次に、IP電話の仕組みについて簡単にお話しましょう。
先に書いたように、IP電話は電気信号ではなく音声データのやりとりで通話を可能にしています。そしてこの音声データは、電話回線ではなくインターネット網を流通できるというところがポイントです。つまり、会話で生じた“音声=空気の振動”は音声データに置き換えられたあと、料金のかからないインターネット網へと進めるのです。ここで、下の図をごらんください。
これはIP電話がつながる仕組みを簡単に図にしたものですが、電話の相手もIP電話であれば電話回線を利用することなく、インターネット網のみで音声データを届けられることがおわかりになると思います。
また、相手先が一般電話の場合であっても、音声データは相手の近隣の電話局に置かれているIP電話の設備に入るまでは、無料の公衆網であるインターネット網を通っていけます。
そして、電話局で電気信号に変換されたあと、一般の電話回線を使って相手先の電話まで届けられることになるのですが、それでも利用する電話回線は電話局から相手先の電話までというわずかな距離です。
すなわち、IP電話の料金が安いのは「一般電話回線を利用しないか、あるいは利用しても非常に短い距離だから」なのです。IP電話同士の場合はもちろん、IP電話と一般電話の場合であっても、実質的な電話回線の使用料は相手先での市内通話分だけです。だからIP電話は、日本国内であればどこからどこへかけても、およそ市内通話の料金ですむのです。(※1)
もちろん一切が無料ということではなく、ADSLや光ファイバーなど、インターネットの利用にかかる料金は発生します。しかし、IP電話を利用しなければ「インターネットの利用料+一般電話の通話料」が必要なのですから、ずいぶんとお得です。
さて、これでIP電話の通話料が安い理由はご理解いただけたかと思います。次回はもう少し詳しく、IP電話の仕組みについて見てみましょう。