今やアメリカから洋書を買うほうが、日本国内で新刊書をオーダーするよりもずっと早く、現物を手にいれられる、という現実をご存じだろうか。インターネット・ブックショップのおかげである。
昔は、洋書店に本をオーダーすると、到着まで早くて三か月かかった。本を書く資料に使おうとしても、これでは間に合わない。仕方がなくて、ボストンバックを二つ担いで、アメリカやフランスに本の買出しに出かけた。
ところが今は違う。新刊も古本も、世界じゅうの本がネットに載りだした。検索エンジンも一気に充実し、二十年間捜していた洋書もすべて揃ってしまった。もう洋書は、ぜんぶ自分の手の内にあるといってよい。どこに何があるか、いつでも分かるし、いつでも買える。
だが、問題は日本の本だ。 古本はともかくとして、新刊はあいかわらず捜しにくいし、オーダーしても時間がかかる。新聞雑誌に毎日のように載る新刊書評にしても、デジタルへの蓄積はまるで進んでいない。むろん、検索システムもない。
こういう惨状だから本が売れなくても当然だと思っていたら、大学や図書館に所蔵される膨大な本のありかを強力に検索してくれるシステムができた。Webcat Plus(http://webcatplus.nii.ac.jp/)だ。何がすごいといって、これは書名が分からなくても適切な本を選びだしてくれるのだ。連想検索が利くのだ。たとえば水族館の本にどんなものがあるか、知りたくなったとしよう。「水族館」と入れて全文検索するのが、ふつうの方法だが、この「ウェブキャットプラス」を使うと、「魚を飼う」や「熱帯魚」、さらに「江ノ島」までが出てくる。これは便利この上ない。
今後、連想する語が充実し、ブックデータの情報力が高まれば、「鮎」と入れただけで、魚種としてのアユから始まって、アユ料理、アユ釣りの川、そして鵜飼やアユの出てくる文学までが、一瞬のうちに検索できるようになるだろう。非常に優秀な書物コンサルタントを雇ったのと同じ効果がある、と確信している。
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