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法人のお客さま総合 > ICT Business Online > ICTトレンドゼミ > 企業におけるソーシャルメディアの活用(後編) 2.皮膚感覚で理解することが、ソーシャルメディア活用への近道
2011年7月20日公開
−−企業におけるソーシャルメディアの利用で、非難や批判のコメントが大量に書き込まれる「炎上」と呼ばれる事態が発生することがあります。このような事態を起こさないためには、どうすればよいのでしょうか。
ソーシャメディアは普段着のコミュニケーションの場です。そのような場にあって、普通の感覚で考えれば不快だろうということを平気でやっている企業があります。たとえば、受け手の気持ちを無視した同じ文言のメッセージを、Twitterで繰り返し発信するといった行為などが挙げられます。コミュニケーションの場でこんなことをしたら嫌われてしまうのは当然ですよね。これらは、ソーシャルメディアを利用したことのない人が考えたから発生したと思えます。
インターネットが普及した直後、いわゆるWeb 1.0と言われていた時代は、企業のネット戦略はほとんどマスメディアの代替物として扱われてきました。たとえば企業の公式サイトなどは、トップページから、会社概要、そして商品紹介と一方的にメッセージを発信するもので、従来の会社案内のパンフレットとは内容的にあまり変わらないですよね。
あの時代のWebサイトは誰にとっても理解しやすいものでしたが、ソーシャルメディアのように完全に双方向化されると、比喩できるようなメディアが過去にないため、想像することが難しくなります。
ソーシャルメディアを企業が活用するには、企業の中にいる個々人がまずは実際に使って皮膚感覚で理解することが重要です。使わずに理解するのは困難ですし、実際に使いこなしている人とのソーシャルメディアデバイド=格差は大きくなっていくでしょう。
また、ソーシャルメディアの活用については、なかなか上層部に理解されないという声も聞きますが、現在ソーシャルメディアを活用している一番上の世代が、30歳代後半のデジタルネイティブ世代ですので、あと10年もすれば企業の決定権を持つ層に到達します。その頃には、上層部におけるソーシャルメディアへの無理解というのは問題にならなくなっているでしょう。
−−ソーシャルメディアによるマーケティングを通じて顧客とのエンゲージメントを実現し、信頼を得るためにはどういった考え方が必要になるのでしょうか。
ソーシャルメディアでエンゲージメントを実現していくためには、先にお話したように公ではなく私の部分でコミュニケーションすることが重要です。その私としてソーシャルメディアを利用してコミュニケーションするには、まずは企業アカウントではなくても、個人として、やはりソーシャルメディアサービスを実際に使って理解するしか方法はありません。また、ソーシャルメディアの進化は激しく、次々と新しいサービスが生まれて普及しています。そうした新しいサービスが出たら、とにかくすぐに使ってみるという鋭敏な姿勢が必要だと思います。たぶん10年後には淘汰されて落ち着くでしょうが、現状は少し軽薄なぐらいすぐに飛びつく姿勢が必要です。
ただし、ソーシャルメディアに興味がなければ使っても楽しくないでしょう。単に使うというのではなく、仕事や趣味など自分が興味のある分野を知るためなど、目的を持って利用すれば、ソーシャルメディアへの理解が深まり、そこで有意義な体験ができるはずです。
よく取材やインタビューなどで「Web業界で先端的と言われる人たちはどこにいるのか?」と聞かれます。確かに私はそういう人たちをたくさん知っていますが、それを知らないのはそもそも興味がないからではないでしょうか。興味があって知りたいと思えば、探すことはできると思いますし、ソーシャルメディアはそのためにとても便利だと思います。
つまり探そうとせず、遠くから第三者的に情報を仕入れたいと思っているだけでは、ソーシャルメディア時代にいい情報を入手するのは厳しいかと思います。また、仮にそういう人がその場所を知ったとしても、参加しなければ結局信頼されません。当たり前の話ですが、信頼されるためにはまず参加することが必要です。