CDの輸入販売一本に絞るキッカケになったのは、1998年の冬、東京のレコード・チェーン店で開いたポーランド・ジャズ・フェアの成功でした。大儲けとはとてもいかなかったけれど、少なくともその利益で2カ月間は食える。次の目安は何もないけれど、2カ月食えれば何とかなるだろうと、まるっきりアバウトな出発でした(笑)
SOHOとしてスタートしてからは、できることは何でもやりました。人を雇うほどの余裕はないですから、昼間はレコード店の担当者と交渉をし、夜は海外のレコード会社とやりとりをする。合間に新譜やアーティストの紹介記事を書き、発送のための荷造りをする。そのまた合間に新譜を試聴し、さらには資金繰りに走り回るといった具合です。むろん問い合わせやクレームへの対応も、仕事のうち。こだわりの強いジャズファンと電話で1時間やりとりしていたら、その日の発送ができなくなってしまった、なんてこともありましたね。
仕事を始めてから聞いたCDだけでも、多分2000枚近くになると思います。最初の5秒間聞けばいいかどうかわかる、と選択眼には自分なりの自信はもっていましたが、商売はそう甘くはありません。特に最初の頃は、これは売れると1000枚輸入したのに半分も売れなかった、といった苦い経験もたびたび。今でも数百枚のCDが眠っています。最近、読み違えが少なくなったのは、自分なりに市場を読む目が備わったから。少しは商売上手になったと自負しています(笑)