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富士フイルム株式会社
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デジタルカメラによる入力からプリントサービスなどによる出力まで、デジタルイメージング事業を総合的にサービス展開している富士フイルムでは、デジタルカメラの普及を契機にプリントビジネスの成長に取り組み続けている。その推進力となるのが、ネットプリントサービスの充実である。
フィルムカメラの時代、1人年間平均72枚程度の写真を撮影していたが、デジカメやカメラ機能付き携帯電話が普及した現在は、従来の10倍以上の写真が撮影されているという。その市場をターゲットにプリンティングビジネスを展開すれば、大きな成長が期待できる。しかし、富士フイルムイメージング株式会社 執行役員 営業本部長 四宮 啓司氏は、「写真がデジタル化したことで、PCなどのストレージに保存したり、インターネットで交換したりするなど、プリントしない画像も増えています」と指摘する。
ただし、写真がデジタル化したことで、プリントサービスの商材を充実させやすくなったため、潜在ニーズを引き出す魅力的な商品を提供すれば市場を拡大できる好機もある。また、プリントをしない場合、ストレージに保存している画像を誤って消してしまう、撮影しても保存しないなどの原因で、大切な記念日の写真をなくしてしまう人も多い。こうした写真を永く残しておくためにも、プリントサービスの意義は大きい。
四宮氏は、「プリントビジネスの成長には、ネットプリントサービスの充実が不可欠ですが、いまのところネットプリントサービスで利用できるサービスは限られています」と語る。ネットプリントサービスとは、インターネットを介して顧客から写真のプリント等の注文を受け、顧客が指定した窓口もしくは宅配で納品するサービスの総称。
ネットプリントサービスには、24時間365日、いつでも自宅から注文できること、店頭に設置できない大きな商品や特殊な商品を提供できることなど、ネットならではの利便性の高いサービスの提供の他、新しいサービスを試験的に提供してニーズを探ることといった役割もある。ネットプリントサービスの利用者は年々増加しており、現在は同社のデジカメプリントサービスの約8%を占めている。
そして今後、サービスの充実によって新たな顧客を獲得し、2008年度までに利用者を10%以上に成長させたいと考えている。しかし、ネットプリントサービスの展開を拡大するには、解決しなければならない課題があった。それは、サービス基盤となっているシステムインフラの運用負担軽減と、トラヒックの激しい変動への的確な対応、セキュリティの向上、これらを同時に解決することだった。

同社のプリントビジネスを長年にわたって支え続けてきたのが、同社が自社開発したサービス基盤である「フジカラーネットプリントシステム」だ。フジカラーネットプリントシステムは、約4,000店の写真店と同社のプリント工場であるフジカラー総合ラボをネットワークで接続し、写真などの商品を全国約15,000店の写真専門店と約12,000店のコンビニ、駅売店で受け取ることを可能にするシステムだ。
顧客からインターネット経由で送られてきた画像をフジカラーネットプリントシステムで受信し、指定された窓口で写真をプリントして提供するサービスや、店頭では対応できない大量もしくは大判、特殊な印刷の依頼を、画像とともにフジカラーネットプリントシステムで受注し、フジカラー総合ラボでプリント、製品化して窓口で提供するサービスなど、同社のプリントサービスの全てで利用されている。
インターネットがブロードバンド化する以前から、10年にもわたってネットプリントサービスを提供してきた同社では、サービスの拡充に伴いこれまで9回ものバージョンアップを行ってシステムを進化させてきた。さらに、そのサーバは、年間数回の増強によって、毎年50%〜100%という急激な受注増にも対応し続けている。しかし、毎年、ピーク時のトラヒックの変動が大きくなっており、サーバの性能をどのくらい増強するべきかの判断が難しくなっていた。
受注のピークは、行楽が集中する週末や連休の後、夏休み、年末年始に訪れる。年末年始はポストカードの受注が多く、写真の数は少ないが、デザインや文章を思案するため、システムへの滞留時間が長い傾向がある。また、他のピーク時は、大量の写真の印刷受注が集中し、ネットワークとストレージを圧迫する傾向がある。
富士フイルムイメージング株式会社 営業開発部長 岩田 敏氏は、「サーバの性能に余裕を持たせると無駄なコストが生じますし、不足するとレスポンスが低下して機会損失が生じたり、システムが停止したりする恐れがあります」と対応の難しさを説明する。
さらに、富士フイルム株式会社 イメージング事業部 商品技術部 主任技師 原 成治氏は、「サーバの増強には数カ月かかり、トラヒックの変動に応じて適宜対応するのは困難でした。また、サーバの増強は年間数回行っていたほか、システム規模が大きくなったことで、運用・管理にICTリソースの多くが消費され、新しいアプリケーションの開発やシステムの品質および信頼性の向上といった、システム部門の本来の業務に集中できなくなっていました」という問題も指摘する。
また、原氏は、「経営層からは、システムで管理されるお客さま情報や画像のセキュリティの強化が求められていましたが、自社対応の対策では限界を感じていました」と続ける。
そこで同社は、システムのインフラとなるネットワークおよびサーバの運用とセキュリティ管理を、全面的にアウトソーシングすることを検討。そして、NTTコミュニケーションズの次世代型オンデマンド・ホスティング「AGILIT(アジリット)」を導入。システムインフラの運用業務、およびセキュリティ管理の一切を、NTTコミュニケーションズにアウトソーシングした。


実は、同社は以前より自社のサーバをデータセンターに設置する、ハウジングサービスを利用していた。しかし岩田氏は、「従来のサービスは、耐震構造の建物や安定した電源など、データセンターの強固な設備が利用できる利点はありましたが、サーバの増強や障害対応、セキュリティ管理などは、自社で行うことになり、運用の負担軽減の効果は得られませんでした」と振り返る。
すでに、システムの運用・管理に投入できる社内のICTリソースに限界が見え始めており、早急な対応に迫られていた。その解決策として検討されたのが、ホスティングサービスの利用だった。岩田氏は、「サーバやネットワークを共有利用するため、他のユーザーの利用状態に影響される不安はありましたが、トラヒックの変動に応じてリソースの増減がスピーディに行える魅力がありました。また、運用やセキュリティ管理の業務も一括してアウトソーシングできる利点もあります」と説明する。そのサービス選定の要件となったのが、信頼性の1点だ。
四宮氏は、「数社から提案をいただきましたが、多くの企業からサービスの信頼性やセキュリティの高さが評価されているNTTコミュニケーションズの提案を選びました」とAGILITの導入の経緯を振り返る。
AGILITを導入した現在、フジカラーネットプリントシステムを支えるネットワークやサーバなどのシステムインフラは、全てNTTコミュニケーションズからサービス提供されている。導入効果について四宮氏は、「システムの資産保有が不要となり、今後は増強時のコスト負担の増加が抑制できます。また、AGILITの運用サービスは公的なガイドラインに対応予定であること、24時間365日体制でセキュリティ監視が行われていることなど、コンプライアンス対策も万全となりました。導入後、セキュリティに関する問題も一切発生していません」と説明する。
さらに岩田氏も、「処理性能やストレージ容量、ネットワークの帯域を柔軟に増減できるため、トラヒックの変動に応じてサービスを利用でき、無駄なコストの発生を抑えられ、予測を上回る急激なトラヒックの増加にも耐えられる事業継続性が実現できました。さらに、運用とセキュリティ管理を全てNTTコミュニケーションズにアウトソーシングできたお陰で、それらの業務から開放され、今後はアプリケーション開発やシステムの信頼性および品質の向上に集中できると期待しています」と満足している。
AGILITによってシステムインフラの課題解決に成功した富士フイルムでは、プリントビジネスの成長に向けた具体的な施策の展開が今後の課題だ。四宮氏は、「今年度中に、店頭で提供しているサービスをネットプリントサービスで順次提供すること、ネットならではの新たなサービスの企画などを計画しています。例えば、無線LAN対応の携帯電話で高解像度の写真を撮影して、NTTコミュニケーションズのホットスポットに接続してネットプリントサービスを利用していただくようなことが考えられます」と意欲を語る。ICTソリューションパートナーとしてNTTコミュニケーションズは、富士フイルムの事業成長に向けたあらゆるICTニーズに応えていくことだろう。
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