
情報管理はその有効性において疑問視される面があります。人をコントロールして、意のままに動かしたいようなときに情報操作が行われることがあります。あるいは悪事を隠ぺいするために都合の悪いものを隠す、ということもあります。情報管理はこうして、悪い方向で運用されてきた面がありました。 こうした管理者の恣意的運用を前提とした場合の情報管理は、コンプライアンス違反を助長するものであって、避けなければならないものでしょう。
しかし、我々にとって、より問題なのは、実は、情報がありすぎる状態、すなわち情報過多という現実、誘惑的な情報が大量に存在する状態でないか、と思うのです。現代社会では、とても見きれないほどの大量の情報が押し寄せてきます。スパムメールや危険な詐欺メール、様々な電子メールや情報が毎日押し寄せます。さらに魅力的な旅行や音楽、レストラン情報などなど、あふれるばかりの情報が送られてくるのですが、それはもはや人間の処理能力をはるかに超えるものになってきているのです。 有害情報は捨てればいいのですが、捨てきれない誘惑的な情報、魅惑的な旅の情報、様々なグループや団体からの誘い、勧誘などは、スパムより始末の悪い、実はスパム以上に仕事の妨害となる、かもしれない情報であったりします。
情報を上手に管理するということは、自分の処理できる情報量を理解して、必要な情報を適量自分に与える、ということでしょう。それは、情報社会で、自分を管理する方法そのものです。 もし叶うならば、その場面で必要となる情報を的確に利用できる環境、不必要な情報はそぎ落とされるか、仕事の合間や終了後に提供される環境、そんな環境にいたいものです。
人間は弱いもので、魅惑的な情報があればそちらに意識が向き、自然と業務効率が落ちてしまうものです。それはむしろ有害な場合が多く、注意が必要でしょう。もっとも、そうした刺激があった方が、仕事の効率も上がるという人にとっては、必要なものかもしれません。 大量の情報に押し流されるのではなく、自らの仕事の効率向上と、人間としての成長がバランスよく調整されるような管理、すなわち環境の整備が必要でしょう。 ところがこれが難しくて、なかなか簡単には、このような環境は構築できません。
こうした環境は、誰も売ってくれません。誰かから強制されたり、ある環境が機械的に与えられるものでもないはずですし、それではフラストレーションが高まるだけでしょう。様々なツールを利用して、自分で構築する必要があるでしょう。自己管理の一環として、自ら考え、自らの仕事の効率性を考慮して実施するものといえます。
最近不愉快なスパムメールが多くなってきたので、私自身様々なスパム対策を実施しています。これまでは簡単な対応しかしていませんでしたから、結構な数が届いていました。今後は研究を重ねてさらに徹底したスパム対策を実施しようと思います。しかし、問題は、有益な情報のあるメールの処理です。「スパムではない」と思って、しっかり受け取るものですから、よく読んでしまいます。確かに有効なのですが、仕事の効率性からは注意が必要なわけです。仕事中は目に入らない、ちょっとした息抜きにアクセスして役立てる、といった環境の整備が必要でしょう。
やはり、当たり前のことですが、メールアドレスを二つ持つ、仕事用のアドレスとプライベート用のものを正確に区分するといった対応が必要でしょう。また、携帯電話も仕事用のものと個人用のものを明確に峻別すべきでしょう。こうして押し寄せる情報を上手に区分して、流れを作り、必要なものが必要なときに手に入るように整理しておくことが情報の達人になる道ではないでしょうか。