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CSR報告書

NTTコミュニケーションズグループ CSR報告書2007

特集:ネットワークを信頼でつなぐ「台湾沖地震被害からの早期サービス復旧で実証」 自然災害による大規模故障に迅速に対応する 災害マネジメントシステムとグローバルネットワーク

2006年12月、台湾南西沖で発生した地震で、多数の国際通信用海底ケーブル群が大きな被害に見舞われました。

これらのケーブル群を利用しているNTTコミュニケーションズをはじめ多くのアジア域内の通信業者は、過去最大級の被害を受けました。

この緊急事態においてNTTコミュニケーションズは、地震による障害発生の2日後には、影響を受けたおよそ90%のサービス復旧を実現。

この早期サービス復旧の背景には、平常時から整備された危機管理体制とグローバルな連携、そしてCSRの認識のもとに、全社一丸となった災害対策への高い意識と取組みがありました。

  • 「通信ネットワークの信頼性向上」「重要通信の確保」
    「サービスの早期復旧」を実現する災害マネジメント体制の確立

    近年、災害時における危機管理の重要性は各方面から指摘されており、災害対策は、国民の生命と財産を守るうえで極めて重要な政策課題のひとつといえます。こうした時代の要請を受けて、各企業においてもBCP(Business Continuity Plan = 事業継続計画)の策定など、災害対策への積極的な取組みが見られます。

    NTTコミュニケーションズでは日頃からお客さまに対してBCPなどの重要性を訴え、バックアップソリューションを提案すると同時に、ネットワーク事業部に「災害対策室」を設置するなど、社内的な危機管理体制を整備・進化させてきました。私たちが災害対策の基本方針としているのは、「通信ネットワークの信頼性向上」「重要通信の確保」「サービスの早期復旧」の3点。中継伝送路の多ルート化や通信設備の二重化、またネットワークコントロールなどによる重要通信の確保、災害発生時の速やかな対策組織の設置による早期対応など、災害時の通信の確保に向けたマネジメント体制を整えています。

    また、国の「災害対策基本法」に基づく“指定公共機関”として、防災に関する措置を円滑かつ適切に遂行するため、「防災業務計画」をNTTグループ13社とともに制定、行政機関や地方自治体と連携を図った災害対策のさまざまな取組みを進めてきました。

  • 台湾南西沖地震により国際通信サービスに障害が発生
    “ 有事体制” の立ち上げと復旧に向けた取組み

    私たちが、自然災害発生時に対処するために整備・構築したシステムを試される“有事”が発生したのは、2006年12月26日夜のことでした。それが、台湾南西沖で発生したマグニチュード7.1の大型地震です。この地震による海底ケーブル群の障害は広範囲におよび、東南アジア各国との間の国際通信サービスは甚大な影響を受けました。

    NTTコミュニケーションズが今回の地震で被害を受けた海底ケーブルは、主に東南アジア向けのもの。「企業向けデータサービス」「インターネット接続サービス」「国際電話サービス」において、通信できない、またはつながりにくい状態になるなど、これまでに私たちが経験したことのない大規模な障害が発生しました。

    災害発生時は、発生した通信災害の迅速な復旧作業と同時に、被災状況や復旧計画を社内外に迅速かつ的確に提供することが重要です。「今回の台湾沖地震の災害対応では、事業部を横断し問題解決に必要な機能重視の“有事体制”を立ち上げ、全社員による社内の情報共有とお客さまをはじめとした社外への的確な情報提供に注力しました。そして、グローバルネットワークに携わる技術者が総力をもって復旧に努めた結果、地震発生から2日後には約9割の通信サービスを復旧させることができたのです。」

    (カスタマサービス部 グローバルサービス部門 担当課長 平良 聡)

  • 中国、アジアの通信事業者との密接な連携が
    サービス早期復旧の決め手に

    *平常時の海底ケーブル敷設写真をイメージとして掲載しています。

    今回の通信サービス障害早期復旧にあたっては、NTTコミュニケーションズが保有する、グローバルネットワークの強みも遺憾なく発揮されました。まず、ケーブルの障害の長期化や、障害の結果として発生する遅延などに対応するために検討された迂回路では、上海から香港まで中国大陸を横断する大容量の中国陸路迂回ルートを、中国通信事業者との密接な連携により確保しました。

    また、早期復旧の背景には、アジア域内のサービス品質改善を目的とした国際会議「Arcstar Carrier Forum」を通じて培った、アジア域内の大手通信事業者との良好な関係がありました。「復旧に向けてエンジニア同士が相互連携したことは早期復旧の要因の一つといえます。これらに加えて、IP-VPNなどの企業向けに提供している通信サービス『マネージドネットワークサービス』が持つ柔軟で迅速な迂回機能が、障害規模を限定的なものに留めたことも指摘できます。」

    (グローバル事業本部 グローバルネットワーク部長 岡 純一)

    さらに、NTTコミュニケーションズは、従来からアジア太平洋域内において最大級のケーブル容量および多数のルートを持ち合わせています。こうした豊富なネットワークインフラを活用したことも、通信サービス障害早期復旧の決め手のひとつでした。

  • 全社員参加型による災害対策の取組みを推進
    災害に強いグローバルネットワーク構築の試み

    現在、アジア各国には、製造業を中心に生産拠点として日系企業が数多く進出しています。「今回の通信障害はこれらのグローバル企業の業務にも支障を与えましたが、NTTコミュニケーションズの迅速な対応と早期復旧の取組みに対しては、企業ユーザーからは良好な反応を得ることができました。私たちの、日頃からの有事に備えた全社横断的な危機管理の取組みや仕組みづくりなどの災害対策活動、そしてグローバルな通信ネットワークの強みが実証されたといえます。今後も、全社員が平常時から災害対策に対して高い意識と関心を持つ風土を醸成し、全社員参加型の取組みを進めていく考えです。」 (ネットワーク事業部 災害対策室長 遠藤 達彦)

    一方で、災害に強いグローバルネットワークの強化にも積極的に取り組んでいきます。その一環として、NTTコミュニケーションズはロシア大手通信事業者のトランステレコム社と共同で、日本〜ロシア間に光海底ケーブル「北海道-サハリン・ケーブルシステム」を敷設する計画です。これによって、多国籍企業などの通信ニーズに応えるとともに、既存のインド洋経由ルートに加え、通信ルートの多様化を図ることで、地震などの災害時でもグローバルに迂回するネットワークの構築を目指します。そして、これからも全社一丸となって、CSR基本方針のもと、情報通信技術の向上と安定的で信頼性の高い情報通信サービスの提供に努めていきます。

    12月28日時点の各社サービス復旧率

    *朝日新聞2006年12月29日 朝刊から

    • 写真:平良 聡

      カスタマサービス部

      グローバルサービス部門

      担当課長 平良 聡

    • 写真:岡 純一

      グローバル事業本部

      グローバルネットワーク部長

      岡 純一

    • 写真:遠藤 達彦

      ネットワーク事業部

      災害対策室長

      遠藤 達彦

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