
個人情報の保護と活用のバランスに苦慮
個人情報保護法の本施行に伴い、百貨店では、顧客情報の保護と活用のバランスをどのようにとるかが、重要な課題となっている。
阪神百貨店の場合、外商担当者は1人あたり800〜1000人の顧客を担当している。きめ細かなニーズに応じた効果的な営業活動を行うためには、顧客情報の活用が必須なのだ。
従来は、社内に設置した専用端末から顧客データベースへアクセスして、訪問リストを作成したり、上得意の一覧表をプリンター出力したりしていた。しかし、個人情報保護の取り組みのひとつとして、紙媒体による一覧表などの持ち出しは禁止となった。
外商担当者は訪問リストを作るのに大変な手間がかかるようになった。情報は参照のみであるため、必要な部分をメモしなければならないのだ。
「また、外出先で訪問先の変更などが生じると、いちいちオフィスに電話し、情報を教えてもらわなければならなかったのです」と、情報システムグループの原正紀氏は言う。
個人情報保護を優先したために、営業活動に不便が生じていたのである。
誰でも使える携帯電話で快適かつ安全に情報活用
2004年後半、外商部門と情報システム部門は、顧客情報の保護と活用を両立させるシステムの検討を開始した。
各社の提案を比較検討したうえで採用したのは、NTTコミュニケーションズの提案である。
採用理由のひとつは、操作に習熟が必要なノートPCやPDAではなく、誰でも使っている携帯電話を使って、顧客データベースの参照を実現できる点であった。しかも、携帯電話からインターネット経由ではなく、仮想閉域網であるGroup-VPN経由でセキュアなアクセスを実現できる。
また、キャリアや機種に依存しない携帯電話の選択を可能にするマルチデバイス機能や、セキュリティ機能など、リモートアクセスに求められる要件を網羅的にカバーしているエンタープライズソリューション「モバイルコネクト」を用いることで、システムを短期間で構築できる点も評価のポイントとなった。
「モバイルコネクト」は、MCOP認証というNTTコミュニケーションズ独自のユーザー認証をサポートしている。これは、利用者が、乱数表中の特定の位置に表示される4つの数字を入力するという認証方式だ。乱数表は利用するたびに変化するため、パスワードの漏えいやなりすましの危険がほとんどない。
「モバイルコネクトのMCOP認証は、利用の仕方が簡単でわかりやすく、パスワードを記憶するといった負担もありません。短期間でほぼ全員がスムーズに利用できています」と、外商推進グループの池島毅氏は認証方式のユーザビリティの高さを評価する。
また、携帯電話にはデータを保存しない仕組みであり、携帯電話紛失時の漏えいリスクもない。「モバイルコネクト」によって、通信ルートおよびサーバー・アクセスのセキュリティを確保できたのである。
訪問頻度、対応時間が増え、営業活動の質が向上
阪神百貨店の外商担当者は、携帯電話を使って、いつでもどこでも顧客情報を参照できるようになった。訪問先や訪問時刻の変更にも柔軟に対応でき、不意に空いた時間には、飛び込みで別の顧客を訪問することもできる。営業活動は大きく効率化し、機動力が増した。顧客への訪問頻度や対応時間が増加していることは、営業の質が向上したことの証明でもある。
今後は、携帯電話から顧客との商談記録を登録する日報通信機能など、外商営業の支援機能を追加する計画もある。NTTコミュニケーションズは、ネットワークとシステムのすべてをワンストップで提供できるICTソリューションパートナーとして、これからも阪神百貨店の経営課題解決に取り組んでいく。
お客さまプロフィール
株式会社阪神百貨店
本店:大阪市北区梅田一丁目13番13号
創業:1933(昭和8)年3月29日
設立:1957(昭和32)年4月17日
資本金:43億5,800万円
売上高:単独1,094億5,300万円、連結1,161億3,600万円(2005年3月期)
従業員数:1,090名(2006年3月末現在)
事業概要:百貨店業
モバイルコネクトICTが分かるミニ番組 ICT IMPACT |
PDFをご覧になるには「Adobe Reader」が必要です。 |





