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改めて考えたい ICT環境の災害対策(前編)

2012年3月14日公開

2. ICT投資にも影響を与えた計画停電や節電対策

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――今回の震災では電力供給に対する不安も大きくなりました。これは企業のICT投資にどういった影響を与えたのでしょうか。

 電力供給とICT投資は非常に密接な関係にあります。ただ今回の震災では電力供給に対する不安が広がったにもかかわらず、ICT投資の見直しを図った企業は意外に少なかったことが私どもの調査で明らかになりました。

 震災後の2011年5月の時点で、中堅・中小企業を対象として電力会社の管轄地域別にICT投資への影響を聞いたところ、たとえば東京電力管内ではICT投資を見直す意向を示した企業が27.0%だったのに対し、変更しない、つまり予定どおりにICT投資を実施する意向を示した企業が54.3%に上りました。

 同様にICT投資を見直す企業と予定どおり実施する企業の割合についてほかの地域を見てみると、中部電力管内では18.4%対60.3%(1)、東北電力管内が18.2%対60.0%(2)と、ICT投資を見直すと回答した企業は少数派となっています。そのほかの電力会社の管轄地域でも、この傾向は変わりません。

東日本大震災が2011年5月以降のIT投資に影響を与えるかどうか

出典:株式会社ノークリサーチ「ノークリサーチQuarterly Report特別編2」

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 ではなぜ変更しない、つまり震災前のICT投資をそのまま継続すると回答した企業が多かったのか。その理由は、リーマンショック以降、厳しい経済状況が続いてきた中で、すでに企業はICT投資をギリギリのところまで絞り込んできた背景があるからだと分析しています。東日本大震災が発生しても、ICT投資についてはそのまま継続せざるを得ない取り組みばかりだったわけです。

 興味深いのは、震災前のICT投資をそのまま継続すると回答した企業であっても、その後の投資する理由に変化が生まれている点です。具体的には、計画停電や節電対策の必要性を踏まえてから投資すべき対象を判断したい、というものです。

 この調査は2011年5月に実施したため、夏場の電力供給に対する不安が大きかったという側面もあります。ただ直接の被害を受けた地域は別として、多くの企業にとっては地震そのものよりも計画停電や節電の方がICT投資に影響を与えたと言えるでしょう。なお法人向けの電力料金が値上げされるという話も持ち上がっているため、改めて節電への意識が高まるのではないかと予想しています。