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ITで失敗しないケーススタディ
頭のよいIT導入法 第5回 IT導入の具体的な手順
2005年05月23日再掲載
失敗のないIT導入4つのプロセス
 前回までにIT導入のポイントをお話してきました。では一体どのような手順を踏めば、「失敗しないIT導入」が可能になるのでしょうか。そのためのフローは下図のようになります。では、ひとつずつ説明しましょう。
1.
現状分析
 現在の業務プロセスを分析し、現状の何が問題であるのかを把握します。そして、あるべき姿、望ましい姿を描きます。そのあるべき姿と現状のギャップが課題であり、その解決が業務改革ということです。
2.
目的の明確化
 ここではIT導入の目的を明確にします。つまりIT化によって業務のどの部分をどのように改革したいのかを明らかにするわけです。
 例えば工場内の在庫を削減したい、営業における受注率を高めたい、研究開発力を高めたい、などがあります。そして、さらにこの目的から、達成目標を具体化します。その際、在庫を10%削減する、受注率を昨年比5%アップする、研究開発企画を年間50件立案する、などなるべく数値で表現しましょう。この目的と目標が明らかでないと、ITを導入した後の評価ができません。また、いつのまにかIT化そのものが目的になっていた、という誤りに陥りがちになります。
3.
計画の立案
 この段階でどのようなIT化を目指すかを決定し、ハードウェア、ソフトウェアの選定、開発の方式、推進体制、スケジュールなどを計画書としてまとめます。推進体制はプロジェクトチームによるものがよいでしょう。また、システムの規模が大きくない時にはプロトタイピングによる開発方式がよいでしょう。これは、まずプロトタイプとなるソフトウェアを作り、その評価を開発者にフィードバックしながら正式版を作り上げていくという方法です。
4.
試行と改善
 計画に従い、情報システムの設計、開発、試行を行います。プロトタイピング方式の場合はまず小規模なプロトタイプを作成し、それを実際に業務に従事する人に使ってもらいます。そして使い勝手を評価し、改善に結びつけます(その時、当初想定した使い方と異なる要求が出ることもあります)。このように、改善点をシステムに反映していきながら、少しずつシステムの完成度を高めていくと無理のない開発が可能になり、また、実際の業務担当担当者の支持を受けやすいのです。
真のIT化は「導入後」がポイント
 このような手順でIT化を進めると、失敗はなくなります。しかしIT化は、導入してそれで終わりではありません。当初設定した目的と目標は達成されたでしょうか。達成されていなければ、目的や目標の設定が厳しかったのか、あるいはシステム化が間違っていたのか、を検証することが大切です。達成していたとしても、さらなる改善の余地がないか、検討していきます。

 このようにIT化は絶えず改善していくことが必要です。また、それにより企業のIT化は階段を登るように進化していくのです。

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柄沢 明久 (からさわ あきひさ)
・有限会社マネジメントクリエーション代表
・中小企業診断士、ITコーディネータ、1級販売士など
・東京工業大学 工学部経営工学科卒業

・主な実績
消費生活アドバイザー・コンサルタント協会会員活動委員副委員長、中小企業診断協会東京支部正会員、東京販売士協会常任理事、NPOサンフラワー21理事、中小企業総合事業団登録情報化推進アドバイザー。著書に『経営のヒント(埼玉新聞コラム)』、『SE/CTO/経営者のための戦略的IT経営(共著:カットシステム社)』多数。

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