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最先端のICTトレンドを深く理解する ICTトレンドゼミ〜プロフェッショナルに聞く〜

ICT環境を大きく変えるBYOD(後編)

2012年2月22日公開

 企業におけるスマートフォンやタブレット端末の導入方法の1つとして、「BYOD(Bring Your Own Device)」に注目が集まっています。前編では、このBYODによるスマートフォン・タブレット端末の導入のポイントを伺いました。後編では業務でのスマートフォン活用という視点で、引き続きみずほ情報総研の川添祥宏氏にお話を伺っていきます。

1. スマートフォンを活用するために求められる環境

川添祥宏氏

――業務利用を考えた場合、スマートフォンを利用するためのインフラにはどういったことが求められるのでしょうか。

 ポイントを4つ挙げておきたいと思います。まず1つ目は、ネットワーク環境のさらなる拡充です。国内ではすでに3G網をベースとしたネットワークが整備されていますが、通信量が飛躍的に増えるスマートフォンを業務で快適に使うためには、さらに広帯域かつ高品質なネットワーク環境が求められます。

 現状では、スマートフォンの急速な普及に伴って、3G回線の帯域不足への懸念が強まっています。こうした懸念を払拭できるネットワーク環境が整備されるかどうかが、スマートフォンなどを業務で有効活用するための大きな前提になると思います。

 2つ目は、無線LAN環境の整備です。1つ目に挙げたネットワーク環境の拡充の一環とも言えますが、業務利用において大きな柔軟性をもたらすものなので、あえて1つのポイントとしてピックアップしておきたいと思います。

 無線LANについては早くから活用へ向けた取り組みがなされてきましたが、品質や安全性などに懸念があると見る向きも少なくありません。ただ、今後技術が成熟すればこうした問題も解決されていくでしょう。そうして無線LAN環境が企業、あるいは社会的なインフラとして整備されれば、スマートフォンやタブレット端末、ノートPCの活用範囲は大きく広がると考えています。

 3つ目は、クラウド・コンピューティングの活用です。クラウドサービスはスマートフォンにさまざまな利便性をもたらすほか、セキュリティやICTガバナンスといった観点からもメリットがあります。

 具体的には、クラウド上にデータを蓄積することにより、個々のデバイスにデータを保存する必要がなくなります。これはセキュリティやICTガバナンスの観点から大きなメリットになります。さらに企業が持つICT環境のクラウド化が進めば、業務におけるスマートフォンの適用範囲は大きく広げられるでしょう。アプリケーションの配布や統制の観点からもクラウドは有効です。

 4つ目は外出先での電源の確保です。これはかつてノートPCが普及してきた頃にも指摘されてきた問題で、本格的なスマートフォンの業務利用を阻害する要因となりかねません。特にスマートフォンを業務で多用するようなケースでは、意識すべき課題となるでしょう。