
協力会社各社のセキュリティにおける課題
東京ガスでは、顧客情報や業務システムを利用するための基幹ネットワーク「TG-NET」を運用してきた。しかし、実際に同社の関係会社や、ガス開閉栓や保安点検等の委託業務やガス機器の販売・メンテナンスを行う「エネスタ」、そして風呂設備・空調設備の専門店「エネフィット」などお客さまへ直接サービスを提供している地域の協力企業は、セキュリティ上の観点からTG-NETへの接続・利用が制限されてきた。
しかし、関係会社および協力企業にとっても、お客さまへのサービス提供などにTG-NETへの接続・利用が欠かせず、また同社が推進している“オール東京ガス”の体制による事業経営のためのインフラとしても、各社からTG-NETの社外向けエクストラエリアへの接続が不可欠だった。
東京ガスグループの情報システムを担当している同社 IT本部 IT活用推進部 ITインフラ企画グループマネージャー 田所弘之氏は、「従来、業務に必要な情報やシステムを利用する際に、関係会社・協力企業がそれぞれ運用するネットワークを通じてTG-NETへ直接アクセスすることはできませんでした。しかし、お客さまの多様な要望にお応えするには、お客さまとやり取りする協力企業との情報共有や業務連携が重要です。その実現には、積極的にTG-NETを利用できる環境が必要でした」と説明する
また、従来の環境では、社外向けエクストラエリアのセキュリティに不安があった。田所氏は、「セキュリティポリシーの異なる関係会社・協力企業がそれぞれ構築・運用するネットワークやパソコンなどのIT環境からダイレクトに接続し、オール東京ガス全体として基幹ネットワークであるTG-NETを利用することは難しかった。」と説明する。
必要なのは自社になり代わって任せられるサービス
セキュリティゲートウェイの導入前は、限られた端末からの接続に制限して、関係会社、協力企業を含めた全体で共通のセキュリティルールを設定・運用し、監査・管理を行っていたが、協力会社600拠点、パソコン等8,000台をTG-NETへのダイレクト接続に拡大しようとした場合、ネットワーク環境のセキュリティを監査・管理するのは、限られたIT部門のスタッフだけでは不可能であった。
しかし、関係会社、協力企業の各端末からTG-NETへの接続が可能な環境は、“オール東京ガス”体制の推進に欠かせない重要なインフラである。そこで同社は、TG-NETへ安全に接続できるセキュリティ環境を、社外向けエクストラエリアで確保するための対策を検討した。同社が検討した解決策は、ネットワークのセキュリティ強化からセキュリティの運用・監視をワンストップでアウトソーシングできるサービスの導入だった。そして、同社が選んだのが、「自社になり代わってグループ全体のセキュリティ運用を任せられる」(田所氏)、NTTコミュニケーションズの「セキュアICTサービス」であった。
情報収集力と迅速な対応力、セキュリティオペレーションサービスの提供実績を評価
東京ガスがNTTコミュニケーションズの「セキュアICTサービス」によるセキュリティゲートウェイを導入した理由は、NTTコミュニケーションズの「SOC(Security Operation Center)」の信頼性とサービス提供実績に加え、通信事業者として培ったネットワーク運用の実績とノウハウを評価したことだ。
ウィルス対策を一例に挙げると、ウィルスによっては発生後1時間で世界中に蔓延するものもあり、わずかな時間で情報を把握し対応しなければ被害を防ぐことはできない。しかし、「社内で、世界中から膨大に発信されるセキュリティ情報を、24時間365日体制で確認できませんし、把握した情報を理解して対策を講じるのは、セキュリティの専門チームでなければ不可能です」(田所氏)
また、田所氏はこう続けた「NTTコミュニケーションズは、インターネットの基幹網であるTier-1 IPバックボーンをグローバルで保有・運用しています。そのネットワークをSOCが24時間365日監視しており、ウィルスや不正侵入の発生をユーザーの被害で把握するだけではなく、ネットワークのトラフィック異常をモニターすることでいち早く把握でき、被害が広がる前に対策を講じられる対応力は非常に評価できます」
実際、SOCでは、世界中で猛威を振るったワーム型ウィルス(MSBLASTの亜種)に対して、情報が一般公開される7時間も前に対策を完了していたのだ。さらに、特定のセキュリティ対策の技術や自社の情報に偏らず、パートナーであるインターネット セキュリティ システムズ社、トレンドマイクロ社といった世界有数のセキュリティ企業の強みを組み合わせることで、世界トップレベルのセキュリティオペレーションを実現していることもSOC、およびセキュリティゲートウェイへの評価につながった。
さらに、同社が必要としたサービスがサービスメニュー化されており、しかもワンストップで導入できることも導入の決め手となった。田所氏は、「NTTコミュニケーションズでは、当社が求めたセキュリティ対策がサービスとしてメニュー化されており、すでに多くの導入実績があったことが信頼につながりました。しかも、ワンストップで提供されるため、運用・管理に伴う当社の負担が大幅に軽減されるとともに、連携が密接になることでより高いセキュリティの強度も期待できます」と語る。さらに、同社のセキュリティ運用チームにNTTコミュニケーションズのセキュリティの専門メンバーが常駐しており、同社のセキュリティへの取り組みをフルサポートしていることも評価された。
東京ガスでは、TG-NETの社外向けエクストラエリアにおけるセキュリティの強化に続き、全社的にさらなるセキュリティの強化を推進していく予定だ。田所氏は、「現在はセキュリティゲートウェイサービスを、TG-NETの社外向けエクストラエリアのセキュリティ確保に利用していますが、今後はTG-NETの基幹ネットワーク全体のセキュリティ運用のアウトソーシングも視野に入れ、さらなるセキュリティ強化を目指したいと考えています」と今後の展開への意欲を語った。TG-NETの積極的な活用により“オール東京ガス”の顧客サービスはますます充実したものとなるだろう。
お客さまプロフィール
東京ガス株式会社
本社:〒105-0022 東京都港区海岸1-5-20
設立:1885(明治18)年10月1日
資本金:1,418億4,400万円
売上高:1兆781億900万円
従業員数:8,200名
事業内容:ガスの製造・供給および販売。供給区域は、東京都、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨各県の主要都市。
※いずれも2006年3月31日現在
「セキュアICTサービス」
ICTが分かるミニ番組 ICT IMPACT
東京ガス株式会社様事例をご紹介しています。
PDFをご覧になるには「Adobe Reader」が必要です。 |





