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成功社長インタビュー IT導入はこれで成功した!
第1回 「簡単に使えること」がIT導入の絶対条件 2003年11月04日
代表取締役社長 小黒敏行氏
株式会社アイネット
代表取締役社長 小黒敏行氏
1946年8月創業の歴史ある菓子卸売会社。
62年にモデル中小企業として中小企業庁長官賞を受賞し、65年5月にはモデル企業として東京都経済局長賞を受賞。取り扱い商品に応じて関連会社を設立するなど、機動的な経営を行っている。仕入先として約500社、納入先として約1,600社との取引を持つ。
取引先の利益につながるシステムを!
 当社は菓子卸として設立して50年近く経ちますが、現在では仕入先として約500社、納入先としては約1,600社にもおよぶ取引先に対し、売れ筋のNB商品はもとより、日本全国から選りすぐった商材の開拓や、自社オリジナル商品の開発・販売も行っています。

 当社の取引先は、スーパーマーケットやいわゆるデパ地下の菓子専門店が中心ですが、卸売業者としてできることを最大限に活かし、取引先の利益に繋がる「情報通信システムの構築」が創業以来の目標でした。中でも多くのスーパーマーケットのデータを一括管理し、効率的なピッキング(棚卸し)業務を実現することを最優先に模索してきました。
 そこで、1996年に2つの会社が合併し社名をアイネットに改称したことを機会に、新たな情報システム改革を推進しました。大手コンピュータメーカーと組んで、新しいピッキングシステムの導入を図ったのです。
失敗から学んだIT導入の秘訣
 結果的にはそのシステム導入は大きな誤算でした。データの誤差も大きく、コストもかさんでしまったんですね。でも、システムは自分たちのビジネスのためにも絶対に必要でした。
 そこで5年前に私が社長に就任した時に、自分で号令を出してシステムの構築を進めることにしました。とは言っても、そんなに多くのコストをかけるわけにはいきません。かつて、1度失敗を経験していますから(笑)。そこで私が決めたのは「表計算ソフトのエクセルを使ってなんでもやる」ということです。

 まず、より正確なピッキング、棚割り、顧客管理を行うために、データベース本体とエクセルの連携を図り、データ管理をパソコン上でできるようにシフトさせました。具体的には、ピッキングに必要なJANコードなどの商品の付帯事項をすべてエクセル上にデータ登録する作業をしたのですが、その結果、奇跡的に1ヶ月ほどで円滑な業務が遂行できるところまでこぎつけました。

 データベースが整理されたことで、「エクセルでそんな高度なことができるわけがない。絶対に無理だ」と言われていたデータ管理が、パソコンへのシフト後わずか半年でスムーズにできるようになったのです。それが、現在でも稼動している菓子一括物流システム「おまかせアイネット」SS80の始まりでした。
ITが変えた経営戦略
 スーパーマーケットのお菓子部門は全体の売上比率からすると低いですが、純利益から見ると結構高いのです。その理由としては、お菓子は在庫回転率が高い、水道光熱費がかからない、職人などが必要ないので人件費が低い、日持ちがきくのでロス率が低いなどということがあげられるのですが、商品としてはかなりのメリットです。
 このようなメリットを最大限に活かし、より効果的・効率的に売上増を実現するためには、売れ筋商品を逃さず配置(陳列)することが重要なポイントになります。また、他店にはない「こだわり商品」をロスを抑えて売り込み、催事に合わせた機能的な売場づくりをすることが欠かせません。

 本来、私どものような卸はそういったことをスーパーマーケットやデパートに提案していかなければならないんです。まだ「おまかせアイネット」がなかった頃は、そのような時に営業マンのカンや経験に頼るしかなく、どんなにこちらがいい提案を持っていたとしても、今ひとつ説得力がなく、正確さにかけていました。
 でも「おまかせアイネット」が稼動してからは、具体的なデータを顧客に見てもらいながら話ができるようになりました。なにしろエクセル上で動いているので、パソコンがあれば使えるというのが本当に強いです。

 「何がなんでもエクセルで動かす。エクセルで動かないものは必要ない。」という私の方針は当初色々ありましたが、結果的に正しかったと思っています。
 そしてこのシステムの導入により、当社は他社とは違う生き残りのための経営戦略の展開が可能になったのです。
(次回に続く)
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