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ICT in the Future Vol.8 災害発生時に、生存者情報のリアルタイムな集約を可能にする「災害時安否情報共有サービス」



ICT in the Future Vol.8 災害発生時に、生存者情報のリアルタイムな集約を可能にする「災害時安否情報共有サービス」地震、台風、洪水――。大規模な災害が起きたとき、誰がどこで無事に生存しているかを迅速に把握することは、地方自治体ではもちろん、企業のリスク管理者にとっても重要な責務となる。
ところが現状では、とても困難な作業に直面することになる。
たとえば、今大都市で大地震が起きた場合、数百万人が避難者となり、帰宅困難者となると想定されている。その数百万人の安否を、どう把握し、その後の救難活動に役立てていくか?
避難所現地での聞き取り、メモやPCへの入力など人手の作業による状況把握では、多くの時間と労力が必要となり、とても困難な作業に直面する厳しい現実が待っている。こうした状況に、効率的な安否情報の集約手段を提供するのが「災害時安否情報共有サービス」だ。地方自治体や企業のリスク管理者にとっては、「迅速」「簡便」「システム経費負担の軽減」という3つの大きなメリットをもたらすのである。

Chapter1.
サービスデモンストレーション

「災害時安否情報共有サービス」デモンストレーション(2分38秒)
避難所等において避難者をビデオ撮影すると、NGNを通じて映像がセンターに送信され、顔認証技術を用いた映像分析処理により瞬時に避難者の情報が集約できます。被災者の親族等は、親族の顔写真を用いてセンターに問い合わせを行うことで、被災者の無事な姿や、安全が確認できた時間、避難場所を確認できます。
  映像では、避難者をビデオ撮影し、センターに情報を蓄積する様子と、親族が、センターに安否情報の問い合わせを行う様子をご覧いただけます。

※当デモンストレーションは、NGNショールーム「NOTE」にて体験いただくことができます。

NGN ショールーム「NOTE」

「災害時安否情報共有サービス」デモンストレーション
本編を再生 「災害時安否情報共有サービス」
デモンストレーション
(2分38秒)

Chapter2.
自治体や企業のリスク管理担当者を強力に支援する
災害時安否情報共有サービス

◆被災者の安否情報をほぼリアルタイムに把握

 災害時安否情報共有サービスは、被災者の映像を撮影しセンターへ送信する、という簡単な操作・作業を行うだけで、被災者の安否情報をほぼリアルタイムに集約できるサービスである。
自治体の場合には、次のような流れが考えられる。
避難所にきた被災者(=避難者)を、安否情報登録を行う旨を説明して了承を得た上で、撮影コーナーへ誘導。列を成して歩いてくる避難者を正面からビデオ撮影する。撮影された映像は、NGN(次世代ネットワーク)を通してNTTコミュニケーションズのデータセンターへ自動的に送信される。センターでは、顔認証技術を応用した映像分析処理により検出された被災者の画像を、避難所の場所・撮影日時とともに安否情報データベースへ蓄積する。自治体は、このデータベースと住民データ※1を照合することで、たちどころに住民の安否状況を把握できるのである。
企業の場合は、センターに蓄積された安否情報データベースと、自社の従業員データベースと照合することになる。この照合操作によって、自社従業員の誰がどこの避難所にいるかを短時間で把握できるのだ。

 あるいは、企業自らがセンターを運営し、自社の企業通信網を活用して、社内の各拠点における従業員の安否確認ネットワークを整備することもあるだろう。
さらに一歩進んで、企業が、NTTコミュニケーションズが提供している「緊急地震速報配信サービス」と組み合わせた場合には、次のような利用法も考えられる。
企業は予め、居室等各エリアにビデオカメラを設置しておく。緊急地震速報配信サービスによって「数十秒後に地震がくる」という情報伝達がされたと同時に、各エリアの映像をセンターに集約、映像解析を行う。緊急地震速報サービスをうまく活用することによって、リスク管理者は、被災直前に誰がどのエリアにいたかを即座に把握し、救難活動に役立てることができるのである。

※1 ここでは自治体が住民情報を、企業が社員情報を、それぞれ保持していることを前提とします。


◆迅速、簡便、システム経費負担軽減という3つのメリット

 さまざまな利用形態が考えられる災害時安否情報共有サービスだが、企業や自治体にとっては、次の3つのメリットが挙げられる。
第1は「迅速」だ。
現段階の災害時安否情報共有サービスは、たった10数秒で、1画面に10〜15人映ったカメラ映像を解析できる。したがって、避難所に10,000人いたとしてもカメラ数台で1時間もあれば避難者情報の集約を完了できるのである。NGNが利用可能であれば、撮影完了とほぼ同時に、避難所にいる避難者の把握が可能なのだ。特に数万人単位の被災者が発生する可能性のある大都市には、高い効果の見込めるサービスといえる。

第2は「簡便」である。
避難所で、避難者情報のとりまとめを行う自治体担当者やボランティアは、ビデオカメラの撮影/送信ボタンを押すだけでいい※2。企業であれば、前述したように、緊急地震速報と連動して撮影を自動的に行うように設定しておけばさらに簡便である。

  第3は「システム経費負担の軽減」である。
本サービスを利用するのに、避難所側にはビデオカメラ数台とNGN回線さえ用意すればよい。避難所毎に高価で、通常は利用されないシステムを用意する必要は無いのだ。回線代も、高価で恒常的に経費のかかる専用線は不要で、一般用途で利用できる、安価な基本料のNGN回線があればいいのだ。

※2 現在、送信機能はカメラを接続したPCで代用。将来的には、NGNに接続可能なビデオカメラが商品化されることを想定しています。

Chapter3.
災害時安否情報共有サービスはどうやって可能になったのか
サービスを支える4つの先進技術

◆NGNならではのQoS技術がベース

 NTTコミュニケーションズは、NTTグループが実施しているNGNフィールドトライアルに合わせ、NGNショールーム『NOTE』に災害時安否情報共有サービスのシステム展示を行っている。
災害時安否情報共有サービスの実用化に際しては、NGNならではのQoS(Quality Of Service:通信品質を確保するための帯域制御技術)機能が重要だからである。安否情報を確実に集約するためには、高精細な映像であることが望ましい。災害発生時にもセンターとの間で帯域確保を行い、高精細映像を送受信するのがQoS機能を実装したNGNだ。
現在のQoS機能は、基幹業務のレスポンスやIP電話の音声品質を確保するために、企業通信網内において、あらかじめ設定しておく機能として用いられている。
これに対してNGNでは、企業や家庭をつなぐ公衆回線サービスでQoSを設定できる。しかも、全国の利用者の中からその時点で接続したい相手を選択して、その通信用にQoSを設定できるのだ。通常はベストエフォート通信で利用しておき、必要なときだけ、必要な帯域を確保して通信するため、企業や家庭での料金負担が少なくて済むことも、NGNで提供するQoS機能の魅力である。


◆NTTコミュニケーションズが積み重ねてきたHD映像通信技術

 映像解析の効率を高めるために「高精細な映像をNGNで送信する」ところにも、NTTコミュニケーションズならではの技術が用いられている。
NGNは確かに広帯域で、大容量データの送信に適している。しかし、ハイビジョンテレビと同等の高精細な映像データを送信するには、高速なIP化・パケット化の処理が必要である。NGNのフィールドトライアルでは、このHD映像 (High Definition映像:高解像度映像)のIP配信についても、実験が重ねられている。


◆映像情報活用に大きな可能性をもたらす顔認証(顔検出と顔照合)の技術

 センターでは、「顔認証」技術、具体的には、「顔検出」技術と「顔照合」技術という2つの先進技術が利用されている。 顔検出技術とは、建物や植物などさまざまな背景が映っている映像の中から、人間の顔を識別し、画像として抽出する技術である。一方、顔照合技術とは、2つの顔画像を比較照合し、類似度を評価する技術だ。この「顔検出」と「顔照合」の技術を組み合わせることで、「顔認証」が実現される。
「顔検出」技術は、NTTの研究所で生まれた基礎技術を、NTTコミュニケーションズが応用し、磨きをかけたものだ。
画像から効率的に顔固有の特徴を抽出し、判別するという高度技術を、センターの映像分析アプリケーションに応用することで、ハイビジョンクラスの大きな画像の中から、複数人物の高速な識別を可能としている。1画面に10〜15人ぐらい映っている映像から、1画面につき1秒の時間で解析作業を完了できる。
次に、「顔照合」技術は、通貨処理技術を蓄積してきたグローリー株式会社の最新技術である。この技術も、高速処理と識別率の高さを特徴としている。数千件のデータベースから、1枚の顔画像と適合するものを抽出するのにかかる時間はわずか1秒以下であり、正面顔同士の照合であれば上位ヒット率は99%以上だ。


◆NGNと映像解析技術が生み出す映像活用のパラダイムシフト

 映像の中には、人の情報に限らず、当地の天気の具合や混雑・渋滞状況、植物の成長過程など、多様な情報が含まれる。映像を解析することで、様々な情報を抽出することが可能なのだ。NGNが全国に普及する時代には、誰もが手軽に映像を送ったり受け取ったりすることが可能になる。
その時にはおそらく、映像の活用スタイルにパラダイムシフトが起きるであろう。多様な意味を含む映像を分析、解析して新たなビジネスを創造する営みや、新しいデータマイニングやマーケティングの手法も生まれるかもしれない。
NGNが加速するこうした「映像活用新時代」への一歩が、災害時安否情報共有サービスなのである。

4つの先進技術が災害時安否情報共有サービスを実現
  • 必要に応じて帯域を指定できる、NGNならではのQoS(Quality Of Service:帯域制御技術)
  • ハイビジョンテレビ並みの高精細な映像データを送信するHD映像通信技術
  • 10-15人が映っている映像から1画面につき1秒で映像解析できる顔検出技術
  • 数千人の顔情報データベースの中から、わずか1秒以下で合致する顔を抽出する顔照合技術

Chapter4.
今後の展開

安全で快適な「NGN時代」をさらに追求

 今後、NTTコミュニケーションズでは、災害時安否情報共有サービスの商用展開に向け、フィールド実験等を行っていくことを計画中だ。自治体にも、働きかけを行っていく予定である。 企業は、この仕組みの導入に向けて、NTTコミュニケーションズの開発成果をすぐに活用することが可能だ。 NGNが全国津々浦々まで行き届けば、どこからでも、このサービスを利用することが出来る。 NGNは、従来は高額な専用線を用意しないと実現できなかった帯域保障型の広帯域伝送を使いたいときに必要な容量を確保し、利用した時間だけ料金を支払うコストパフォーマンスの高い通信サービスであり、あらたな利用シーンが今後どんどん出てくることだろう。
例えば、高い通信品質を活かした「地上デジタル放送IP再送信」「ハイビジョン映像配信」などの映像配信サービス。さらには、回線認証技術である「ひかり認証」、IPv6マルチキャストを用いる「緊急地震速報配信サービス」、QoSを活用する「災害時安否情報共有サービス」と、NGNならではの機能を活かした、さまざまなサービスの実現に向けて取り組んでいる。

今後もNTTコミュニケーションズは、リッチコンテンツやタイムリーな付加価値情報の配信者として、あるいは、集めた情報を分析し、異なる価値の情報を創造して提供する価値創造者としての役割を担うべく、NGNのさらなる可能性を追求し開拓していく。独自のコンテンツやサービスを持っていて、ネットワークを活用してビジネスを広げたいと考えている事業者があれば、積極的に手を携え協業しながら、安全で快適なユビキタス社会の実現に貢献していきたいと考えている。

Chapter5.
担当者インタビュー

担当者に訊いた3つの質問

担当者インタビュー

Q1.
災害時でも通信回線は使えるのでしょうか?
動画を再生 (0分26秒)

Q2.
避難所には設備面で、どのくらい負担がかかるのでしょうか?
動画を再生 (0分13秒)

Q3.
企業や自治体など、サービスの利用者に向けてアピールしたいことは?
動画を再生 (0分24秒)

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