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法人のお客さま総合 > ICT Business Online > ICT用語ガイド > GUIDE 026 仮想化技術を知る
パート1 「仮想化」技術のキホンを知る
現在、急速に注目を集めている「仮想化」というシステム基盤技術。サーバー統合、システム移行など、さまざまな企業が導入を本格化させています。ここでは、サーバーの「仮想化」を中心に、「仮想化」の基本をわかりやすく解説していきます。
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「仮想化」とは、コンピュータシステムを構成するハードウエア・リソースを、物理的構成に拠らずOSやアプリケーションへ柔軟に割り当てる技術のことです。サーバーの「仮想化」であれば、"物理的に"1台しかないサーバーを"理論的に"複数台のサーバーのように扱うことが可能となり、異なるOSやアプリケーションを1台のサーバーで稼働させることができるようになります。
ここ最近、頻繁に聞くようになった言葉だけに「仮想化」を先端技術だと捉えている人もいるかもしれません。しかし、そもそもの発想と実用の起源を振り返ると、驚くほど昔から存在していました。メインフレーム・コンピュータの領域などではすでに1960年代後半には現実化。つまり40年以上も前に登場していたことになるのです。
では、なぜ今この「仮想化」が注目されるのかといえば、企業経営が世界規模で激しい競争を続けていることが背景にあります。加えて、高性能なコンピュータ(デュアルコアなどの複数CPUコアを搭載するパラレルコンピュータ)や、高速ネット(ギガビット・イーサネットなど)の発達も「仮想化」を後押ししています。
VMware、Xenなどの仮想化ソフトウエアも進化を遂げました。4月16日には、仮想化機能を盛り込んだサーバーOSのWindows Server 2008も登場。多くの企業が、こうした技術進化を効率的に活用することで、ビジネスの競争に打ち勝とうとしているのです。より合理的で、低コストで、スピーディーかつ柔軟なICTインフラの構築を目指す…そんな目的に当てはまる技術が「仮想化」だったのです。
「仮想化」の中でも、現在、特に注目を集めているのがサーバーとストレージの「仮想化」。サーバーの「仮想化」では、1台のサーバーマシンであっても、複数のサーバーを動かしているのと同等の情報処理を仮想化技術が可能にします。「仮想化」によって稼働するサーバーの数を、処理能力を落とすことなく減らそうという動きが目立っているのです。
サーバーの「仮想化」によって、企業経営にさまざまな効果がもたらされています。最も注目したいのが、多数のサーバーが占有していた空間を減らせること。ハードウエア設置用に今までのような広いスペースを必要としなくなれば、空間の維持管理にかかっていたコストが削減できます。加えて、サーバーや空調などの機器が消費する電気代などのランニングコストを減らすことも可能。例えば、サーバーの統合によって電力消費量が約20%に削減可能だという試算が出ています(右図参照)。昨今の重要な経営課題の1つである「グリーンIT」という観点でも、そのメリットは大きいのです。
ハードウエアの物理的な数が減るということは、保守管理の手間も基本的に減ります。管理するために要していたコスト、例えば人件費の削減などにもつながっていくのです。もちろん、「仮想化」したサーバーにも、管理は必要なのですが、最近では管理ツールが進化したことで集約化・統合化が容易になっているのです。
「経営の効率化」と、それによる「コスト削減」は、企業にとって常に追いかけなければいけない課題。仮想化技術の導入は、そうした課題を解決するものとして期待されています。
従来のビジネス・コンピューティングにはいくつもの無駄がありました。たくさんのサーバーやストレージを用意していても、それらがフルに活用される時間帯はわずかでしかありません。24時間、あるいは365日というベースで平均化して利用効率を見ると、15%程度の非常に低い状況となっていると言われます。
だからといって「思い切ってマシンを減らせばいい」というわけにもいきません。ビジネスのピーク時には多くの人が同時にコンピュータを使います。その時に必要となるリソースを想定して、企業はICT投資を行っているのです。どんなに平均利用効率が低くとも、いざという時にパフォーマンスが低下してしまっては、本末転倒です。
しかし、サーバーの統合を「仮想化」によって行えば、サーバーの台数を減らしても管理ツールが常にCPUを監視し、「必要なシステムリソースを最適にアプリケーションへ割り当てる」ことができます。特定の時間帯や時期にしかフル稼働しないサーバーをいくつも抱えるよりも、そのリソースの平均稼働率を上げることで高いパフォーマンスを維持できるのです。
現代のように経営環境が変化しやすい時代には、セキュリティ対策も含め、柔軟に変化、変更できるICT環境が望まれています。データの移行やバックアップが容易となる仮想化技術は、これらの視点からも期待を集めています。
決して画期的で新しい発想ではないのですが、関連技術の進化などもあって、その多様な可能性で仮想化技術は注目されています。もちろん、解決していかなければならない課題はあるものの、今後も企業活動を支える重要な技術として、進化・発展を遂げていくでしょう。

セキュリティ、ニューラルコンピューティング研究の第一人者。1983年より南フロリダ大学や南カロライナ大学助教授、ケースウエスタンリザーブ大学准教授を歴任。日本で最初にインターネットを本格的に紹介したことでも有名。今回号から、ICT用語ガイドのアドバイザーを務めていただきます。
仮想化技術(バーチャル化技術)は、現代の社会においてたいへん重要なソフトウエア技術です。ホストOS上でゲストOSを稼働するのが「ハイパーバイザー」と呼ばれる技術ですが、今後はこの「ハイパーバイザー」の技術競争が激化していくものと考えられています。これまでの主流はVMware社によるツール、あるいはオープンソースのXenでした。しかしサーバーOSとして圧倒的な力を持つマイクロソフトが、Windows Server 2008から、「Hyper-V」というソフトを投入するとも言われていて、今後はオープン、クローズによる三つ巴の競争になります。仮想化技術(バーチャル化技術)の導入を考える企業としては、これらの動きにも注目していくことが重要になるでしょう。
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