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いくらかかるの?IT導入
第1回 在庫管理の徹底で機会ロスの削減!

2004年05月24日
120万円で在庫管理システムを構築 利益率向上に成功した包装材料販売会社

問題点:不良在庫の多さ

 創業して30年のA社は、弁当容器や箸、ビニール袋など包装材料1万点近くを、飲食店を中心に販売しています。店舗から車で30分程のところに倉庫があり、得意先からFAXで注文を受け直接商品を配送したり、店舗で不足したり品切れになってしまった商品を電話でやり取りして倉庫から取り寄せています。

 A社のS社長は、売れ筋の商品については、ある程度の販売・在庫状況を把握しているが、その他の商品については十分把握せず、長い間おきっ放しになっている商品も少なくないという状態でした。
 最近、古くからの取引先が倒産し、売掛金が焦げ付くと同時に、その取引先用に仕入れていた商品が不良在庫となってしまうという事件が起こりました。そこで改めて状況を確認すると、古くなり売れる見込みのない商品が多いことにS社長は愕然としたのです。

解決法:インターネットとPOSシステムの導入

 S社長は将来的にパソコンの導入が必要だと考えてはいるのですが、Eメールをしたこともありません。しかし、上記のような状況もあり、たまたまパソコンが得意という若い従業員を採用したこともあって、彼を担当につけパソコンとソフトを購入して管理を効率化し、無駄をなくそうということにしました。

 まずS社長は、インターネット環境を整備すれば店舗・倉庫間でデータのやり取りや販売・在庫状況を瞬時に把握できるということがわかり、インターネットとPOSシステムを導入したのです。その結果、商品をパソコンの画面上で確認できるようになり、店にない商品を確認するためにお客さまを待たせたり、従業員の手間を取ることが少なくなりました。
 また、1年以上売れなかった商品が倉庫スペースの2割を占めていることもわかったので、古い商品を処分して空いたスペースに売れ筋商品を置き、機会ロスも少なくできるようになりました。
 さらに、商品の販売動向については半年を基準に判断し、仕入れを工夫したことによって結果的にロスが減りました。また、売れ筋商品は大量に注文することで仕入価格を下げることにも成功したのです。

投資:約120万円でシステム構築

 今回の投資では、パソコンとハンディターミナルの購入、インターネット環境の整備(ランニングコストは除く)からスタートしたのですが、パソコンの価格が安くなっていること、パッケージソフト(3ライセンス使用:5ライセンスまで使用可能)を購入したこと、簡単な屋内工事で済んだこともあり、かかった費用を総額で約120万円程度に抑えることができました。

効果:経費と不良在庫率の削減

 具体的な効果としては大量発注と在庫削減により仕入額を10%、通信費も10%(今後IP電話にすることで、一層の削減を目指す)、配送費をはじめとして諸経費を5%、さらに不良在庫率を5%程度削減することができました。さらに、電子メールが可能な取引先からはインターネットで注文を受けるようにし、そのデータを活用することで注文の間違いを減らし、納品や請求の簡素化も図れるようになりました。
投資と効果
 S社長は、今後インターネットで飲食店や消費者のニーズを把握したり、取り扱う商品を発掘したりと、品揃えの充実や仕入れ予測を行うと同時に、商品の見切り期間を短くして一層在庫負担を減らそうと考えています。また、事務作業の効率化で、競争力の強化をも図っていきたいと考えています。
バックナンバー
村山 賢誌(むらやま けんじ)
・中小企業診断士/ITコーディネータ/ファイナンシャルプランナーなど
・法政大学 経済学部経済学科卒業

・主な実績
(社)中小企業診断協会東京支部中央支会理事・研究会部副部長、東京都高齢者・福祉研究財団登録ナレッジバンク協力員、IT推進アドバイザー、東京都福祉サービス評価推進機構評価員、東京商工会議所経営安定特別相談室専門スタッフ、創業サポートセンター相談員(起業等支援コンサルタント)など。他、企業研修や講演など精力的に活動。

著書に『経営指導ハンドブック(共著:第一法規出版)』、『ビジネス能力検定2級・3級精選・演習問題(共著:経林書房)』、『戦略的IT経営(共著:カットシステム)』など多数。

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