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最先端のICTトレンドを深く理解する ICTトレンドゼミ〜プロフェッショナルに聞く〜

2010年12月8日公開

ICTトレンドゼミ
ハイブリッドクラウド活用の視点(前編)
西脇資哲氏

2.クラウドが実現するさまざまなメリット

−−具体的に、どのようにクラウドを利用すれば新たな価値が創造できるのでしょうか。

 最近マイクロソフトが積極的に提案しているのが、膨大な計算能力を必要とする「ハイパフォーマンスコンピューティング」分野でのクラウドの活用です。

 金融業界でのリスク計算、あるいは製薬業界における創薬のためのシミュレーションなど、高度な分析を行うケースでは、数百台規模のサーバーを利用しますが、すべてを自社でそろえるのは容易ではないでしょう。今までも、ホスティングサービスで提供されるサーバーを利用するといったことが行われていましたが、特に高度な演算が必要な場合にはこれにクラウドを加えるわけです。

 たとえば、通常ホスティングサービスで200台のサーバーを利用し、処理能力が不足する場合に、クラウドでサーバー500台分の演算能力を借りれば、合計700台分の計算能力を手に入れられます。このように、クラウドであれば必要な時に必要な処理能力を手にすることができます。

−−情報システム部門など、システムの開発に携わる人々にもクラウドは有効なのでしょうか。

 実際にあった例として、オンプレミスの開発のためにクラウドを活用したというものがあります。

 通常、システム構築においては本番環境と同等のサーバー、あるいはデータベースなどのソフトウェアを利用しながら開発が進められます。ただ、エンジニア全員にサーバーやデータベースのライセンスを提供することはコストの観点から難しいでしょう。

 そこで我々が提案したのが、クラウドを利用して開発期間だけサーバーやデータベースを個々のエンジニアが自由に使える環境を構築することです。自分専用の環境で開発が進められるため、高い生産性を実現することができ、目標とした期間内で開発が完了しました。このようにクラウドを利用すれば、企業の体力の大小を問わず生産性の向上に必要なリソースを手に入れることが可能になります。