ICT事例広告インデックス > 株式会社フジクラ様(お客さまインタビュー)

株式会社フジクラ
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日本の近代産業勃興の萌芽となった電力と通信の普及。その利用に不可欠なケーブルや最先端の電子部品を中心に、世界を"つなぐ"技術分野で成長しているのが株式会社フジクラだ。同社のビジネスは、長い歴史を誇る銅線から、これからのブロードバンド社会を支える光ファイバへと発展したほか、携帯電話やデジタルカメラなどの最先端の電子機器向け配線、さらに電子化が進む自動車で需要が急増しているハーネスなど、さまざまな分野へと拡大している。しかし、市場が拡大する一方で競争も激化しており、製品の品質や性能だけでは優位性を保てないのが現在の実情だ。
そこで同社は、製品の価格競争力向上と製品供給のリードタイム短縮を目的に、積極的に海外に拠点を展開。中でもタイの生産拠点は、早い時期から積極的に展開しており、現地の日系企業で最大規模を誇る。また、現在では、日本をはじめ世界中の企業がアジア地域へ進出しており、現地需要も増加している。特に、中国市場の成長が著しく、競争はいっそう熾烈さを増している。
同社 情報通信事業部門 取締役専務執行役員 涌井 裕氏は、「現在、日本を含めて世界で約120拠点展開をしており、そのうち40弱が海外拠点となっています。こうした状況下では、価格競争力に加えてリードタイムをいかに短くするかが重要です。しかも、グローバル規模の取り組みですから、ネットワークをうまく活用しなければ顧客の要求に応えることはできません」と説明する。
同社が提供する製品は汎用品ではなく、顧客の要望に応じた注文品がほとんど。しかも、顧客が指定する期日、場所に、大量の製品を納入するケースが多いほか、少量ではあるが当日受注・翌日納品といった厳しい条件の取引も少なくない。さらに、受注から生産、流通、納品までをリアルタイムにグローバル規模で展開しているため、サプライチェーンを円滑に流す必要がある。
涌井氏は、「例えば、海外で受注した場合、いったん日本で事務処理をした後、海外の生産拠点に指示を出して、日本と現地の販売拠点とで連携して納品します。この一連のやり取りをスピードアップすることで、リードタイムを短縮する必要があるのです」と語る。
そこで同社は、日本と生産の主要拠点であるタイとを専用線でネットワーク化し、リードタイムの短縮に取り組んだ。さらに、アジアのほかの地域や欧米は、コスト面で有利なインターネットを利用して日本とネットワーク化した。
しかし、市場の拡大とビジネスの成長とともに、海外と日本との通信トラヒックが急増。同社 理事 システム部長 宮城秋男氏は、「製造の中心が東南アジア各国にシフトし、日本を含む各拠点間をリアルタイムに接続するインフラの整備が急務となりました。さらに、顧客情報、製品の設計図面や生産指示、決算データなどの機密情報を、ネットワークを介してやり取りするため、高度な通信のセキュリティを確保することも課題となっていました」と説明する。
そこで同社は、トラヒックの急増への対応と高いセキュリティの確保を目的として、アジア地域と日本とをリアルタイムに結ぶ本格的なグローバルネットワークの構築に着手した。

新たに導入するネットワークへの要件について涌井氏は、「国際専用線だけで全ネットワークを構築したのではコスト負担が障害となり、ブロードバンドクラスの帯域を確保しづらいのが実情です。ですから、最新のIP技術を利用した広帯域かつコストパフォーマンスの高いネットワークで、専用線にできるだけ近い信頼性を実現することが理想でした」と語る。そして、同社が導入を検討したのがIP-VPNだった。
ただし、海外でネットワークを構築・運用する際、日本人では解決しづらい現地特有の問題が避けられない。例えば同社には、タイでネットワークがダウンしたとき、現地キャリアに原因究明を依頼しても、なかなか対応してもらえなかったという苦い経験があった。
同社 システム部 主査 石橋尚雄氏は、「そのとき、運用をお願いしていたNTTコミュニケーションズが、現地キャリアの設備を調査して、速やかに問題を突き止めて対処してくれました。こうした現地キャリアとのコミュニケーションや迅速な対応が、タイだけではなく海外のさまざまな地域でも提供されることが決め手となり、NTTコミュニケーションズのArcstar グローバルIP-VPNを選びました」と説明する。
現在、タイをはじめ中国、シンガポール、ベトナム、香港などの拠点がArcstar グローバルIP-VPNで日本と接続されている。導入の効果について石橋氏は、「低コストで広帯域を確保できたうえ、VPNによる通信の安全性も確保できました」と評価する。さらに涌井氏も、「2006年末に台湾で発生した震災時、インターネットを経由する通信で、メールの遅延等の障害が生じている最中も、Arcstar グローバルIP-VPNで構築したイントラネットは通信が切断されることなく、業務は通常通り継続できました。海外の売上高が全体の40%に迫っている現在、受注から生産、納品まで全ての業務に関わるネットワークの可用性は、事業継続の要となりますからね」と強調する。
Arcstarグローバル IP-VPNの実績を評価した同社は、従来、インターネット経由でやり取りしていたタイと日本のメールを、現在はイントラネット経由に切り替えている。


Arcstarグローバル IP-VPNでアジア地域と日本とをつなぐセキュアなイントラネットを構築した同社にとって、海外拠点のセキュリティをレベルアップすることも重要な課題となっていた。イントラネットで拠点間の通信のセキュリティが確保できても、出入り口となる拠点のセキュリティレベルが低いと、そこからウィルスが流入したり不正侵入が生じたりする恐れがあるからだ。
宮城氏は、「アジア地域の拠点では、世界を相手にビジネスをしているため、新種のウィルスが早い時点で入ってきたり、社外から持ち込んだソフトが利用されたりなど、セキュリティに関するリスクが高いのが実情です。特に、社内被害も問題ですが、当社から顧客にご迷惑をかけないことがより重要です。今後も拠点数が拡大してリスクが高まる中、各拠点間のセキュリティレベルの差を埋めるためのICTの高度な活用など、早急な対策に迫られていました」と説明する。
そこで同社は、UTM(Unified Threat Management)機器の導入をNTTコミュニケーションズに相談した。UTM機器とは、ファイアウォールやVPN機能、アンチウィルス、不正侵入防御(IPS)、Webコンテンツフィルタリングといった、インターネットからの脅威を防ぐ複数のセキュリティ機能を、1台の機器で統合的に管理するアプライアンス製品。同社は、すでに国内にUTM機器を導入しており、同じ製品をアジア地域5カ国に導入したいという要望があった。
石橋氏は、「当社が選んだ製品は、ライセンス体系が柔軟で導入コストを抑えられることが魅力でした」と説明する。しかし、同社が依頼した当時、NTTコミュニケーションズはその製品を取り扱っていなかった。そこでNTTコミュニケーションズは、「グローバルセキュリティオペレーションサービス」にその製品を組み合わせて、同社の要望に応えた。
宮城氏は、「UTM機器は、設置するだけではなく、脅威の変化に応じたポリシーやプログラムのアップデートなど、24時間365日体制の運用が不可欠ですが、自社で、しかも海外で行うのは事実上不可能です。特に、IPSの設定を間違えると、正規の通信が遮断されたりして業務に混乱が生じる恐れがあり、自社で行うのはリスクが高いという問題もありました」と説明する。
その結果、同社はアジア地域5カ国の主要拠点へのUTM機器の導入・運用をNTTコミュニケーションズにアウトソーシングした。これらのUTM機器は、全てNTTコミュニケーションズの「セキュリティオペレーションセンタ(SOC)」から24時間365日遠隔監視されており、ウィルスや不正IP利用、不正アクセスの検知をはじめ、それらの防御、さらにログのレポート、そして機器の死活監視、ユーザーの要望に応じたポリシーの変更など、運用に必要なあらゆるサービスが提供されている。
宮城氏は、「UTM機器導入後、ネットワークの利用実態が把握できるようになり、適切な利用についてユーザーに具体的な指示ができるようになり、内部統制の強化も期待しています」と評価する。
さらに涌井氏は、「UTM機器の導入で、アジア地域の拠点でセキュリティポリシーを統一することができました。今回の成功をモデルケースとして、今後は日本や欧米でも、UTM機器の展開からセキュリティ運用まで、広範囲にNTTコミュニケーションズへアウトソーシングしていきたいと考えています。グローバルでICTを統合管理すれば、効率化とともに内部統制への効果も期待できるからです」と今後の展望を語る。
すでに、現在、海外の各拠点から個別に接続していたインターネットをグローバルで一元化する取り組みを、NTTコミュニケーションズとともに進めている最中だ。さらに、その後のセキュリティ管理に関しても、NTTコミュニケーションズに期待を寄せている。今後もフジクラとNTTコミュニケーションズのパートナーシップが、同社のグローバルビジネスを支え続けるだろう。
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