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改めて考えたい ICT環境の災害対策(後編)

2012年3月21日公開

2. クラウド活用で災害対策の高度なニーズにも対応

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――災害対策では基本とも言えるデータのバックアップの割合がICT投資項目の中でもっとも高いとの調査結果は、逆に言うと中堅・中小企業ではこれまでそうした基本的な災害対策さえ行われていなかったということでしょうか?

 確かに高い割合をみるとそう受け止められがちですが、データのバックアップについては手頃なソリューションも整備されていることから、中堅・中小企業においてもすでに一定の割合で浸透していると考えています。

 それでも調査結果でバックアップの割合が高かったのは、単にデータを保護するだけではなく、OSやミドルウェア、アプリケーションなどシステム全体をバックアップし、ほかのハードウェアにリストアできるなど、システム復旧までを見据えてバックアップに取り組もうと考える企業が増えたからだと捉えています。

――たとえばディザスタリカバリの実現など、中堅・中小企業における災害対策のニーズは高度化していくのでしょうか。

 遠隔地にシステムのバックアップ環境を構築するディザスタリカバリについては、先ほど紹介した調査結果でも「遠隔地に業務システムの複製を作成し、災害時にも業務を継続できるようにする」として投資項目の1つに挙がっていますが、回答の割合は全体の10%程度にとどまっています。その理由としては、緊急時対応のためだけにシステムの複製を作成するというのは、やはり中堅・中小企業にとってコスト面でとても取り組めるものではないとの意識が強いからだと考えられます。

 ただ、最近になってこうした状況にも少しずつ変化が起こりつつあります。その変化とは、クラウドの普及に伴って、データのバックアップやディザスタリカバリといった災害対策がクラウド上で実現できる環境が整備されつつあることです。

 しかも重要なポイントとして挙げられるのは、クラウド上でデータのバックアップやディザスタリカバリを実現できるだけでなく、それらの仕組みを緊急時だけでなく、平常時も活用できる手立てが整いつつあることです。

 たとえばデータのバックアップでいうと、クラウド上のストレージを柔軟に利用することができるオンラインストレージサービスが各社から提供されています。このオンラインストレージサービスは、通常業務でも利用することが可能であり、さらに緊急時にはバックアップ先にもなるという典型的なサービスです。

 このように、クラウドを活用すれば、コストを抑えながら通常の業務システムにバックアップやディザスタリカバリといった災害対策を付加していくことができるのです。中堅・中小企業の災害対策ニーズも、今後はそうした形で高度化していくのではないかとみています。