法人のお客さま総合 > ICT Business Online > ICT用語ガイド > GUIDE 040 Wolfram|Alpha

ICT用語ガイド

GUIDE 040 Wolfram|Alpha

〜検索サービスの次なるステップ〜
2009年10月21日公開

パート2 Wolfram|Alphaを通して展望する「検索ビジネスの今後」

世界中から注目されたWolfram|Alphaが、まだ完成形に至っていないことは前ページで触れた通りです。では、いったい検索サービスはこれからどのような未来を迎えるのか?現状のサービスが乗り越えなければいけない課題とは何なのか? これらについて、ITジャーナリストの佐々木俊尚氏にお話を伺いました。

「何を質問すべきか」がわからない人には何も答えない。
それが現状の検索サービス


佐々木俊尚氏

佐々木俊尚(ささき・としなお)氏
1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部中退。毎日新聞東京本社社会部で警視庁の捜査一課、遊軍などを担当し、その後アスキーに移籍、「月刊アスキー」編集部などを経て、現在フリージャーナリストとして、週刊誌や月刊誌などで活動中。「次世代ウェブ グーグルの次のモデル」著者
http://www.pressa.jp/profile.html

Q まずは佐々木さんがWolfram|Alphaの登場をどう捉えているのか、教えてください。

佐々木 「可能性は非常に高い。しかし、現段階ではまだよくわからない」というのが私の感想です。なぜならばWolfram Researchグループは数値データを扱うフィールドで高い成果を上げてきた企業であり、その計算に関わる能力を見事に発揮したサービスです。ただし、理数系ではなく人文系の知識の蓄積が現状では不足しています。今は、まずこの課題を乗り越えてから、という段階だと思います。

私としては、Wolfram|Alphaの登場は評価しつつ、それとは別の次元で、検索サービスの将来を考えるべきだと思うのです。

Q 検索サービスの将来像とは、どのようなものなのでしょう?

佐々木 たとえば私の母のように、ITサービスを頻繁には利用しないようなユーザーが、既存の検索サービスを利用した場合どうなるか? 「自分に最適なデジカメを見つけて、それを購入したい」と考え、「デジカメ」をキーワードにしたとしましょう。当然のごとく、デジカメに関する膨大な数のサイトが検索結果として一覧表示されます。これでは、予備知識のない母はお手上げなのです。この状態は、いわゆる情報爆発と情報ノイズの過多。その中で、スキルを持たない人は戸惑ってしまうのです。

これが、もしも店舗に出向いて、店員さんに相談すれば「ご予算は?」「どういうデジカメがお望みで?」と向こうが質問をしてくれて、最適なカメラを見つけることに近づいていきます。今のインターネット検索には、このような店員さん並みのサービスは不可能なのです。

つまり、「うまく質問することができない人には、何も答えていないのと同じ」という問題点があり、質問者にスキルを要求するレベルにしか到達していない、というわけです。

このページのトップへ