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専用線「ギガストリーム」
特集記事

ギガストリーム

キーマンズネット 2006年1月16日掲載分より転載

よくわかる新世代専用線講座第3回 金融業務を支える生命線。 導入事例/りそなグループ
SUMMARY INDEX
先進的なネットワーク戦略を持つ企業の間で、専用線が注目され始めています。止めることが許されない業務領域で、“そこだけは、専用線にしよう”という判断が下されているのです。今、専用線は旧来のイメージから大きく変化し、より信頼性高く、より導入しやすい新世代の専用線へと進化しています。

今回は、ネットワーク再構築に際し、新世代の専用線導入を決定した「りそなグループ」の事例を通して、専用線の「今」をご紹介していきます。


よくわかる新世代専用線講座
第1回
「専用線」への誤解を解く!
第2回
日本経済新聞社の導入事例
第3回 りそなグループの導入事例
↓ 合併前のネットを根本から見直し
↓ 専用線がりそなグループに最適解を提供した
↓ 一歩先を行くネットワーク思想
↓ スムーズなネットワーク統合を実現
↓ ネットワーク戦略が企業の命運を左右する
↓ 事業継続管理が重視され、注目が集まる新世代の専用線


 
りそなグループの専用線導入事例を解き明かす
経営の統合再編が進む金融業界。システム統合とこれを支えるネットワーク基盤再構築の成功が、次世代の成長戦略への一歩になるという認識は各社共通のものです。

そのようななかでりそなグループが出した結論は、NTTコミュニケーションズの専用線「ギガストリーム」の導入でした。今回は、りそなホールディングス執行役の田中卓氏と、システム部グループリーダーの白鳥哲也氏に、その決定の背景にあったもの、構築が進むネットワークの詳細をお伺いしました。

合併前のネットワークを根本から見直し、次世代の業務基盤を構築
りそなホールディングス執行役 田中 卓氏りそなホールディングス執行役
田中 卓氏
「合併でシステムを統合するだけでも大仕事なのに、今度はネットワークの問題か・・・」。

りそなグループが決断を迫られていたのは、旧大和銀行と旧あさひ銀行から引き継いだネットワークの統合という大きな課題。旧来のネットワークは個別に運用されており、ネットワークのポリシーが異なるうえ、帯域が不足し、新しいアプリケーションに耐えられないという問題に直面していた。

りそなホールディングス執行役の田中卓氏は、次のように語る。「次世代を見越した顧客サービスを提供するために、今できる最善のことを考えた。キーワードは『営業店のブロードバンド化』。すなわち広帯域なネットワークで、窓口を情報サポートすること。銀行間の競争が激化するなか、顧客の心をつかむためには、情報システムがさまざまな情報を迅速に提供し、顧客と接する社員を強力にバックアップすることが必須となる。たとえば当社では、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)システムやTV相談システムを導入することで、営業店をサポートするとともに、顧客満足の向上を図る計画が進んでいる。その実現のためには、広帯域かつコスト・パフォーマンスに優れたネットワークが、どうしても必要だった」

さらにセキュリティ面の配慮もあった。「金融機関に対するセキュリティ対策の要請は従来にも増して厳しいものになってきている。新たなネットワークの構築に際しては、こうした要請にきちんと応えうるものにする必要があった」(田中氏)。



NTTコミュニケーションズの専用線が、りそなグループに最適解を提供した。
りそなホールディングスシステム部グループリーダー 白鳥哲也氏 「既存ネットワークの10倍以上の帯域を実現する一方で、ランニングコストも大幅に削減することが目標だった」(りそなホールディングスシステム部グループリーダー・白鳥哲也氏=写真左)。帯域、コスト、品質、などの観点から、各種のネットワークサービスを比較検討した結果は、「ギガストリーム」の選択だった。それは長い間企業通信ネットワークの中核を担ってきた専用線技術をベースに、広帯域化、コストの低廉化という企業の要請に応えるために創り出されたNTTコミュニケーションズの新世代専用サービスである。

NTTコミュニケーションズの提案したプランは、ギガストリームを軸とし、最高水準の信頼性を保持しつつ広帯域かつ経済的なネットワークの構築を実現した、非常に先進的なものだ。これまでの専用線ではできなかったネットワークの構成をみてみよう。

ネットワーク構成図
NTTコミュニケーションズは、(1)万一の事態に備え複数個所に設置したNTT Comデータセンター、(2)複数のNTT Comデータセンターと各営業店を結ぶ冗長化構成、(3)最高の信頼性を提供するバックボーンネットワーク向けの「スーパーギガストリーム」など、独自の工夫により、りそなグループの要求に応えた。

りそなグループのデータセンターと営業店は、NTTコミュニケーションズのネットワーク内に設置されるネットワークハブセンター経由で結ばれている。ネットワークハブセンターは、万一の事態に備えて数拠点設けられ、ひとつの営業店からみると必ず複数のネットワークハブセンターにつながる構成を実現。万が一、片側の回線に不具合が発生してもほかの回線がバックアップする仕組みだ。この構成をとることにより、今後増えると予想される営業店間の通信については、いちいちデータセンターを経由せずに直接つなぐことが可能となる。さらに、りそなグループの複数のデータセンターとHUB機能を持つNTT Comデータセンター間を結ぶバックボーン部分には、大容量伝送装置を用い、大容量かつエンド・ツー・エンド無瞬断という非常に高い信頼性を持つネットワークを実現。完全異経路の光ファイバー網で二重化し、伝送装置も完全分散することで、エラーフリーな通信環境「スーパーギガストリーム」を提供する。

このように『営業店側』と『データセンター側』を区別し、データセンター側を『信頼性最重要領域』とするネットワーク構成をとることにより、高信頼性と低コストの両立を可能としている。



一歩先を行くネットワーク思想。ギガストリームにしか任せられない領域がある。
IP-VPNや広域イーサネットなどのサービスが普及するなか、「専用線は旧いサービス」というイメージがあった。しかし、専用線の高い信頼性、セキュリティを保ちながらコスト効果の優れた新世代の専用サービス、ギガストリームの登場により、そのイメージは大きく変わる。事実、ビジネスにおけるセキュリティの重要性が増してきたこともあり、専用線に回帰する動きが出てきている。装置や設備を占有する専用線の信頼性、セキュリティが高いことは折り紙付きだ。ビジネスや企業の存亡を左右する最重要の情報拠点については、「やはり専用線ベースのサービスを検討するべきだ」という経営的な判断の結果である。「当社では、端末エンド・ツー・エンドでの暗号化といったソフト面での対応に加え、電磁漏えいの心配のない光ファイバーの使用や、設備の物理的専有といった部分まで、さまざまな観点でセキュリティの確保に努めている」(白鳥氏)。



ほかに類を見ないスムーズなネットワーク統合を実現。
これまでのネットワークは、それぞれ異なるポリシーで設計された2つの系統が存在していた。それだけに、統合ネットワークへの移行は注意深く進めなければならない。りそなグループは、統合ネットワークの構築・移行に関するプロジェクトを結成。りそなグループのシステム・アウトソーサーであるNTTデータを統括SIerとし、もう一方のアウトソーサーである日本IBM、およびNTTコミュニケーションズにプロジェクトへの参画を要請した。システム統合が完了したのが、2005年9月。その後、次期ネットワークに移行していき、2006年の3月には営業店ネットワークの構築が終了する予定である。

「NTTコミュニケーションズには、提案時から誠意ある対応をしてもらっている。現在、400を超える営業店のネットワークを半年間で切り替えるという短期間での移行の真っ最中であるが、スムーズなネットワーク統合が実現すると期待している」(白鳥氏)。



止まってからでは遅い。ネットワーク戦略が企業の命運を左右する。
経営危機を乗り切り、公的資金の返済もはじめるなど業績向上に転じたりそなグループは、「守り」から「攻め」への転換点を迎えている。「当社は社員一丸となって苦しい時期を乗り切り、業績も上向きつつある。従来から続けてきたさまざまな経費節減・効率化努力に加え、これからはシステム統合、ネットワーク統合による合理化効果も期待できる。その結果、新たな店舗戦略の展開や新商品の投入など今までにない挑戦を始めることができ、ご好評をいただいている。これからは新たに整備されたシステムと広帯域ネットワークの基盤を存分に活用し、より顧客ニーズに応える新たなサービスを展開していきたい」(田中氏)。

情報の力をより魅力的なサービスに結びつけ、競争を勝ち抜こうとする、りそなグループ。その挑戦を、NTTコミュニケーションズのネットワークが支えている。



事業継続管理(BCM)が重視され、注目が集まる新世代の専用線
BCM と情報通信システムの稼働維持
近年、企業経営における事業継続管理(BCM)の重要性に注目が集まっている。自然災害や事故など不測の事態の発生に際して、その影響を最小限に留め、コンプライアンスの確保や社会的責任を果たすことを目指すものだ。

ビジネスの中断の原因としてはまず自然災害が思い浮かぶが、直接的な原因として最大のものは情報通信システムの障害であろう。

金融サービスや通信サービスを提供する企業はもちろん、ほとんどの企業の事業は情報システムとネットワークによって支えられているため、ここに障害が起これば事業の中断に直結する可能性は高い。BCM のなかでも、情報通信システムの稼働維持への取り組みは非常に大きなウエートを占めているといえる。

専用線と新たなネットワーク戦略
ところで、ネットワークの重要度は、それが使われているビジネスや果たしている機能により決まってくる。そこで、BCM を推進する企業では、この重要度によって構築するネットワークを選択すべきという考え方が出てきている。

設備や回線を共有する低コストなネットワークサービスがもてはやされるなかで、信頼性の高さでほかを凌ぐ専用線に再び熱い注目が集まっている理由がここにある。新世代の専用線では、ネットワーク構成によってVPNや広域イーサネット以下のコストで導入されている例もあり、コストの壁が低くなったこともこの動きを後押ししている。

企業の生命線を握るようなネットワークには信頼性を第一に専用線を選び、リスクを許容できるネットワークには低コストなサービスを選ぶ―――ネットワークにおける BCM は今そのような形で進んでおり、専用線と共有系サービスへの選択的投資と補完関係による新たなネットワーク戦略を生み出している。


ネットワークのBCM(事業継続管理)イメージ
ネットワークのBCM(事業継続管理)



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