
今回は、公共工事の削減などで厳しさを増す建設業界を見ていきましょう。建設業者に共通すると思われる問題点としては、以下のようなことがあげられます。
| 問題点 |
| 1. |
同業間の競争の激化 |
| 2. |
公共事業の減少 |
| 3. |
ライフスタイルの変化への対応 |
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このような問題を解決するためには、どのようにIT技術を導入していけばいいのでしょうか。今回は、S社を例に建設業を見ていきたいと思います。S社は創業から30年、売上高5億円、従業員15人です。I社長は大手建設会社勤務を経験しています。競争激化と公共工事の削減の影響を受け、売上高の減少が続いており、従業員の削減も進めてきました。

業務の中心となっていた公共工事では、入札の公正さを保つために、国をはじめ、都道府県や政令指定都市など大きな地方公共団体では、電子入札の導入が進んでいます。今後は区市町村でもこの導入が進むものと考えられますから、まずは電子入札への対応が大切なテーマです。
また、S社のある地域では新しい住民が増えており、潜在的な住宅市場が拡大しているものと思われるため、公共工事削減による仕事の減少を住宅建設やリフォームの強化によって、埋めていくことにしました。
しかし、ライフスタイルの変化や訪問営業に対する考えの違いもあり、営業をしても面談にまでいたらないケースが増え、潜在顧客との接点の持ち方に苦慮していました。

以上の状況を打開するため、S社は電子入札に対応する体制を整えることを目的としてインターネットの活用を決めたのです。
このため、ホームページの管理ができる人材(20代)を1人採用し、IT化の中心としました。設備投資としては、パソコン(2台:入札とホームページ用)、デジタルカメラ(5台)、プリンター(1台)の購入、入札のための認証を得るための諸費用(ICカード購入費等を含む)、インターネットの接続工事です。
また、情報漏えいが問題になっていることから、既存のお客さまや見込み客の信頼を得るため、プライバシーマークの導入にも取り組んでいます。
電子入札への対応では体制を整えたものの、参入も多く、落札も難しくなっています。入札参加機会を失わないためには役立っていますが、効果についての検証はまだできていません。プライバシーマークの導入も、信頼を勝ち得ることができるとのアンケート結果もありますが、具体的な効果はわかりません。

ほかにホームページでは、モデル工事の進捗状況を写真にとり、自社の工法を紹介しています。また、発注をいただいたお客さまには、写真データをメールに添付してお知らせすることで、信頼を得るように配慮しています。
さらに、営業で使用するカタログとして、ホームページで使用しているページをプリント・アウトして新しい内容に入れ替えながら使用するようにしています。
この取組みもあり、ホームページへのアクセスも、徐々にですが増えつつあります。注文していただいたお客さまから紹介された見込み客からは、話だけでなくホームページで、簡単かつ他人の影響を受けずに(わずらわしさもなく)S社の仕事内容が理解できると好評を得ています。

IT化の投資額は、ホームページそのものは約40万円で作れたのですが、人件費やプライバシーマークの導入コンサル費が大きいため、全体では約800万円となりました。
効果としては、公共工事では入札参加機会のロスがなくなったこと、民間では住宅建設の受注を10件(1件あたり平均2,000万円;うち、既存客からの紹介5件)、リフォーム受注を20件(平均100万円;うち紹介10件)得ることができたこと、カタログ印刷の必要がなくなったことにより印刷費用を約30万円減少(随時のプリント・アウト費用と差し引きした結果)させたこと、アクセス件数の増加(各月の平均増加率10%)が挙げられます。

| 問題点1 |
公共事業の入札環境が整っていない |
| → |
電子入札に対応できるように新たな人材採用とIT化への設備を整える |
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| 問題点2 |
新規のクライアントへ仕事内容が理解されていない |
| → |
ホームページを開設し、事業内容を明確にし、新規クライアントを獲得 |
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