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成功社長インタビュー IT導入はこれで成功した!
第2回 “100%活用される情報ツール”だからこそ成功する” 2003年11月17日
代表取締役社長 小黒敏行氏
株式会社アイネット
代表取締役社長 小黒敏行氏
1946年8月創業の歴史ある菓子卸売会社。
62年にモデル中小企業として中小企業庁長官賞を受賞し、65年5月にはモデル企業として東京都経済局長賞を受賞。取り扱い商品に応じて関連会社を設立するなど、機動的な経営を行っている。仕入先として約500社、納入先として約1,600社との取引を持つ。
価格競争を抜け出すことが生き残り戦略
 エクセルを活用して開発した物流管理システム「おまかせアイネット」を導入したことで、思いもよらないデータがいろいろと解析できました。中でも大きかったことは、今後の経営戦略に活かせるデータがわかったことです。
 100円均一の商品が幅を利かせている現在の市場で、当社のオリジナルブランドである500円相当の商品が取引先スーパーの菓子売上の10位以内に入っていたのです。このデータにより味と品質にこだわった商品を提供していけば、お客さまはそれを適正価格として受け入れてくれるという確信を深めたのです。そこで、当社のオリジナルブランドについては価格競争に走らず一貫して品質にこだわり、「おいしいものを適正な価格で提供する」路線を徹底させたわけです。

 しかし、高級路線を打ち出したことで取引が無くなる会社も出てきました。ですから現在お付き合いいただいている取引先は、当社の考えに共感してくださった会社ということになります。
 取引先が無くなったことで当初は年間30億円の減益になりましたが、現在ではそれを大きく上回る数字を残すことができ、私たちの販売路線が間違っていなかったことを証明しています。
人と同じことをやっても変化はない
 このように売上データや商品情報の解析、店舗のスペースに合わせて最適な商品構成(レイアウト)も提案できることも「おまかせアイネット」の強みです。また、常にお客さまの目を引く売場作りや時期や地域特性に合わせた効果的なディスプレイなどの提案により、他店との差別化も図れるわけです。
 この他にも、現在エクセルでどれだけ有効にデータを活用できるか「おまかせアイネット」の中でも模索中です。とにかくエクセル上で動かないものは、どんなに動かしたくても「やらない」と決めると、不思議なものでどんなものでも動くようになるんです(笑)。

 当社がITを導入する上で一番大切にしたことは、菓子卸として取引先に最大のメリットを与えられるシステムづくりです。メーカーはどうしても自社製品だけの利益を考えてしまいがちですが、私どものような中堅の卸の場合は特定メーカーにとらわれないので、冷静に管理できる強みがあるのです。
 また、そこには「人と同じことをやっても大きな変化はない」という、私が営業マン時代に現場で学んだ実感も活かされています。

 私たちが同業の大手さんの真似をしてどんなに大がかりなシステムを導入しても、それを最大限に活用しなければ意味がありません。結局、現場の人間が「これをどう使うのか」という意識を持って活用することが大事なのです。他人が持っているから自分も持つということでは意味がありません。「おまかせアイネット」は現場の営業マンをさまざまな角度からサポートするパートナーとして、情報ツール(道具)として“100%活用されている”からこそ成功しているのでしょう。
次世代携帯電話やICタグの活用に期待
 今後のIT導入についてですが、携帯電話を活用したデータ管理なども積極的に推進していきたいと考えています。

 実は、現在NTTドコモの「iアプリ」を活用した棚情報のデータ管理も進めているんです。一例としては、商品のバーコードをスキャナーで読み込み、iアプリを活用してデータのやりとりを行う、ということも行なっています。聞くところによれば、FOMAの次世代バージョンには携帯端末にスキャナーが搭載され、画像もさらに鮮明になるようです。こちらもタイミングも見ながら導入したいと思っています。
 また、現在話題を集めている「ICタグ」が全業種で活用されるようになれば、ひとつひとつの菓子商品の一括管理ができるようになります。これによりローコストのデータ管理が実現し、お店単体でデータ処理をするための莫大な投資をしなくても、より正確な売場提案をしていけるはずです。

 IT導入を考えている中堅企業の経営者の方へのメッセージとしては、進展するIT技術に振り回されることなく、タイミングを見ながら「うちの会社だからやれること」を見極めた活用法を見出して欲しいです。あと“徹底的に使うこと”が何よりも肝心です。繰り返しになりますが、IT導入の一番のポイントは「人間が使うこと」なのです。
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