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デジタル化で変わるテレビ放送 第5回 ケータイで広がるネット放送

2005年10月03日
 ここまでデジタル放送の様々な形態について紹介してきました。最終回は、利用者の多い携帯電話用の動画配信について紹介します。

パケ放題でケータイ動画の需要が高まる

 有料の動画配信の中で、もっとも利用者の増加率が高いのが携帯電話向けの動画配信です。この増加のきっかけとなったのは、第3世代携帯電話とパケット料金の定額制の登場です。第3世代携帯電話(通称3Gケータイ)とは、通話品質の向上や高速なデータ通信、マルチメディアを利用した各種サービスを特徴とする高機能型携帯電話のこと。NTTドコモ、au、ボーダフォンの国内大手3キャリアが現在普及を進めてきており、日経BPコンサルティングが実施した調査「携帯電話利用動向2005」によると、現在の利用者数は3キャリア合わせて28.9パーセントに達したとされています。

 とくに、NTTドコモが3Gケータイ「FOMA」用に始めた定額制サービス「パケ放題」と、動画の配信サービスであるiモーションは、携帯電話用動画の利用者を大幅に増やすきっかけとなりました。iモーションとは、FOMAシリーズ上で動画の再生をサポートした規格のことで、携帯電話の機種に合わせて解像度や動画のデータサイズなどが決められており、動画をインターネットのホームページから携帯電話にダウンロードして視聴できます。3Gケータイの導入でデータのダウンロード速度が向上し、通信料金の定額制の導入により、通信料金を気にせずデータのダウンロードが可能になったことから、動画の配布と再生に対する実用性が高まり、利用者が増えてきたのです。

 携帯電話のコンテンツビジネスの特徴は2割のヘビーユーザーが収益の8割を稼ぐといわれること。こうしたヘビーユーザーは、新しいサービスに対してどん欲であるため、機種や環境の刷新が速いことが特徴です。このため、ほかのカテゴリの商品に比べて新しいサービスを提供する環境が整えやすく、新しいビジネスモデルを模索するのに適した環境であるといわれています。実際、2005年に発売された3Gに対応した携帯電話ではほぼすべての機種で動画再生に対応しています。

ダウンロード型とストリーミング型の違い

 このようなインターネットから動画を配信する方法としては、ダウンロード型とストリーミング型の2種類があります。ダウンロード型とは、動画のファイル全体を自分の利用している携帯電話やパソコンのメモリやハードディスクの中にいったんダウンロードしてから再生する方法のこと。ダウンロードが終了すれば、何度も繰り返して再生できますが、反面、長時間の動画ファイルの場合、全体をダウンロードするまでは動画を再生することはできません。

 ダウンロード型では、商品のサンプル動画のような無料で配布しても問題ないもの、着信音の替わりに電話の着信時に動画を流す「着モーション」のような繰り返し再生するサービスなどに利用されています。また、個人で作成したファイルのほとんどはこの形式で配布されています。

 一方、ストリーミング型は、動画データを受信しながら逐次再生していく方式です。ダウンロード型のように、長い時間待たされることなく再生できるため、大容量、長時間のファイルを再生させてもユーザーの待ち時間を減らすことができるほか、ディスク容量が少なくても利用できるメリットがあります。また、少しずつデータを流すことができるため、ライブ放送のようなリアルタイム性の高いサービスに利用されたり、高画質でかつ長時間の動画の配信に利用されています。

 ただし、再生時にはサーバから動画を再取得する必要があるため、何度も繰り返して再生できません。このような特性を持つため、コピーが行いにくいことから有料サービスを提供するコンテンツ事業者に支持されています。

 携帯電話の動画への対応が普及してきたことにより、携帯電話以外のジャンルの商品でも、携帯電話を意識した商品が増えてきました。例えば、家庭用HDDレコーダーでは、テレビ用の録画と同時に携帯電話で再生できる形式のファイルを作成できる商品、パソコン用のソフトでも、携帯電話に対応した動画を作成できる録画・編集ソフトの新商品が相次いでおり、携帯電話を使った動画市場の広がりはますます加速していくことになりそうです。

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