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ビジネスIT化支援クローズアップ 第2回 独立開業を応援 11月1日はSOHOの日
2003年10月27日
「ビジネスIT化支援クローズアップ」の第2回目は、先頃制定された「SOHOの日」について、制定の趣旨や今後のSOHOのあり方について水野雅弘氏にお話を伺いました。
はじめに
 いわゆるSOHOと言う言葉は、「Small Office Home Office」(スモールオフィス・ホームオフィス)の略で、IT(情報通信技術)を活用して事業活動を行っている従業員10名以下程度の規模の事業者と定義されています。主にクリエイター、フリーランサー、ベンチャー、有資格者、在宅ワーク等が対象で、国内約500万事業所(内法人:188万、個人:315万)、約1500万人以上が就労し、SOHO事業維持経費(損金)市場は約21兆円規模と推定されています。
(日本SOHO協会公式ホームページより引用)

 「SOHOの日」はそんなSOHOと言うワークスタイルを応援すべく、実行委員会を中心に各省庁・関連団体の後援を受け制定されました。11月1日とされているのは、自分らしく生きる「アイデンティティ=Identity」、独立・自立した生き方を示す「インディペンデント=Independent」、個人・個性ある生き方を示す「インディビジュアル=Individual」の3つの“I(アイ)”を数字になぞらえ11月1日に白羽の矢が立てられたからです。

 今回は、「SOHOの日」実行委員会委員長 水野雅弘氏((財)日本SOHO協会 専務理事/(株)テレフォニー代表取締役)に、SOHOの日制定の趣旨及び今後のSOHOと言うワ-クスタイルのあり方について、お話を伺いました。

SOHOの日制定の趣旨と今後のSOHOのあり方について
水野雅弘氏 写真
水野雅弘氏
「SOHOの日」実行委員会委員長 (財)日本SOHO協会 専務理事/(株)テレフォニー代表取締役
−「SOHOの日」制定の趣旨についてお聞かせください

 「まずSOHOと言うもの自体が定義を含めて広くなってきているため、従来のSOHOのイメージである在宅データ入力やWEBと言う業態にとどまらず、今後企業をスピンアウトされた方やシニアの方などを含めて、新しい就労スタイルが急激に増加していくと思われます。
 終身雇用制度が崩壊しつつある中で、その新しい就労スタイルの中での個人であるとかSOHOと言うワークスタイルの方々を支援すべく、社会的信用力の向上や支援する団体の連携であるとか、もしくは国の政策であるとかを促進していくために、国民全体が自立していくような日を制定したいと言うところから、今回のSOHOの日制定にいたりました。」


−SOHO、独立起業と言うワークスタイルの中で、課題としてあげられるものの中に「社会的信用力の確保」やそれに伴う資金の確保などがありますが、今後官民がどういった取り組みが必要とお考えでしょうか?

 「税制の見直しや、年金の制度なども当然考えていく必要はありますし、保険や、資金の借り入れ、いわゆるマイクロローンと呼ばれる小規模融資自体を図るためには、シビアな言い方をすればSOHO事業者の方々を、横断的に評価判定をしていく、経済産業省が発表したITスキルスタンダードのような官民一体の、業種・業態に応じた新しい評価制度が必要だと思います。また、評価制度には認証だけではなく、財務面・ナレッジ面・クオリティ面を含め、時系列でその事業をモニタリングすることができる制度を整備することが、発注元企業や金融機関等に対しての社会的信用力の確保につながるのではないかと考えます。」


−「SOHO、独立・起業をITと言う側面から見た場合に、どのようにITが整備されていくべきだとお考えでしょうか?」

 「顔の見えるコミュニティ、つまりパートナー探しが重要になってきますので、ネット上で安心して動画などの資料のやり取りができる、例えば一つの受注案件を複数で請け負う際のマネジメントやコラボレーションにおいて、ITが重要な役割を果たすと思います。
 もう一方は、モバイルワーカー的に、社長自らがアクティブに動き回られていることが多いですので、自分に関わる仕事の情報(入出金の情報など)をリアルタイムで入手することが必要になってきます。
 入出金の確認をしつつ、営業活動をしつつ、管理業務も行わなければならない、いわばスーパーマンのような方々が、ホットスポットに代表される無線LANなどによるユビキタス社会の到来の中で、外にいてもどこでも欲しい情報が入手できるアプリケーションが重要になってくると思います。」

 より具体的な方向性として水野氏は、「SOHOの役割や労働力の推進」、「少子高齢化に伴うSOHOによる労働力の確保」、「若年層の独立・起業の意欲促進」、「ブロードバンドを活用した地域就労モデルの確立」、「高い技術力、スキルを持った早期退職者や定年退職者のナレッジ・ノウハウの他企業への活用によるベンチャー・中小企業の活性化」、「SOHOの社会的信用力の確保」と言う6つのポイントを挙げられ、今回の「SOHOの日」制定を契機に、これらを官民一体となって促進していきたいと話されました。

各種イベントなどの情報
 11月1日の「SOHOの日」制定や10月10日から11月20日にかけての「SOHO月間」が始まったことにより、賛助企業や各金融機関においてもSOHO、独立・起業を支援する新たなサービスの検討が活発化してきているようです。スルガ銀行など、地銀による融資面での優遇サービスの提供などが始まりつつありますし、各種イベント・セミナーが全国のSOHO関連団体主催により開催されています。 詳しい情報はこちら >> http://www.soho.tv/html/guide.html

 実行委員会においてもメインイベントとして、「SOHOの日」当日に、「第1回 『SOHOの日』 制定記念式典」や『「SOHOの日」ロゴマークコンテスト』授与式などを主催するとともに、アメリカにおけるフリーエージェント(独立・起業)の第一人者であるダニエル=ピンク氏を講演に招いています。ダニエル=ピンク氏は、クリントン政権下でゴア副大統領の主席スピーチライターを努めた事があり、代表的な著書として、「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」があります。(フリーエージェントの実態を調査したレポートである本書は、内容もしかり、スピーチライターであった著者の巧みな文章の展開の巧さにより、読みやすい内容になっています。ダイヤモンド社から出版されていますので、SOHOや独立・起業を考えられている方は是非一度手にとってご覧になることをお勧めします。)

 盛り上がりを見せる「SOHOの日」や「SOHO月間」。今後ますます増えるだろうと予想されるSOHOと言うワークスタイルにおいて、今回の「SOHOの日」制定は、その方向性に大きな影響を与えるものになると思われます。SOHOを考えている方も、既にSOHOとして働かれている方も、11月1日は、イベントやセミナーに参加したり、節目として今後のビジョンについて改めて考えてみるのはいかがでしょうか?