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いくらかかるの?IT導入

第5回 ターゲットを見定めて効果的なメール配信

2004年07月20日
50万円で実現するメール・マーケティング

問題点:効果的な宣伝方法がわからない

 H商店は、100円〜1万円程度のオリジナル・アクセサリーを中心に販売しています。客層は、中・高校生を中心に若い主婦層まで幅広く支持されており、また駅から歩いて3分程のところに立地していることもあって、顧客は広域から訪れています。
 店主のTさんは売上げを伸ばすために宣伝にも積極的で、2ヵ月に1度チラシを配布しているのですが、配布地域よりも広域から顧客が来店することもあり、あまり役立っていないのが現実です。また、雑誌などへの広告掲載は費用負担が大きいため実施が躊躇され、効果的な宣伝策を模索している段階です。

解決法:携帯電話のメールを活用

 そんなある日、Tさんが来店中の中・高校生の様子を観察していると、彼女たちは店内の商品を見て回りながら、携帯電話も見ていることに気づきました。
 気になって声をかけてみると、情報提供用のホームページを見たり、自分たちが気に入った店や商品の情報をメールでやり取りしているということでした。いわゆる携帯電話を介しての口コミです。そこで、Tさんは、若い層が利用する携帯電話のメールを販売促進に活用しようと考えたのです。
 メールを販売促進に活用するといっても、簡単にはいきません。メールを発信するためには、携帯電話のメールアドレスを収集する必要がありますが、迷惑メールやいたずらメールも少なくないことから、特に女性はメールアドレスを教えくれません。
 そのため、スタッフと十分な打ち合わせを行って、丁寧に来店客とのコミュニケーションを図り、趣旨を説明してメールアドレスを書いてもらったり、スタッフの携帯電話や店のパソコンに空メールを送ってもらうなどの工夫をしました。
 このような努力の結果、収集したメールアドレスは1,000件ほどになりました。そして、毎日の営業終了後に表計算ソフトで名簿を作成し、そのデータをメール配信ソフトに移して配信する仕組みとしています。
 ところで、実際にメールを発信しても、信頼のある店舗からの“楽しいこと”、“役に立つこと”が期待できるメールでなければ読んでもらえません。
 そのため、メールの件名は注意を惹きつけるように言葉を選び、メールの内容も新商品や珍しい商品の案内から季節ごとのイベント案内まで、常に新しいものにしています。ただし、あまり頻繁に送ってもうっとうしく思われてしまいますし、会社勤めの若いOLなどには、勤務中には送信しないようにする注意も必要です。このような顧客ごとへの配慮で、信頼と評価を得ることができ、リピート客の増加も期待できるのです。
 また、携帯電話用のホームページも開設して、商品の一部は携帯電話ですぐ見ることができるように工夫しています。

投資:50万円でメール配信のための設備を整える

 メールを発信する際には、一度に多くの人に送信するため、携帯電話からではなくパソコンを利用します。そのため、店舗にインターネット接続のための配線工事を行いました。
 ITに関する投資額は、インターネット接続・配線工事とメール関連専用のパソコン購入、携帯電話用のホームページ作成ソフトとメール配信ソフトの購入で、投資総額は約50万円ほどとなりました。

効果:リピーターと固定客の確実な増加

 効果としては、メールを配信した顧客の来店頻度が向上したことと(平均すると1ヵ月に1度から3週間に1度)、顧客の固定化(半年以上の非来店客が顧客総数の1割程度であったのが、導入後は5%程度まで減少)をあげられるでしょう。
 リピーターと固定客の増加という目標に向けて、着実に成果は上がりつつあるようです。
投資と効果
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村山 賢誌(むらやま けんじ)
・中小企業診断士/ITコーディネータ/ファイナンシャルプランナーなど
・法政大学 経済学部経済学科卒業

・主な実績
(社)中小企業診断協会東京支部中央支会理事・研究会部副部長、東京都高齢者・福祉研究財団登録ナレッジバンク協力員、IT推進アドバイザー、東京都福祉サービス評価推進機構評価員、東京商工会議所経営安定特別相談室専門スタッフ、創業サポートセンター相談員(起業等支援コンサルタント)など。他、企業研修や講演など精力的に活動。

著書に『経営指導ハンドブック(共著:第一法規出版)』、『ビジネス能力検定2級・3級精選・演習問題(共著:経林書房)』、『戦略的IT経営(共著:カットシステム)』など多数。

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