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法人のお客さま総合 > ICT Business Online > ICT用語ガイド > GUIDE 007 BCP(Business Continuity Plan) 事業復旧に向けた緊急時の対応を事前に明確化
2012年3月7日公開
2011年3月の東日本大震災の発生により、改めてその重要性が認識されることになったのがBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。地震や津波、洪水、インフルエンザなどの感染症の流行、あるいは大規模なテロなど、企業の活動を脅かす予測困難な災害にはさまざまなものがあります。こうした事態に直面した際、従業員や資産の安全を確保し、事業の継続、あるいは早期の復旧を実現するための計画をBCPと呼びます。
BCPを事前に策定しておく目的として、事業継続が困難となる事象が発生した際に、必要な対策を迅速に実行することが挙げられます。自然災害や大規模感染、あるいはテロの発生を事前に予測することは困難です。このため、事前に予兆を察知した上で、発生するであろう事象に合わせて対策を検討する、といった時間はないと考えるべきです。そこで平常時から事業の継続が困難となる事態を想定し、実際に発生した場合にはどのように対応するかをBCPとして策定しておくことが重要になるというわけです。
なお、BCPに似たものとして「防災マニュアル」が挙げられますが、いくつかの点で両者は異なっています。防災マニュアルが主眼を置いているのは災害時における人命の安全確保や被害の軽減ですが、BCPではそれに加えて事業を継続するための取り組みが含まれます。つまり災害時の安全管理に加え、企業を存続するために必要な対応を計画するのがBCPになるというわけです。
それでは、具体的にどのようにBCPの策定を進めていけばよいのでしょうか。これについて中小企業庁が公開する「中小企業BCPガイド」では、以下の5つをポイントとして挙げています。
緊急事態が発生した際、たとえば従業員の一部が出社困難となったり、あるいは工場の一部が使えなかったりと、平常時と同じように操業できないことが予想されます。そのため、まず自社の中核事業が何かを見定め、限りあるリソースをそこに集約することを考えなければなりません。さらに中核事業を復旧するまでの時間を定めておくことによって、何をいつまでにすべきかを明確にすることができ、具体性のある計画の策定することが可能になります。
多くの事業は自社だけで成り立つものではないことを考えると、災害時における対応について顧客や取引先と協議しておくことも大切です。具体的には目標復旧時間のすり合わせや災害時の連絡手段、復旧に向けた相互協力などについて確認することなどが考えられます。
大規模な震災が発生した場合には、オフィスや工場などが使えなくなることも想定されます。そのため、オフィスを別の場所に移す、あるいは工場を分散することによって被災時の影響を軽減するといった対策を検討する必要があります。そして災害時にBCPに沿って迅速に対応するためには、BCPの内容を従業員全員で共有することも欠かせません。
BCPの策定を進める中で、ICT環境の保護についても検討する必要があるでしょう。業務のさまざまな領域で使われるようになったICT環境が災害によってダメージを受けた場合、事業継続に大きな支障が出る恐れがあるためです。
被災時のICT環境への影響の1つとして、重要なデータの喪失が挙げられます。たとえば過去の財務情報や顧客データ、商品開発や製造のための資料が失われた場合、極めて大きな影響が生じる可能性があります。こうした事態を防ぐため、単にデータをバックアップするだけでなく、バックアップデータを保存したメディアを遠隔地に保管するといった対策が必要になります。なお、以前はテープメディアにデータをバックアップし、その後テープを遠隔地に輸送するといった方法が採られていましたが、現在では運用の手間を軽減することなどを目的に、VPNサービスなどを利用したネットワークによる遠隔バックアップが広まっています。
重要データのバックアップに加え、業務を遂行するために必要なシステムの保護も検討していきます。たとえデータが保護されていても、会計や生産管理、顧客管理といった業務に必要なシステムを利用できなければ、事業の迅速な復旧が困難になるためです。
システムを保護するための方法の1つとしては、災害に強いデータセンターの活用が挙げられます。システムを実行しているサーバーをデータセンター内で運用しておけば、仮にオフィスが被災しても、別の拠点からデータセンター内のサーバーに接続してシステムを利用するといったことが可能になります。また堅牢なデータセンターで運用されている、クラウドサービスを活用することも災害対策として有効です。