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CSR報告書2006

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地球環境保護

特集:東京都の優良事例として紹介された「地球温暖化対策」 部屋ではなく、通信機器を集中的に冷やすという、空調システムの省エネ新発想
9割を占める電力エネルギーを削減したい
東京都の「地球温暖化対策計画書制度」

電気通信事業にとって電力エネルギーは最も重要な資源です。NTTグループでは、地球温暖化対策が叫ばれる以前から、グループを挙げてTPR(トータル・パワー改革)活動を進め、エネルギーセーブに努めてきています。
  NTTコミュニケーションズでもCO2の削減目標を設定し、TPRに加え独自の電力エネルギー削減の工夫に取り組んできました。その施策のひとつ「大手町本館ビルの地球温暖化対策計画書」が、東京都の同制度において高い評価を受け、優良事例として東京都のホームページに掲載されました。この制度は、東京都が2005年度から新たにスタートさせたもので、今回、都内の約1,000の大規模事業所から提出された、5年間の温室効果ガスの削減計画書の中から選出されました。

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機械室の空調用エネルギーを削減できないか

NTTコミュニケーションズが事業活動全体で消費する電力エネルギーの9割は、交換機、サーバやルータなどのコンピュータ、さらにそれらの機器類を正常に稼働させるための空調装置に使われます。通信機械室に収納されているこうした機器は、近年、コンピュータの高集積化によってますます高発熱化する傾向にあります。
  こうした機器は、電気エネルギーの消費量に比例して発熱量も増えます。約20年前には1ラック(交換機などを収めた一定サイズの棚)の電力消費量は0.4〜0.6kWだったものが、最近では1ラック2〜4kWに増え、中には1ラック6〜8kWというものもあります。そして、今後予定されているNGN(※1)ではさらに高発熱の機器類が使われようとしています。
  こうしたコンピュータ類を正常に稼動させるためには冷却が不可欠です。そのため、どこの機械室にも大規模な空調設備が備えられ、部屋全体を人が長く居られないほど冷やし、それによってコンピュータの熱を吸収させる方法が取られています。
  NTTコミュニケーションズでは、以前から独自に空調システムの効率化に取り組み、機械室をより少ないエネルギーで効率的に冷やす「MACS空調(※2)+冷却ファン」と、機械室内の温度分布をリアルタイムで集中管理する「温度監視システム」を開発しました。優良事例として評価された大手町本館ビルもこのシステムのもとで集中管理されています。

(※1)NGN:
  Next Generation Network。電話網全体をIP化する次世代ネットワークのこと。
(※2)MACS空調:
  高顕熱型冷凍機

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冷気は通信機器の熱を吸収してラック外(室内)に出る
部屋全体を冷やすムダをなくす

MACS空調システムは「冷やしたいところを適切に冷やす」方式です。

MACS空調システム図解
■MACS空調システムのイメージ図

 
空調システム写真
■通信機械室のラック群

室内機から二重床の下に送り出された冷気は、ストレートにラックの下に届き、ラック内を通りながら機器類の熱を吸収し、温められた空気として室内に排出されます。MACS空調は、室内全体を冷やす無駄をなくし、冷やすべきラックを集中的に冷やす発想の空調システムです。
  しかし、ラックに収納された機器類の発熱量は必ずしも一定ではありません。そこで、高発熱の機器を収納したラックの冷気取入れ口には冷却ファンを設置し、強制的に冷気を取りこみ、その風量を調節することによってヒートポイントと呼ばれている高発熱ラックを適正な温度に保っています。


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全国の機械室内の温度分布をリアルタイムで監視

もうひとつのカギが「温度監視システム」です。
  温度監視システムでは、NTTコミュニケーションズが保有する全国約70カ所の通信ビルやデータセンターの室内温度状況を東京で一元管理しています。通信ネットワークを使って広域エリアを遠隔監視制御する技術は、NTTコミュニケーションズが以前から最も得意としている技術分野のひとつです。
  遠隔監視するために、機械室に温度感知センサーを複数設置し、機械室内の温度分布状況をリアルタイムに計測しています。適正温度を超えたヒートポイントの発生があるとアラームで知らせます。監視担当者はそのアラームの発生個所を温度センサーの位置で確認し、そのアラームが特定ラックの部分的なものか、空調システム全体によるものかなどを判断し、すみやかに適切な対応策を講ずることができます。ここには遠隔コントロールによるきめ細かな温度制御技術が生きています。

温度監視システムの画面イメージ図
■温度監視システムの画面イメージ図

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ここの通信機械室は寒くない
良い環境施策は、高信頼性やコスト削減につながる

NTTコミュニケーションズでは、電力エネルギー節減の取組みとして「環境」「信頼性」「コスト」の三つの視点を基本にしています。
  温度監視システム導入前(2003年4月以前)は、通信機械室のあるビルごとに常駐の担当者を配置し、担当者がチェックした上でセンタに連絡するという方法をとっていました。それがシステムの導入によって監視のための人的稼働が不要になり、管理コストの低減を可能にしました。さらに、アラームの発生をマクロな視点からとらえることができるため、故障の発生予防に結びつく情報収集力が高まり、サービスの安定提供につながると同時に、故障復旧のレスポンスが向上するなど、サービス品質と信頼性の向上にも結びついています。
  また、NTTコミュニケーションズが保有する機械室用の空調機約4,000台のうち、約700台を対象に行った温度設定緩和の試行では、通信機械室内の温度設定を1℃上げることによって電力使用量は約2%削減でき、結果として約1,900kWの電気エネルギー削減につながりました。

■NTTコミュニケーションズ大手町本館ビルの地球温暖化対策

       
 
2005年度のCO2排出量の内訳
排出に関わる方法 CO2排出量(t-CO2
電気の使用 41,558
燃料・熱の使用 9
水道等の使用 12
その他 0
合計 41,579
2010年度までのCO2排出削減対策
対策の名称 削減効果見込量(t-CO2
MACS空調等の導入 2,607
冗長UPSの導入 662
スーパーコンデンサ(※)導入 166
設定温度の変更 55
蛍光灯インバータ安定器の更新 13
外気導入量の適正管理 8.5
省エネファンベルトの更新 5.4
(※)スーパーコンデンサ:冷房効率向上装置

 

 

こうした施策は、東京都だけでなく各経済産業局の評価でも、NTTコミュニケーションズの現地調査に入った全国16のビルすべてで90点以上の評価を受けました。 その現地調査の際に大手町本館ビルを訪れた調査官は、通信機械室に入るなり「ここは寒くない」と他社の通信機械室との違いに驚き、「どんな工夫をしているのですか」と非常に興味を持っていただいたというエピソードも残っています。

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情報化社会の進展と地球環境保護に最善を尽くしたい

今回の施策の背景には、エネルギーロスの少ない直流電源の採用、空調設備の室外機の効率を高めるスーパーコンデンサの開発など、NTTグループ全体で取り組んできたCO2削減に向けた工夫の積み重ねがあります。

今回の施策を推進した責任者は、「都心のビルにある通信機械室の高集積化はますます進むでしょう。我々のビジネスが繁栄するのは非常にありがたいことですが、一方、地球環境の面では負荷をかけているということを認識して、最善を尽くさなければいけないという使命感を常に意識しています。エネルギー負荷が急速に高まっているこの業界の優良事例として、東京都から高い評価をいただけたことは大変に嬉しいこと」と言います。

これは、「地球環境保護」をテーマに、私たちが取り組んでいる数ある事例のひとつです。

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