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デジタル化で変わるテレビ放送 第4回 ハイビジョン放送のコピープロテクト

2005年09月20日

コピープロテクトってなに?

 2000年12月にBSデジタル放送が、さらに2003年12月に東京・名古屋・大阪の一部地域でアナログ地上波放送の代替となる地上波デジタル放送が開始され、本格的なデジタル放送がスタートしました。そして、2004年4月からは、広域で地上波デジタル放送が開始されるのを機に、BSデジタル放送と地上波デジタル放送の無制限の録画・複製を防止するための技術が導入されます。BSデジタル放送と地上波デジタル放送を視聴するためには、専用の受像器に加えて「B-CASカード」と呼ばれるICカードが必要となったのです。

 なぜ、デジタル放送になると、録画の防止やコピーの防止が必要なのでしょうか。デジタル放送では、これまでのアナログ放送に比べると、DVDを上回る高品質放送を行うことができます。また、コピーやデータの移動をしても画質が落ちたりしないことから、ユーザーが自由にコピーやダビングを行うと、オリジナルと遜色のないコピーが広がってしまう可能性があります。すると、コンテンツを提供する権利者が、テレビドラマなどをパッケージソフトとして販売することが困難になり、最終的に利益が上がらなくなり、コンテンツの制作費が減って魅力的なコンテンツの提供が難しくなるからだとされています。これら著作権に関する問題は、後述する視聴者側の使い勝手や普及促進の問題と相まって扱いが難しく、デジタル化されたコンテンツ全般の課題といえます。

 こうしたコンテンツ制作者の意見を受けて、デジタル放送では、コンテンツに合わせて3種類の制限をかけた状態で番組を放送できるようになっています。コピープロテクトを設定せず、自由に録画やデータの移動が行える「コピーフリー」、一度だけ録画が可能な「コピーワンス」、そして録画もできない「コピーネバー」と呼ばれるものです。

カード1
カード2
デジタル放送に対応した機器を購入すると、写真のようなB-CASカードが添付されている
 このコピーワンス方式もしくはコピーネバー方式に対応した番組では、この制限を解除するキーがないと、視聴や録画を行うことができなくなるのです。そして、そのキーこそがB-CASカードです。B-CASカード自体は、デジタル放送に対応したテレビやチューナーといった機器を購入した場合に機器の中に入っています。デジタル放送対応機器とB-CASカードには、個々にIDが振り分けられており、このIDをインターネットなどを経由して認証させ、個人を特定できるようにすることで、前回紹介したような双方向サービスなどが受けられるようになります。

 一方、B-CASカードを利用していない放送もあります。ブロードバンド放送の放送型サービスでは、モデムや専用端末といった個別の機器ごとに認証を行う方式も採用されています。またVOD(ビデオ・オン・デマンド)などの場合は、ショッピングサイトのようにユーザー名とパスワードで認証する方式もあります。
B-CASカード入れないと、画面のような表示になりテレビを視聴できない

コピープロテクトがサービスの発展を妨げる?

 こうしたB-CASカードによるコピープロテクト導入後、HDD/DVDレコーダーやデジタルVHSなどの録画機器がうまく利用できないといったトラブルが増えています。例えば、ビデオデッキで録画した番組のCMなどをカットして長期間保存しておきたい、という人も多いと思います。コピーワンスは、前述の通り一度だけ番組を録画することが可能ですが、デジタル録画した番組にCMのカットなどの編集を加えようとしても、内部でコピーの工程が発生してしまい、コピーワンス制限にかかって編集できないのです。

 こうした制限は、ケータイなどで利用されるminiSDカードなどのメディアに保存する場合も同様で、デジタル放送ではコピーが存在することができないため、一度デジタル放送を録画した番組をケータイ用の画質の悪いminiSDカード用の動画に変換してしまうと、オリジナルの高画質なデジタル放送番組は消えてしまうといったことも起きています。本来、放送のデジタル化によってアナログ時代に比べてより便利になるはずが、コピープロテクトにより、デジタル放送はアナログ放送に比べ使い勝手が悪くなってしまった点も多いのです。

 こうした視聴者の不満が増えると、放送のデジタル化への移行を妨げる可能性が高いと判断した総務省は、2005年7月末、こうしたコピーワンスによる制限に対して、見直しをかけるという発表を行いました
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050729_11.html)。具体的な内容はこれからで2005年内に結論を出すとのことですが、よりデジタル放送のメリットを活かした仕組みになることを期待したいところです。

  次回は、ケータイなどのモバイル機器でのコンテンツサービスの方向性について紹介します。

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