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ITで失敗しないケーススタディ
頭のよいIT導入法 第3回 トップの決心なくしてIT導入なし
2005年05月09日再掲載
経営者こそ、情報化に関与せよ!
 「情報化」の目的は業績向上であり、経営改革であることは第1回で触れました。業績向上を考えていない経営トップはひとりもいないでしょう。しかし、こと情報化になると担当者にお任せとなる場合が多いのです。なぜでしょうか?それは情報化の意味を理解していない経営者が多いからです。情報システム化イコール事務の合理化、省力化と考えているからです。
 商用コンピュータが普及し始めた頃は確かにそれで済んでいました。しかし、現在は情報システムを戦略的に活用しなければなりません。そのためには経営改革が必要なのです。これには経営者の強い決意が前提となります。
 そして経営者がリーダーシップを発揮して情報化に深く関与し、構築する情報システムが業績向上に効果があるかどうか、強い関心を持つ必要があります。
成功する情報化、3つの理由
 経営者がリーダーシップをとって情報化を推進しなければならない理由は以下の通りです。

 一番目の理由としては、第1回でも述べたように、情報化には業務改善・業務改革が前提となるからです。業務改善、業務改革には痛みが伴います。人は通常、現在の仕事のあり方が一番よいと思っています。現在の業務のあり方を否定して新たな方法を探そうとすると、いわゆる抵抗勢力が出現します。
 積極的な抵抗はないでしょうが、なかなか協力しない、問題を先送りにするなど消極的な抵抗が起きます。とりわけ中小企業では番頭格の古参社員が抵抗勢力になりやすいといえますが、これを克服するには、経営トップの強い決意がなければなりません。担当者に任せきりだとプロジェクトがなかなか前に進まなかったり、古参社員の抵抗にあったりして、情報化が暗礁に乗り上げかねません。

 二番目の理由は、情報化は意識改革を必要とするからです。情報システムを導入するには、その前に人間が行う業務の仕組みが出来ていなければなりません。この仕組みは社員が皆で作りあげ、そして皆で維持していくものですが、そのためには社員の意識が一致している必要があります。社員の意識を高揚させ、ベクトルをあわせる役目は経営トップの仕事です。経営者が自ら率先して情報化に取り組む姿勢を見せて、初めて社員は行動するのです。

 三番目の理由は、情報化を進めるには、現場の協力が必要だからです。使われない情報システムが出来てしまう大きな原因のひとつは、現場の取り込みに失敗し、顧客の情報を得られないことにあります。これを避けるためには、経営者のリーダーシップによる現場の巻き込みが必要です。

 旧日本海軍の山本五十六元帥は統帥の心得として、「やってみせ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば 人は動かじ」という言葉を残しています。情報システムを作り上げる仕事は目に見えない要求をまとめ、多くの部門の協力を必要とする、縁の下の力持ちでなければ出来ない仕事です。それだけに、経営者は人を動かす心を持つことが大切でしょう。

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柄沢 明久 (からさわ あきひさ)
・有限会社マネジメントクリエーション代表
・中小企業診断士、ITコーディネータ、1級販売士など
・東京工業大学 工学部経営工学科卒業

・主な実績
消費生活アドバイザー・コンサルタント協会会員活動委員副委員長、中小企業診断協会東京支部正会員、東京販売士協会常任理事、NPOサンフラワー21理事、中小企業総合事業団登録情報化推進アドバイザー。著書に『経営のヒント(埼玉新聞コラム)』、『SE/CTO/経営者のための戦略的IT経営(共著:カットシステム社)』多数。

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