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改めて考えたい ICT環境の災害対策(前編)

2012年3月14日公開

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は多くの被害をもたらしました。地震大国である日本で事業を行う限り、地震のリスクは常に意識せざるを得ません。こうした中で、企業のICT環境においてどのような災害対策を講じていくべきでしょうか。ノークリサーチのシニアアナリストである岩上由高氏に、同社の調査によるデータに基づいたお話を伺いました。

1. 影響が大きかった計画停電と消費抑制意識

岩上由高氏

――東日本大震災によって企業はどの程度の影響を受けたのでしょうか。また震災直後の状態から、各企業の業績はどの程度回復しているのでしょうか。

 私どもで行った中堅・中小企業を対象とした事業の実態調査によると、2011年の経常利益の推移は減少傾向が続きました。1000社を超える年商500億円未満の国内民間企業を対象にしたこの調査では、四半期ごとの経常利益の増減の差を「経常利益DI(経常利益増減指数)」として示していますが、その推移を見ていくと2011年2月は「−0.7(1)」、5月は「−19.7(2)」、8月には「−7.9(3)」、そして11月が「−8.5(4)」という結果になっています。

IT投資DIと経常利益DIの全体変化

出典:株式会社ノークリサーチ「ノークリサーチQuarterly Report 2011年 秋版」

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 2月に比べて5月の数値が大きく減少していますが、これがまさしく「3・11」の直接的な影響です。

 なぜ、これだけ経常利益DIが大きく落ち込んだのか。もちろん大震災による影響も含まれますが、実は被災地である東北6県が日本全体に占めるGDP(国内総生産)の割合は7%未満とも言われることから、当初は企業の業績に与える影響も限定的ではないかと言われていました。

 ただ、結果を見るとその予測は大きく外れていたわけです。その理由として、まず計画停電が首都圏を含めた広い範囲のさまざまな産業に事業抑制の影響を与えたことが挙げられます。さらにもっと影響が大きかったと考えられるのが、日本社会全体として消費を抑制する意識が高まったことでしょう。

 しかし8月には復旧に向けた各企業の努力から10ポイント以上回復しました。この時点ではその後、加速度をつけて回復するのではないかとも見られていたのですが、11月になると微減してしまいます。

 こちらの要因としては、急激な円高とタイでの大洪水によって多くの製造業が打撃を受けたことが大きいと考えています。円高と洪水の影響は今も続いており、震災からの復旧・復興に続いて、各企業の懸命な努力が続いているというのが現状です。