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牧野二郎弁護士コラム 内部統制事始め
Vol.20 業務改善は企業を強くする
コンプライアンスが競争力を低下させる?

わが国の国際競争力が低下しています。対して、これまで注目されてこなかった小さな北欧の国家がトップクラスを走っています。彼らは資源もなく、人口も少ないながら、金融サービスなどを中心に、世界を相手に事業展開しています。そうした限られた部門で生産性を上げているというわけです。

長期低迷を続けているわが国ですが、そんな状況でこれ以上内部統制を進めると、ますます競争力を失わせるため中止しようといった発言を耳にします。コンプライアンス不況などという言葉もあります。しかし、コンプライアンスを進めたことが本当に競争力を失わせているという事実があるならば、実例を挙げて欲しいものです。そんな事実はないのでしょう。

いま気付くこと

世界的規模で日本の環境問題、食の安全、工業製品の品質について考えると、つくづく思います。わが国の企業は実に良いものを、地道に作り上げてきたのだと。賞味期限や消費期限を厳しく指摘し、その基準を緩めず指導してきたからこそ、今日があると言えるでしょう。日本の食品や、日本の製品の品質の良さはいまだに世界屈指です。これらは、日々の業務改善の賜物と言えます。

わが国の売りは何か。今、はっきりと言えることは、その品質の高さです。かつて蔑称であった「日本製」は、いまやブランドになっているのです。それは中国の商店で高額の日本製品が飛ぶように売れているという事実にも表れています。世界で信頼される製品を作っているのは、他ならぬわが国、日本なのです。物づくりの能力が、品質管理の能力として発揮され、それが安全性や信頼性、そして環境保護対策へと広がっているわけです。現在日本企業が行っている努力は、決して無駄ではなかったということです。

いま、わが国の企業は品質という競争力が身についているといっていいでしょう。この優位性、日本ブランドはこの間の長い時間をかけてきた品質管理と安全管理の中で培われてきたものでしょうし、一時も忘れてはならないもののはずです。

評価されないと分からないもの

人間誰でもそうですが、褒めてもらうことで自分の良さに気付くものです。無駄な努力と思いながら進めてきたことだとしても、いつのまにか優れた評価を得るものですから、その評価をきちんと受け止めていいと思います。わが国の良さをまず確認して、それからその良さを伸ばすにはどうしたら良いかを考えるべきです。

日本製の品質の良さは、今後もますます評価されるのではないでしょうか。国内の小さなマーケットではなく、中国、インド、その他多くの国のマーケットがわが国の製品、日本ブランドを待ちわびているわけです。品質の良いもの、性能の高い製品を投入することで、そうしたマーケットは大きく成長するでしょう。自信を持って海外に売り込むべきなのです。品質の良さを売ることは、日本人のためだけのものではなく、世界の人々を安全、安心に導くものでもあるはずです。

より高い融合を目指して
牧野二郎

これまでのコンプライアンスによって、日本ブランドは強化されてきました。更なる競争力をつけるために、次は、効率性を高めることです。効率性とは、コストをかけず最も良いパフォーマンスを出すということですから、無駄の無い、合理的生産方法や業務管理、業務改善が必要です。品質を維持しながら、効率性を上げること、これがまさに内部統制の構築に当たるわけです。

内部統制は、コンプライアンスと効率性を、高い次元で融合するものであり、わが国の競争力を高める正しい方針といえます。現状維持に甘んじたり、昔のやり方を懐かしむのではなく、より合理的で、気持ちよく仕事のできる業務に改善することで、合理的発展を求めることが必要なのだと思います。

皆様の企業が、コンプライアンスと効率性をともに実現できるよう、前進されることを念願してやみません。長い間このコラムにお付き合いいただき、心から感謝申し上げます。

牧野二郎