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最先端のICTトレンドを深く理解する ICTトレンドゼミ〜プロフェッショナルに聞く〜

グローバル事業を支えるクラウドテクノロジー

2012年6月20日公開

グローバルにビジネスを展開する企業にとって、全社的なICT環境の統合やセキュリティを含めたガバナンス強化は喫緊の案件といえます。しかし、その実現にはさまざまな課題が立ちはだかります。こうした課題を解決し、そしてICT環境のグローバル統一を実現した企業の実例について、NTTコミュニケーションズ クラウドサービス部長の田中基夫に聞きました。

1. ICTのローカルマネジメントにおける3つの問題点

田中基夫

――グローバルにビジネスを展開されている日本企業の課題として、どういったことが挙げられるでしょうか。

 私の印象では、ビジネスのグローバル化が進む一方で、ICTシステムについてはそれぞれの国や地域ごとに個別に構築されているケースが少なくないように感じています。その背景として、たとえばその国独自のビジネスプロセスを重視してICT環境を構築したり、ビジネスのグローバル化に伴って海外の企業を買収したものの、ICTシステムは以前の環境がそのまま使われている、などといった事情があるようです。

 このように事業をグローバルに展開している企業でも、ICT環境はそれぞれの国や地域を単位とした個別最適に留まり、全体最適には至っていないケースが多いように見受けられます。それぞれの拠点が自主的にICT環境を運用する体制とも言えますが、実際のところは単に現場任せになってしまっている場合も多いのではないでしょうか。

――ICTシステムがグローバルで全体最適されていない場合、どういった点が問題になるのでしょうか。

 大きなポイントとして3つ挙げられると思います。まず1つ目は、セキュリティの問題です。とりわけ、ビジネスにとって最も重要なお客さまの情報を守るという観点で、ローカルごとにセキュリティの強度に差があると、安心・安全を担保することができなくなります。

 2つ目は非効率であることです。ローカルなマネジメントとして効率化を進めても、それはグローバルな観点から見れば部分最適に過ぎません。たとえば個々の拠点ごとにICT環境を構築した場合、システムの重複が発生するのは避けられないわけです。

 そして3つ目の問題は、ICTシステムがローカルなマネジメントのままだと、グローバルで共通したビジネス展開が図れないことです。ビジネスの軸となる業務プロセスは、今ではICTシステム上に構築されています。つまりICT環境が異なれば業務プロセスの共通化を図ることも難しくなり、グローバルでの事業展開を妨げる要因になる可能性があります。これはグローバル企業にとって、大きな問題だと思います。