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必ずおさえておきたい、IT時事ワード
第3回「Wiki」「グリッドコンピューティング」「地上デジタル放送」

2005年03月07日

Wiki

 「Wiki」とは、簡単にWebサイトを作成するためのツールの一種。複数のユーザーが共同でサイトを管理・編集できる仕様になっているのが大きな特徴だ。

 通常、サイトを作成するには、HTMLという言語でページの内容を記述し、FTPというデータ転送方式で、そのデータを管理するWebサーバというコンピュータに送信しなければならない。そのため、特別な知識やソフトを持っていない人が作成するには骨が折れる。

 ところが、WikiをWebサーバに組み込んでおくと、インターネットの掲示板に書き込みをするのと同じように、フォームに文字を入力するだけでサイトを作成できる。また、独自の「整形ルール」が定められており、文字列中にリンクを埋め込んだり、リストを作成するのも簡単だ。

 しかも、掲示板の場合、書き込んだ時間ごとに記事が並び、他人の記事は編集できないのに対し、Wikiは、通常のサイト同様、すべてのホームページが並列で扱われ、誰が書いた記事であっても管理、編集できる。「ウィキペディア」(http://ja.wikipedia.org/)というサイトでは、この「誰でも自由に編集できる」というWikiの特徴に注目し、ユーザー投稿型の百科事典を作成するプロジェクトを展開している。その道の専門家やマニアの手によるディープな情報をチェックしたり、自分の知識をみんなの役に立ててもらったりと、単なる情報提供だけでなく、プロジェクトを通じてユーザー同士が連帯できるユニークなサービスだ。

 なお、Wikiはハワイ語の「Wikiwiki」が語源で、その意味は「速い」「形式に囚われない」。文字通り、手早く、形式に囚われないサイトが構築できるのだ。
それでは実際に使ってみましょう!Let's Try!
新規プロジェクトの情報交換用ホームページを作るんだって?
それなら、Wikiを使ってみるといいよ。社員全員が簡単に書き込みできるようになるから。
チヤホヤ度

グリッドコンピューティング

 「grid」とは「格子状の」、「computihg」とは「コンピュータの使用法」のこと。「グリッドコンピューティング」とは、インターネットなどを通じて、複数台のパソコンを「格子状」に接続し、それら全体のマシンパワーを高度な情報処理や計算用の「コンピュータとして使う」ことをいう。1台ごとのパソコンのマシンパワーが低くても、それを大量に持ち寄ることで複雑な作業も可能になるというわけだ。

 例えば「SETI@home」(http://www.planetary.or.jp/setiathome/home_japanese.html)というプロジェクトでは、家庭用パソコンが使われていない時に、そのCPUパワーを拝借し、宇宙の電波を探索。地球外生命体との通信を試みている。インテルと欧米の科学研究団体は、数百万台の家庭用パソコンのCPUパワーを使うことで、白血病の進行を促進するタンパク質を特定し、治療薬を作る「白血病解折プロジェクト」プロジェクトを行っている。国内にも参加している人たち(http://p-q.hp.infoseek.co.jp/project.htm)は多い。また、企業のWebサーバ同士を接続し、一方のサーバに負荷がかかった時、一時的にもう一方のサーバを間借りするというようにビジネスシーンでの利用も検討されている。

 なお「SETI@home」や「白血病解折プロジェクト」への参加の方法はいたって簡単。上記サイトから専用ソフトをダウンロードし、インストールすればOKだ。すると、自動的にインターネットに接続し、CPUの空き部分のパワーをプロジェクトに提供できるようになる。
それでは実際に使ってみましょう!Let's Try!
グリッドコンピューティングを導入すると、いろんな処理にかかる時間を短縮できるから、生産性が大幅にアップするらしいけど、きっと、短縮された時間分だけ、別の仕事で忙しくなるんだよなぁ……。
チヤホヤ度

地上デジタル放送

 ここ数年、テレビCMなどで見かけることの増えてきた「地上デジタル放送」。視聴を考えている人もいるのでは?

 これは、その名のとおり、現在普及しているテレビ放送と同じ地上波を使ったデジタル放送のこと。2003年12月から関東、中京、近畿の3地方で、NHK総合と民放キー局各局の放送が開始されており、2006年には全国でも放送を開始。2011年7月には現行の地上アナログ放送を中止し、それまで放送していた番組がすべて地上デジタル放送に切り替わる予定になっている。

 地上デジタル放送は単なるアナログ放送の代替品ではなく、従来の放送では考えられなかったさまざまなことが実現する。例えば、画質と音質。映像と音声をデジタル配信する地上デジタル放送では、映像はMPEG2、音声はAACというDVDビデオと同じ形式を採用している。アナログ放送よりも高画質なハイビジョン放送が受信できる上に、ハイビジョン非対応の番組もアナログ放送より画質、音質はアップする。

 また、1つのチャンネルをハイビジョン番組に割り当てたり、3つの標準画質のテレビ番組に使ったりすることができるため、チャンネル数も増える。さらに、携帯電話などのモバイル端末での受信も考えられており、放送局が分割したチャンネルをテレビ用、モバイル用に割り振り、それぞれで同じ番組を放送すれば、視聴者は場所を選ばず、番組を楽しめるようになる。

 画質・音質が向上し、多チャンネルになり、しかも、テレビ以外でも受信できる地上デジタル放送は、一見いいことずくめに見える。しかし、まだまだ新しいサービスのため、ユーザーフレンドリーでない一面があるのも事実。地上デジタル放送のすべての番組はCPRMという著作権保護技術を採用しているため、地上アナログ放送のように自由に録画することができなくなってしまうのだ。基本的に録画できるのは同じCPRMに対応したHDD/DVDレコーダーのみとなり、また、HDDに録画した番組は、記録型DVDメディアに「移動」することしかできない。つまり、記録型DVDにコピーすると、自動的にHDD上の番組が消去されてしまうのだ。

 また、受信にはアンテナとチューナー(またはチューナー内蔵テレビ)など、専用機器が必要になるため、2011年以降、地上アナログ放送が終了してしまうと、これらの機器を買い足さなければならなくなる。そのため、機器を買い控えるユーザーが増え、普及が遅れるのではないかと見る専門家も少なくない。身近なテレビ放送のことだけに、これからの動向に注目しておいてほしい。
それでは実際に使ってみましょう!Let's Try!
地上デジタル放送のハイビジョンのコンサート中継を一度見たら、もう普通のテレビには戻れなくなるよ。本当に画質と音質にびっくりするから。
チヤホヤ度
成松哲(なりまつてつ)
ライター。パソコン誌、週刊誌、ビジネス誌などIT、ビジネス関連の記事を多く執筆。主な著書に「ヤフる」(共著・毎日コミュニケーションズ刊)など。
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