最近、企業がチームを解散し、スポーツ事業の運営から手を引くケースをよく耳にする。長年、アマチュアスポーツの世界に身を置き、現在、サントリーラグビー部『サンゴリアス』という企業チームを率いる清宮氏は、その点をどう考えているのだろうか。
僕がまずいいたいのは、世界は日本の企業スポーツというシステムをとても高く評価しているということです。僕がどこに行っても聞くのは、「日本はいいシステムをもっている。最高だ」という賞賛の声ばかりなんですね。そこをちゃんと見なければいけません。
世界中でプロ選手たちのセカンド・キャリアが大きな問題となっています。5%から10%くらいの限られたトップ選手はまだいいんですが、それ以外の大多数を占めるプレーヤーにとって、引退後の生活は非常に厳しい。その点、日本には引退しても仕事を続けられる企業スポーツという選択肢があります。そういう利点には目を向けず、目先の利益だけでスポーツが切り捨てられていく。そんな現実はとても情けないですね。
スポーツのためにオーナーが資金を提供するという仕組みは、世界中どこでも同じです。どんなプロリーグであれアマチュア・スポーツであれ、金持ちが金を出して、それを分配してサポートするのは当然のことなんですね。それで商品が売れれば一石二鳥だし、それで社員に元気が出れば“一石三鳥”でしょう。さらには企業の価値やイメージが高まることもあるわけですから、そうなれば“一石四鳥”の効果ということになります。スポーツ育成は企業の社会貢献のひとつでもありますから、もっと慎重に考えていただきたいと思っています。