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荒俣宏のITコラム
第2回 売り手に回る
2003年02月28日
 ご多聞に洩れず、インターネット生活を始めると、どうしてもオンライン・ショッピングを経験せざるを得なくなる。
 買うほうは、クレジットカードやデビットカードなど便利な決済法があるので、オンライン上でも支障なく実行できる。けれどもインターネットがもたらした最大のメリットは、わたしたち個人が買い手であるばかりでなく売り手にもなれる、ということだろう。これまでは商売を始めるとなると、店を構えるか、カタログを大量に印刷して駅前で配る、などという重労働が必要だった。ところがインターネットにサイトを開けば、店を一軒持つのと同じ効果が得られる。

立場の逆転

 こうして、わたしも、オンライン・ショッパーからオンライン・セラーへと立場を移しつつあるのだが、売り手になると即座に問題になるのが、代金の回収法だ。品物を売ったはよいが、代金の回収は思うにまかせない、という不満もよく耳にする。店を持っているわけでもない個人には、クレジットカードでの支払いを受けられない。

 ところが、アメリカではここ数年のあいだに、オンライン決済が飛躍的に簡単になった。一個人でも相手のクレジットカードから代金を引き落とせるようになった。そのカラクリは、仲介会社がいちど間(あいだ)にはいり、買い手側のクレジットカードから代金を引き落として、それをこんどは売り手のわたしの口座に入金してくれるのだ。手数料は取られるが、これで面倒だった海外でのオンライン売買も即座にクレジットカードで実行できるようになった。もう、個人輸入などということは、ふつうのできごとになった。

オンライン・ショッピング

 四年ほど前は、国際郵便為替を組んで、いちいち相手に送ったり、送ってもらったりしていたが、これは大変な手間だった。日本国内のオンライン・ショッピングも、今後急速に便利な決済法が導入されるにちがいない。だれもが売り手になれる日も、きっと、近い。

荒俣 宏
1947年、東京都生まれ、慶応大学法学部卒業。
コンピュータ・プログラマーを経て執筆活動に入る。代表作である「帝都物語」シリーズは350万部のベストセラーとなり、87年に日本SF大賞を受賞。知識と興味は幅広く、博物学からITまで、古今東西の事象に対する博覧強記ぶりで知られる。2000年に行なわれた「インパク」では、総合案内などを担当する編集長をつとめた。
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2003年02月28日 第2回売り手に回る