
今では一人1台の携帯電話があたりまえ。でも、みなさんの家庭にも昔懐かしい黒電話がありませんでしたか?今回は通信ネットワークの基本となった電話の誕生と仕組みです。
2008年4月8日
日本の電話は相手の電話番号を押すとピッポッパッといった発信音が鳴り、自動的に相手につながります。しかし、海外に電話を掛けたことがある人であれば、ダイヤルをした後、人間である交換手に相手の名前や番号などを告げて接続してもらった経験がある人も多いでしょう。同じ電話を掛けるにしてもこのように違いがあります。
では、電話の仕組みはどのようになっているのでしょうか?
電話の元となる電信機を発明したのはアメリカの「サミュエル・フィンレイ・ブリース・モールス」です。モールスは電気の流れをON/OFF、時間の長い短いを調整することで、文字の代わりをする符号「モールス信号」を発明しました。救助信号としてよく知られる「S・O・S」もモールス信号です。信号のルールはまったく違いますが、最初に説明した「ピッポッパッ」といった発信音もモールス信号の応用といえます。こうした短い信号をON/OFFして文字の代わりをする仕組みはインターネット時代の現代でも活きています。

電信機は電信機同士をケーブルで結び、モールス信号を伝える仕組みです。電信機は、モールス信号を相手に一方的に伝えるだけでしたが、アメリカの「アレキサンダー・グラハム・ベル」は、1本の線を使って複数の通信を同時に処理できる多重電信と電信機の技術を応用して音声を送る方法を開発、1876年3月10日初めて音声の通話に成功しています。これが最初の電話機です。
電話で自分(発信者)と相手(着信者)と話をするためには、相手と直接通信回線でつながる必要があります。しかし、各家庭の電話機を直接全部つなげてしまうのは無理な話です。そこで、電話機同士の間を取り持つ「交換局」という仕組みが生まれました。
初期の電話は、加入している人が少ないため、電話同士を接続する役割を「交換手」と呼ばれる人間が行っていました。初期の黒電話と呼ばれる電話機には、ダイヤルが無く受話器を取り上げると交換局に直接つながり、交換手に相手の名前などを言うとつながる仕組みでした。
しかし、加入者が増えてくると1か所の交換局ですべての接続をまかなうことはできません。地域ごとに複数の交換局を置き、交換局同士をつなげてリレーのように処理して効率を良くしました。地域ごとに置かれた交換局を電話局と呼び、交換局同士をつなげたネットワークが「電話網」です。

さらに電話機の加入者数が増えてくると、人力による接続では効率が悪くなってきます。そこで、登場したのが発信側の電話機の発信音でどの着信側電話機に接続したいかを判断し、どういったルートでつなぐかを決める能力を持つ自動交換機です。ちなみに国内では1926年に導入が始まっています。
自動交換機に接続相手を伝える発信音には「ピッポッパッ」というプッシュ式と「ジージリジリジリー」といった感じのダイヤル式の2種類の音あります。この二つの違いは信号の発信方式です。プッシュ式では、番号に対応する音の信号で発信されます。一方、ダイヤル式では、電気信号をダイヤルの番号の数に応じて切断し、交換器側でその電気信号の切断数をカウントして数字に変換される仕組みになっているのです。(3という数字をダイヤルすると電気信号を3回切断)
ダイヤル式は自動交換機の性能がまだあまり良くなかった時代に作られたものです。自動交換機の負荷を抑えるため、発信者がダイヤルを1個回すごと着信者が絞り込まれていき、番号をすべて回し終わると着信側が確定するようになっていました。自動交換機の性能が高まると着信者の絞り込みも素早くできるようになりました。そこで登場したのがプッシュ式です。プッシュ式は短い時間で相手に接続することができるので、初期のFAXやイベントの電話予約などに活用されていました。なお、現在発売されている電話機はプッシュ・ダイヤルの両方の機能を持つものが一般的です。
ナガハタ トシヒロ
フリーライター兼編集者として、主にパソコン関連のレビューおよびテスト記事のライティングおよび雑誌編集を手がけるフリーライター。
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