法人のお客さま総合 > ICTによる企業の環境対策 グリーンICT > 環境Trend News Picks

世界の環境ニュースを分かりやすく解説! 環境Trend News Picks

「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト(グリーンITプロジェクト)」に係る委託先の決定について

vol.9 [2008/09/30]

(2008年8月8日NEDO技術開発機構)

ブロードバンドの普及に伴う通信量の増大や、IT機器の高性能・多機能化、設置台数の急激な増加により、2025年には原発20基相当分の消費電力量増加(2006年比)が見込まれている。このような背景の下、NEDO技術開発機構では、平成20年度よりグリーンITプロジェクトを立ち上げ、大型有機ELディスプレイ、ナノビット磁気記録ハードディスク、データセンタ及びネットワーク・ルータ技術の研究開発を推進している。

NEDO技術開発機構は、「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト(グリーンITプロジェクト)」に係る公募を実施した結果、厳正な審査を経て委託先を決定した。
このプロジェクトの目的は、IT機器の電力消費が今後急増することが予想される中、データセンタ及びネットワーク・ルータの年間消費電力量を30%以上低減する革新的省エネルギー技術を実現する技術開発を行うことである。

崎田の分析 Sakita's eye

「グリーンITプロジェクト」で始まる、真のIT革命!

インターネットの定着で、紙の使用量が増加したことはよく知られている。
けれどこれまで、便利さに隠れて余り顕在化しなかった温暖化対策が、IT業界を今揺るがせている。インターネット内の情報爆発と、それに対応するIT関連機器の増加による消費電力量の急増が予想されているのだ。
具体的には、動画の送配信や各種ITサービスが急速に進み、日本では2025年に06年比で情報量が190倍になると見込まれ、その情報処理するIT機器増とデータセンタ機能を合わせて、消費電力量は同比で5倍、2400億kWhになると考えられている。ちなみに、この電力量は原子力発電所20基分に相当する。

この危機感は世界的なもので、海外では1,2年前から省エネ対策に向けた企業連携が生まれており、重要なことは、この危機にどう対処するかが企業価値を高め、世界的競争力に直結すると考えられていること。米国の調査会社ガートナーが、昨年11月に発表した「2008年“企業経営に影響を与える戦略的技術”ランキング」でも「グリーンIT」が第1位となっているのだ。
ITの持つ流通改革や在宅勤務など社会的な環境負荷削減効果はもちろん重要ながら、それを活かすためのパソコン本体やネットワーク、データセンタそのものの「グリーンIT化」が、次世代を支える「真のIT革命」技術としてクローズアップされてきている。

この状況を踏まえ、日本でも政府のイニシアティブで革新技術開発を進める「グリーンITプロジェクト」が進んでおり、NEDOが公募していた技術開発研究の委託先が決まった。
大きく分けて2分野になり、「データセンタ」と「ネットワーク・ルータ」の省エネ技術開発で、特に今回注目されるのは、「データセンタ」基盤技術の中の「最適抜熱方式とシステム開発」は、それぞれ三菱電気(株)、(株)日立製作所、(独)産業技術総合研究所、富士通(株)、日本電気(株)を中心にした5チームが、ステージゲート方式で評価を受ける。詳細は未定ながら、20年度第1ステージ後に評価を受け、第2ステージは24年度までとなる。
消費電力30%以上削減が目標値だが、2050年CO2を60〜80%削減をめざす超長期ビジョンも視野に置くことで、真のIT革命に向けて、20年度末にどのような斬新な方向性を示せるかが注目されている。

崎田裕子氏プロフィール

ジャーナリスト・環境カウンセラー。昭和26年生まれ。昭和49年、立教大学社会学部卒後、「(株)集英社」で11年間女性誌編集に携わる。昭和60年フリージャーナリストとして独立。 生活者の視点で環境問題、特に「循環型社会づくり」を中心テーマに講演・執筆に取り組む。平成8年 「環境カウンセラー」として環境省に登録(市民部門)。現在は「NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット」理事長、「NPO法人新宿環境活動ネット」代表理事、早稲田大学 環境総合研究センター客員研究員、「有限責任中間法人 環境ビジネスウィメン」代表理事(エコ・ジャパン・カップ総合運営事務局)、「有限責任中間法人 日本カーボンオフセット」理事などを務めている。