※「BRAND COLLECTION」の実証実験につきましては2007年6月29日をもちまして終了となっております。
インターネットの普及により、誰もがいつでも、さまざまな情報を探して手に入れることができるようになった。その一方で、あまりにも多くの情報があふれているため、本当に必要な情報までたどりつけなかったり、たどりつけても見落としてしまったりしてしまっているという指摘もある。
こうした「情報の海」を前にして、ユーザが欲しい情報を欲しいときに情報提供者が提供する仕組みをどのように実現するか――。
NTTコミュニケーションズでは、膨大な情報の中から有益な情報を見つけ出すための検索エンジンの高度化に取り組んでいる。その一環として、情報検索とコミュニティを融合させた携帯電話向けサイト「BRAND COLLECTION(ブランド・コレクション)」において、さまざまな角度から「ユーザが必要としている情報を的確に提供する仕組み」を研究している。さらに、このサイトを通じて、「感性検索」という新技術のトライアルにも取り組んでいる。
システム概要・特長
■高度な機能で生活者と店舗をつなぐモバイルサイト「BRAND COLLECTION」
近年、携帯電話からのオンラインショッピングが、その手軽さもあって市場を拡大している。それでも、ファッション・コスメティックなどは、「実物を見て、触って、試してから買いたい」という意見が根強く、特に、高額商品では実店舗でのショッピングへのニーズが高い。そこで、ファッション・コスメティックに的を絞ったブランドおよび店舗情報を提供して、携帯電話のサービスと実店舗でのショッピングとの相乗効果をねらったのが、「BRAND COLLECTION(ブランド・コレクション)」である。
「BRAND COLLECTION」は、20代から30代半ばの若い女性をターゲットにした携帯電話向けサイトで、基本機能は場所やブランド、カテゴリーによる店舗検索である。
利用者が会員登録を行うと、属性や嗜好などの登録情報が検索結果の表示順序に反映される。さらに、気に入った店にブックマークをつけるなどの操作をすることで、その情報をもとに傾向が分析され、次の検索の際には、利用者個人の好みを反映した結果が表示される。このように、使えば使うほど、自分の嗜好に合った検索結果を得ることができる点が、特長の一つとなっている。
また、「マイルーム」というコミュニティ機能を持っているのも大きな特長だ。自分が行った店舗の感想を書き込んだり、SNS(Social Networking Service)※1を通じて他の利用者と情報交換できたりする。例えば、他の利用者から、ある店舗でタイムサービスが行われていることを知らせてもらい、会場へ駆けつけるといったモバイルサイトならではの使い方も可能である。
一方、「BRAND COLLECTION」で情報発信を行う店舗向けには、CMS(Content Management System)が用意されている。店舗のスタッフは、CMSを使うことで、専門知識がなくてもパソコンから自分の店のホームページを簡単に作成・更新できる。今後は携帯電話のメール機能を使っての更新も可能にしていく予定だ。さらに、自分の店舗をお気に入りに登録してくれた利用者に対して、メールやクーポンを配信する機能も用意されている。
テレビ、新聞、雑誌など従来の広告メディアは情報量が多いが、手軽に情報をメモし、その情報を持って街へ出かけるというスタイルには適していない。これに対し、携帯電話ならより手軽かつタイムリーに必要な情報を入手・メモできるため、思いついたときに行動に結びつく可能性が高まることが期待できる。店舗にとっては、従来以上に効果的に来店誘導できるメディアとなる可能性を秘めているといえる。
「BRAND COLLECTION」は、こうした機能を通じて、おしゃれに興味がある若い女性と実店舗をつなぐサービスの提供を目指している。
感性検索のトライアルについて
■インターネット上の「評判」を検索結果に反映
ユーザの“感性”に基づく検索を可能にする「感性検索」
「感性検索」サービストライアルは、BRAND COLLECTION内で、2007年2月中旬から3月末までの約1ヵ月半にわたって実施されている。
「感性検索」とは、ブログ、SNS、掲示板など、CGM(Consumer Generated Media)※2と呼ばれるユーザ自身が内容を作成していくメディア上における、ブランドや商品の「評判」を分析し、検索結果に反映させる技術である。
まず、膨大なCGM上の情報を収集する。次に、書き込まれた情報がどのような概念(例えば、ブランドや商品)に対するものなのかを、言葉の関係性を定義したオントロジ※3という概念辞書と照らし合わせることで高精度に解析する。さらに、ユーザの記述した内容が、ポジティブな情報なのか、ネガティブな情報なのか、そして、どのような感性表現をしているのかを概念(クラス)体系に沿って抽出することで、各概念に特徴的な感性表現を獲得することができるのである。この仕組みの実現には、NTTのネットワークサービスシステム研究所が開発した「興味コミュニティ管理技術」が活かされている。
このようにして分析されたCGM上の「評判」を検索結果に反映することにより、「かわいい」「ゴージャス」といった感性を表すあいまいな言葉を通じた検索対象の絞込みが可能になる。さらに、それぞれのブランドや商品が世の中でどのように評価されているかが分かるため、サービス利用者に対して新たな興味を喚起させるという効果も期待できる。
今回のトライアルでは、この「感性検索」によるCGM上の「評判」の分析結果をブランドの分類に活用することで、あいまいな感性ワードを通じた検索対象の絞込みの有効性が検証されている。生活者が持つブランドや商品に対するイメージを、カテゴリー分類に活用する手法が確立されると、例えば「今の気分に合った音楽を検索する」といったように、さまざまな分野への応用の可能性が広がる。
NTTコミュニケーションズは、「感性検索」をはじめとした検索エンジンの高度化を通じて、生活者と企業をつなぐサービスの実現に取り組んでいく。
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担当者より一言
「発見」や「気づき」を生み出すのが「感性検索」の魅力のひとつ
NTTコミュニケーションズ株式会社
先端IPアーキテクチャセンタ
ブロードバンドビジネス開発部門
アドバンスドコミュニケーショングループ
飯塚一貴
諸星桂子
「多くの店舗では、店舗のコンセプトに合わせた商品をラインナップしています。しかし、実際のお客さまは店舗側が作り出しているイメージとは違うイメージをもって利用している場合があります。その見えないギャップを捉えて、軌道修正することができるのが、感性検索の技術のすばらしいところだと思います。また、これまでの『検索』は、探す目的が明確で、それに完全に一致したものがないと、『ヒットはゼロ』で終わっていました。ところが感性検索では、新しいことに気づいたり、思いもよらなかったことが見えてきたりと、『発見』や『出会い』があります。こうした方面での検索技術の活用も、これからさまざまな可能性へと広がっていくのではないでしょうか。」飯塚
「『パーティに着ていくドレスを買ったけれど、これに合うストールが欲しい』。こんなとき、そのドレスを持って行って、いろいろな店を探し回るのはとても無理なこと。『BRAND COLLECTION』では、『キラキラしていて、パーティに似合って、しかも暖かいストールが欲しい』といった、生活者の自然な感性で目的に合うブランドや商品を見つけることができるサービスの実現を目指しています。今後も、ふだんの生活でちょっと困っているところを、ICTを活かしてきちんと解決するところへ技術力を注いでいきたい。さらに、友だちや同じ趣味嗜好の人の口コミの要素を取り入れて、楽しさや心の豊かさを生活に加えられるようなサービスにしていくことができればと考えています。」諸星
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関連リンク
ニュースリリース : 情報検索とコミュニティを融合させたモバイルサイト『BRAND COLLECTION(ブランド・コレクション)』における感性検索トライアルの実施について
用語説明
※1 SNS(Social Networking Service)
参加者が友人を紹介しあって、共通の趣味や仕事などを持つ新たな友人関係を広げることを目的としたインターネット上の会員制コミュニティ形成サービス。
※2 CGM (Consumer Generated Media)
消費者自身が情報の作成・発信・伝達を行うメディアのこと。具体的には、ブログやメールマガジン、電子掲示板、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などがある。
CGMには製品・サービスの使用感や体験談など、消費者の立場からの意見や本音が掲載されており、それに共感する読者(他の消費者)がいれば自身のブログに取り上げるなどしてさらに広がっていくところから、消費者の購買行動に対する影響力の大きさが注目されている。
※3 オントロジ
「ある特定分野の概念や知識」のことを指し、「語彙の定義」や「語彙と語彙の関係」を記述したもの。







