
近年、携帯電話の普及率は急激に伸びています。携帯電話とサービスの発展が利用者数増加に繋がっています。今回は、携帯電話の進化とともに普及率について紹介します。
2008年8月5日
国内の携帯電話の原点はNTTから1985年(昭和60年)に登場したショルダーホンです。このショルダーホンは初めて電源とアンテナを一体化して本体に内蔵することで、単独で持ち運ぶことができるようになったのです。本体重量は3kg、その名のとおり肩から下げて持ち運ぶほどの巨大なものでした。
初めて「携帯電話」という名称が使われるようになったのは1987年(昭和62年)。その携帯電話の最初のモデルである「TZ-802」は重さ約900g、連続通話時間約60分、連続待受時間約6時間というものでした。

翌年の1988年(昭和63年)に日本移動通信(IDO)が、1989年(平成元年)にはセルラーグループが携帯電話サービスに参入しています。この時点での普及台数は約24万2000台です。携帯電話の普及の転機となるのが1991年(平成3年)に登場した小型軽量の携帯電話「ムーバ」です。なかでも「ムーバP」は約230gと従来製品よりも大幅に軽く、当時の携帯電話としても世界最小の記録を更新しています。その後、1992年(平成4年)にNTTから移動通信部門が独立する形でNTTドコモが誕生、国内の携帯電話市場は約137万8000台と100万台の大台を超えます。
ところがこうした急激な利用者数の増加により、これまでのアナログ方式(第1世代携帯電話)では、利用者の増加に耐えられなくなってきました。そこで、アナログ方式の問題点を解消し、より効率的に電波を使うことで利用者の増加に耐えられるデジタル方式(第2世代携帯電話)への移行が始まったのです。
最初のデジタル式携帯電話は1993年(平成5年)にNTTドコモから販売された「デジタル・ムーバ」シリーズです。デジタル方式の登場により、音声品質を安定化させ、盗聴を防ぐことができるようになるなど、電話機として大幅に使いやすくなりました。
これまでの携帯電話は携帯電話事業者が利用者に機器を貸し出すレンタル制だったのに対し、1994年(平成6年)から携帯機器を利用者が購入できる携帯電話の売り切り制の導入が行なわれました。加えて同年にはデジタルホン・デジタルツーカーの新規事業者の参入も行なわれ、携帯電話の利用者獲得競争は激しくなっていきます。このときの普及台数は約213万1000台でした。
売り切り制の導入により、携帯機器メーカーの技術競争が加速していきます。とくに目立ったのが小型軽量化競争で、1996年(平成8年)には100gを切る「デジタル・ムーバ P201 HYPER」が登場しました。この年、普及台数が初めて1000万台を突破する約1020万4000台を達成します。そして、年間約1000万台というハイペースで普及台数が増えていくことになります。
第2世代携帯電話では、データ通信もサポートされ、アナログ方式ではできなかったサービスも可能になりました。その代表的なサービスといえるのが、1999年(平成11年)2月に始まったiモードをはじめとする携帯電話向けインターネット接続サービスです。これらは通話機能が中心だった携帯電話にWebブラウザ機能やメールによるコミュニケーション機能を追加するものです。

iモードはサービス開始後約15カ月で加入者が1000万人を超える人気サービスとなりました。2000年(平成12年)8月には加入者数は固定電話を超える5501万台を突破します。また2000〜2001年(平成12年〜平成13年)にかけて登場したデジタルカメラ付き携帯電話の機能を活かした写真メール添付サービス「写メール」の大ヒットにより、携帯電話が低年齢層にも普及していきます。
こうした通信サービスが普及し始めると、都市部などの基地局で需要が増えすぎて電話がつながりにくくなる自体が頻発し始めました。また日本国内で展開している第2世代携帯電話は日本固有のPDCと呼ばれる方式を採用しており、海外で利用されているGSMとは互換性がないといったデメリットもありました。
そこで、国際電気通信連合(ITU)が世界中の携帯電話の仕様をまとめることにより、1台の携帯電話を世界中で使えるよう目指して作られたのが第3世代携帯電話です。第3世代携帯電では、このほかに、データ通信の高速化、固定電話並みの高品質音声通話、加入者増への対応が計られています。
この第3世代携帯電話は、需要の逼迫していた日本からスタートしました。それが2001年(平成13年)10月1日から始まった「FOMA」です。翌2002年(平成14年)4月にauが、12月にはJ-フォンも第3世代携帯電話サービスを開始、本格的な第3世代携帯電話の普及が始まることになります。
第3世代携帯電話は初期にはエリアが狭い、互換性に問題がある、通話時間が短いなどのトラブルが多かったものの、時間とともにこうしたトラブルは解消され、2006年(平成18年)4月には第3世代携帯電話だけで契約数が5000万件を超えるようになります。
2007年(平成19年)12月末には携帯電話全体の加入者数が1億件を突破し、国民全体の約78%が携帯電話を持つにいたっています。このように、加入者数がほぼ飽和状態に近付いてきたことから、市場の流動性を促すために新しいサービスが開始されました。それが2006年(平成18年)10月からはじまった「番号ポータビリティ制度」です。
これまでの携帯電話は事業者を変更すると電話番号も変更する必要があり、電話番号を変えたくない利用者は、事業者を変更することができませんでした。番号ポータビリティ制度は電話番号を変えずに事業者を変更できるため、利用者にとっては事業者をこれまでよりも自由に選択できるようになりました。番号ポータビリティ制度の導入により、事業者のサービスの向上・発展も期待できます。

ナガハタ トシヒロ
フリーライター兼編集者として、主にパソコン関連のレビューおよびテスト記事のライティングおよび雑誌編集を手がけるフリーライター。
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