では、パケットの欠損が生じればファイルそのものが開けない。
このような事情により、これだけブロードバンド・インターネットが普及しても、多拠点一斉同時配信はなかなか思うようにいかなかったのである。
そこでNTTコミュニケーションズは、ユニキャストとマルチキャストのメリットをあわせ持つ「IPv6リライアブル・マルチキャスト」を開発した。
リライアブル(Reliable)とは、信頼できるという意味だ。つまりIPv6リライアブル・マルチキャストとは、誤りのないデータ転送を実現するユニキャストの良さと、送信元への負荷が少なく、スケーラビリティの高いマルチキャストの良さをあわせ持った、多拠点一斉同時配信の技術なのである。
しかも配信コストは、衛星通信に比べると約4分の1程度に抑えることができる。現在利用している衛星通信のコスト削減を求める企業や、記憶媒体の物理的な配送に不便を感じていた企業は、IPv6リライアブル・マルチキャストへの置き換えを、積極的に検討できるときが来たのである。
◆リライアブル・マルチキャストの特徴

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