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ICT in the FutureVol.2 IPv6プラットフォーム「m2m-x」を利用したビルファシリティシステム

 IPv6を使うと、ビル管理はここまで進化する。東京都美術館と東京芸術劇場を舞台に、IPv6とセキュア通信プラットフォーム「m2m-x」を用いたビルファシリティ管理の実証実験が行われた。
 IPv6とは、現在インターネットで使われているIPv4の次期バージョンにあたるIPプロトコル(通信規約)。インターネットの普及に伴い、現行のIPv4で利用できるアドレス空間の枯渇が懸念される中、豊富なアドレス空間を利用できるIPv6に対する期待が高まっている。
 一方、CO2削減、エネルギー消費量削減などの要求から、ビル管理は高度化が求められている。従来は、ビル単位あるいはシステムのベンダー単位で独自のプロトコルを使った通信を行うため、点在する複数のビルを一元的に遠隔管理することはむずかしかった。これらの問題を解決するため、NTTコミュニケーションズは、IPv6技術をベースとした、ビル設備管理システムのオープン化・共通化を推進している。

システム概要・特長

マルチベンダーのビルファシリティシステムをIPv6経由で一元管理

 IPv6の特徴である潤沢なグローバルアドレスを利用することで、ビル内に設置されているセンサやカメラなどの様々な機器からリアルタイムに情報を収集したり、個々の機器をコントロールすることで、ビルファシリティ管理を遠隔から効率よく一元的に行うことが可能となる。
 ただし、多種多様な機器が双方向で通信を行うようになると、これまでとは異なるレベルの通信上のセキュリティが必要になる。通信相手がなりすまされていないか、通信内容が傍受・改ざんされていないかなどを保証するため、さまざまなセキュリティ機能を実装しなくてはならない。
 NTTコミュニケーションズは、機器へのアクセスを制限したり、通信の内容を見られないように暗号化するなど、IPv6ネットワークを安全に利用するために必要な機能を網羅したプラットフォームとして「m2m-x」を開発した。「m2m(モノ to モノ)」の双方向リアルタイム通信を、安全・簡単・低コストに実現するためのプラットフォームである。
 IPv6に加え「m2m-x」のプラットフォームを用いれば、マルチベンダーに対応しつつ、遠隔地にある複数のビルを効率よく一元管理できる。これを内外に強くアピールしたのが、2005年11月から実施したビルファシリティ管理実証実験である。

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実証実験について

東京都美術館と東京芸術劇場を、遠隔地から同時にファシリティ管理

 実証実験は、2005年11月から2006年3月にかけて、東京都美術館(東京都台東区)と東京芸術劇場(東京都豊島区)で行った。
 実験項目は下記の3つである。

(1)複数のビルのファシリティ一元管理

 複数のベンダーが開発したエレベータ、空調、照明などのビルファシリティ管理システムを、IPv6ネットワーク経由で、施設の外部にある中央監視センタや機器ベンダーのサービス拠点から監視できることを検証した。また、東京都美術館と東京芸術劇場という離れた2つの施設の設備管理情報を、安全かつ確実に収集、分析できることを検証した。
 IPv6ネットワークだからこそ、大規模な施設全体に設置された多数の機器に、それぞれ別のIPアドレスを割り振り、インターネット経由で遠隔監視ができるのである。カメラ、センサなどの機器の個別単位でのアクセス管理にはm2m-xを利用し、通信データそのものをすべて暗号化し、公衆のインターネット経由でも、不正アクセスなどの心配なく、公共性の高い施設の安全な管理におけるIPv6技術の有効性を確認した。

(2)館内環境の改善

 人感センサ、IPカメラを配置して、入場者数や監視映像などの情報を収集。その情報を館内スタッフの携帯端末で共有し、入場者数の増減に応じた最適な人員配置、館内の混雑度に応じた誘導、空調の調整などに活用した。
 また、温度・湿度を常時モニタリングして、貴重な展示品に最適な環境を維持した。

(3)ビル利用者へのサービス向上

 大型ディスプレイを設置して、施設案内などの情報を簡単なボタン操作で表示。IPv6ネットワークを通じて最新のお知らせもリアルタイムに表示した。

 実証実験の結果、インターネットを介して様々な機器を安全に遠隔監視できること、また、双方向の情報管理によって、ビル管理の負荷の軽減や、地球環境への配慮が強化できることが確認された。
 IPv6により、美術館やオフィスビルなどをフィールドとしたこれまでにない新しいサービスやビジネスの可能性が大きく広がりつつある。

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関連リンク

サービスインフォメーション:東京都文化施設におけるIPv6技術を活用したビルファシリティ管理に関する実証実験の開始について


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松野 泰也准教授

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