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最先端のICTトレンドを深く理解する ICTトレンドゼミ〜プロフェッショナルに聞く〜

ICT環境を大きく変えるBYOD(後編)

2012年2月22日公開

2. スマートフォンの適用範囲

――スマートフォンはどういった業務用途で使われるようになるのでしょうか。

 ノートPCがさまざまな用途で使われているのと同じように、スマートフォンも幅広く活用されるのではないでしょうか。業務での利用が本格的に始まるのはこれからといったところですが、私はいずれノートPCと同じような分野で使われていくと見ています。

 ただ、用途によってはノートPCと使い分けていく形になるでしょう。たとえば営業・販売や会計といった基幹業務のアプリケーションを利用するケースでも、スマートフォンでは閲覧が中心で、データの入力や加工にはノートPCを利用するといった、それぞれのデバイスが持つ特性に応じて使い分けられると思います。

 盗難や紛失のリスクがあることから、スマートフォンでは機密性の高いデータは扱えないという話も聞きますが、本来はどういったデータを扱うかに関わらず、まずセキュリティやICTガバナンス上の課題を着実にクリアしていくことが先決です。

 意見が分かれるところですが、スマートフォンの業務利用の範囲はさまざまな課題が着実に解消されていくことにより、徐々に広がっていくと考えています。

――実際にスマートフォンを業務で利用している事例を教えてください。

 たとえば、ある卸売・小売業を営む会社のケースがあります。この企業では販売スタッフが接客しながら在庫確認できるようにするため、一部店舗でスマートフォンを試験導入しています。従来は顧客対応の中で在庫確認が必要になった場合、その都度レジやバックヤードまで移動する必要がありましたが、スマートフォンの導入により顧客の前で素早く在庫を確認し、接客を続けることが可能になったそうです。

 ある旅行会社では、営業スタッフの渉外営業力強化のためにスマートフォンを導入しています。案件管理などの業務システムに社外からアクセスできるようにしたことで、出張先や外出先でも顧客からの問い合わせに素早く対応できるようになったと言います。

 作業現場の情報共有と業務効率化を目的に、管理者と現場社員にスマートフォンを配布した建設会社もあります。現場社員はスマートフォンでマニュアルなどを閲覧できるようになり、分厚いマニュアルやPCが不要になったそうです。また、管理者が遠隔地にいても、写真や動画を使って現場の状況を具体的に情報共有し、効率的に作業を進めることができるようになったと言います。

 また、あるエネルギー関連企業は現場作業と移動の効率化を目的にスマートフォンを導入しました。スマートフォン上に最適な移動ルートを表示して、土地勘がなくても効率的な移動が可能になったそうです。また、営業所と現場間で作業情報を共有し、現場の状況に合わせて営業所から作業手順の変更を指示したり、作業に必要なデータを送ったりすることができるようになったと言います。

 今後、こうしたスマートフォンの活用事例が増えていくのは間違いないでしょう。