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いくらかかるの?IT導入
第3回 段階を追ったIT導入でスムーズな業務移行

2004年06月21日
120万円で管理部門の業務効率向上と経費削減に成功

問題点:経理情報が明らかになるまで時間がかかりすぎる

 創業から80年を迎える漬物製造・卸販売会社のG社は、経理を手作業で行っていたため、正確な経理情報が締めてから1週間以上後になってやっと数字が明確になるという状況でした。
 また給与については、銀行系企業にアウトソーシングをしてインターネットでデータをやり取りしていましたが、その他のインターネットの利用法としては、Y社長が個人的にサイトを検索するだけという状況でした。

解決法:段階的に経理システムとLANを導入

 G社のIT化は、病気で退職した経理担当者の代わりに、税理士の科目試験に合格している人材を担当者として雇用したことがきっかけとなりました。

 G社は、本社、支店3(デパートなどへの直営出店)、工場1の体制です。本社は狭いのですが4階建ての自社ビルで、4階が経営幹部のスペース、3階が会計など管理部門の事務室、2階は営業部門の事務室、1階が店舗となっています。
 G社では、IT化は段階的に進めることにしました。
 第一段階は、経理のIT化を進めるため、3階の管理部門へのパソコン、会計ソフトの導入と、3階内部および3階と4階のネットワーク化です。
 第二段階は、1階と2階を合わせた本社内でのネットワーク化
 第三段階は、支店および工場と本社をネットワークでつなぐというもので、現在までに第二段階まで終了しています。

 IT化にあたっての目的は、経営者がいち早く経営情報を知ることができるようにする、ということでした。Y社長は、手作業で紙に記録していくという作業をパソコン会計に切り替えることで、経理のデータをいち早く知り、経営判断に活かすことを決断したのです。

投資:階をまたがるLANの構築とパッケージソフトの購入などを約120万円で

 社内ネットワークの構築にあたっては、階をまたがってのLAN工事が必要になりましたが、直前に電話の配線工事を行っていたため、比較的容易に低額で実施することができました。
 次に、会計ソフトについてはパッケージソフトを購入したのですが、経理の担当者がパソコンと購入したソフトに慣れていたこともあり、特に教育は必要とせず導入も順調に進みました。

 はじめにお話しましたが、G社ではパソコンとパッケージソフトの導入を段階的に行ったので、一度の投資負担(現金支出)も軽く済ませることができました。
 結果的には、パソコン5台の購入、2種類のパッケージソフトの購入(保守費用を含む)、LAN工事とインターネット接続関連工事などで、投資総額を120万円ほどに抑えることができたのです。

効果:紙の無駄と人件費の削減が実現!

 今回のIT化により、数日かかっていた月ごとの貸借対照表と損益計算書の作成が、数時間でできるようになりました。また、売上げや経費に関して、データを加工してグラフなどにすることも容易となり、さらにそれらをデータとして関係部署に送ることでパソコン上での確認も可能になったため、紙の無駄もなくなり経費が削減されました。
 また、本社内だけですが、ネットワークを利用してY社長の指示を伝達、徹底することにより、指示事項についてのミスがなくなるとともに業務にあたっての一体感を創り出すことができたのです。
 そして管理部門では、一日あたり2時間程度、作業にあてる時間を削減することができました。たとえば、売上げなどの処理の場合、営業管理部門で伝票を処理し、さらに管理部門でも同じ作業を繰り返していたのですが、販売管理用のパッケージソフトを導入後は営業部門でデータ化したものを管理部門にもそのまま送ることで二重作業をなくすことができました。
投資と効果
 結果として、単純計算ですが月約8万円程度の人件費の削減につなげることができました。
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村山 賢誌(むらやま けんじ)
・中小企業診断士/ITコーディネータ/ファイナンシャルプランナーなど
・法政大学 経済学部経済学科卒業

・主な実績
(社)中小企業診断協会東京支部中央支会理事・研究会部副部長、東京都高齢者・福祉研究財団登録ナレッジバンク協力員、IT推進アドバイザー、東京都福祉サービス評価推進機構評価員、東京商工会議所経営安定特別相談室専門スタッフ、創業サポートセンター相談員(起業等支援コンサルタント)など。他、企業研修や講演など精力的に活動。

著書に『経営指導ハンドブック(共著:第一法規出版)』、『ビジネス能力検定2級・3級精選・演習問題(共著:経林書房)』、『戦略的IT経営(共著:カットシステム)』など多数。

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