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商品撮影 プロのテクニック第6回 ワンランク上の機材を活用する

2004年07月26日

 これまで、カメラとわずかな機材で撮影する方法をご紹介してきました。次のステップとしては、やはり専用の機材を使った方法です。最近ではプロカメラマン用ではなく、SOHO向けの機材もそろってきました。こうした機材を検討してみてはいかがでしょうか。

さまざまな機材を活用する

 機材の中でも一番効果的なのが照明です。プロのスタジオでは外付けのストロボが一般的ですが、大きな電源トランスに2灯も3灯も焚く、などということはできませんし、扱いも大変です。 最近では、SOHOでECサイトをやるのに最適な、照明をはじめとした機材が販売されています。その代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

[1] 簡易スタジオ

 今回手作りしたような簡易スタジオも、比較的安価に購入できます。手軽に背景がセットできて、写りこみを気にしなくていいように四方をディフューザーで囲んだタイプのものです。収納時は小さく折り畳めて、ライトでもよし、太陽光でもよし、いちいち面倒なセッティングをすることなく、きれいな写真を撮ることができます。(写真1)

[2] ライトを活用する

 簡易スタジオで、補助的にライトを使った演出用に、蛍光灯のライトを追加するとさまざまな画づくりができるようになります。特に宝飾品など、光を上手に使いこなすことが必要な商品の場合、ライトひとつあることで表現の幅が大きく広がります。(写真2)

[3] 大きなものを撮影する際のライト

 [1]の箱に入らない洋服などを撮影する際には、ディフューザーがついたタイプのライトをおすすめします。ただし、第1回で説明したように、異なった光の種類を混ぜることは禁物です。蛍光灯タイプを選んだ場合は、太陽光や白熱灯の光がない環境を作れることが前提となります。自分の環境その他を考えて機材を選択してください。(写真3)

(写真1)PHOTO CUBE
(写真1)PHOTO CUBE
(写真2)ウェブドットスタジオライト
(写真2)ウェブドットスタジオライト
(写真3)蛍光灯専用RIFA(リファー)
(写真3)蛍光灯専用RIFA(リファー)

画像加工ソフトを活用する

 これまでは、あとから大きな補正をしなくてもすむように撮影時での設定をおすすめしてきました。しかし、何枚も並べる際に明るさをそろえたり、ページ用に縮小する際などに、基本的な補正を加えた方が仕上がりは美しくなります。ここでは代表的な画像加工ソフトAdobe Photoshopを例に、補正の基本をご紹介します。

[1] 画像補正 〜明るさの補正と色調補正〜

 (写真4)は、撮影したままの画像です。暗い感じがするのと、色の鮮やかさが足りません。(写真5)は、Photoshopで明るさを足し、色調を鮮やかにする処理を施したものです。あまりいじりすぎると不自然になりますが、実物の商品を見ながら、もっとも自然な色になるように補正をします。本格的な補正にはさまざまなテクニックがありますが、ちょっと整えてあげるくらいであれば、簡単にできます。お手持ちのソフトで試してみてください。
 ただし、あくまで補正ですので限界はあります。色味や明るさなどは、撮影時のホワイトバランスの調整、違う露出での撮影で(第1回参照)、撮影時にベストなものを撮るように心がけてください。
 なお、ソフトウェアの詳しい使い方は、それぞれのマニュアルを参照してください。

(写真4)明るさが足りず、色の鮮やかさもない
(写真5)明るさを補正し、彩度を上げてパンの色を鮮やかにした
(写真4)明るさが足りず、色の鮮やかさもない
(写真5)明るさを補正し、彩度を上げてパンの色を鮮やかにした

[2] 写真の使用する範囲を決める 〜トリミング〜

 撮影した写真は、画面全部を使用するとは限りません。特に、サムネイルをクリックして大きく見せる場合など、大きな写真と同じだと、意味がわからないこともあります。このように、写真の使用する場所を決めることを「トリミング」といいます。
 (写真6)が拡大して見せる画像だとします。これをそのまま縮小しても、なんだかよくわかりません(写真7)。このサイズにするのであれば、思い切って見せる部分を限定して、(写真8)のようにトリミングする方法もあります。

(写真6)拡大してみせる画像
(写真6)拡大してみせる画像
(写真7)形はわかるものの、質感など商品の引きが伝わらない
(写真7)形はわかるものの、質感など商品の引きが伝わらない
(写真8)サムネイル用に一部を拡大して、質感だけは残した
(写真8)サムネイル用に一部を拡大して、質感だけは残した
(写真9)全部を入れ込んだ画像
(写真9)全部を入れ込んだ画像
(写真10)無難に全部画面に収めるのではなく、はみ出すことで大きく見せる
(写真10)無難に全部画面に収めるのではなく、はみ出すことで大きく見せる

 また、大きな写真でも、トリミングの位置によってはずいぶん見え方が変わるケースもあります。(写真9)は、撮影したままの画像。ページ上では正方形で使いたいとします。そのようなときに、単に真ん中で切るよりは、どちらかに寄せたり、一部を切ってしまうことで、より大きく見えたり、部分が強調されたりします(写真10)。
 こうした効果もある程度ふまえたうえで撮影すると、より画づくりの幅が広がります。

 全6回にわたってお送りしてきた撮影講座、いかがでしたか? 道を極めるにはまだまだですが、まず入り口には立てる知識はご紹介できたと思います。基本を押さえて数をこなせば、自分なりの「伝わる写真」が撮れるようになるはずです。大切なのは、撮影の際に、伝えたいことが明確であること、そしてそれを伝えるために見せる「画」を、具体的に思い浮かべることです。 これを読んでくださった皆さんが、納得のいく写真を撮れるようになることを期待しています。

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中浜正己 (なかはま まさみ)
・Webディレクター/エディター/ライター
・デジタルハリウッド大学院客員教授

コピーライター、PR誌編集者を経てWebディレクターに。編集者時代からスタジオでの撮影ディレクション、取材時の撮影なども手がける。Webディレクターとして大手ECサイトの企画・制作・運用に携わり、商品撮影の業務フローも構築。
売るための商品写真の技術には定評がある。

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